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平成11年 9月第 4回定例会−10月04日-05号

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  1. 石川県議会 1999-10-04
    平成11年 9月第 4回定例会−10月04日-05号


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    最終取得日: 2023-06-10
    平成11年 9月第 4回定例会−10月04日-05号平成11年 9月第 4回定例会   十月四日(月曜日)     午前十時四分開議           出席議員(四十八名)             一  番   作   野   広   昭             二  番   宮   元       陸             三  番   宮   下   源 一 郎             四  番   中   村       勲             五  番   下   沢   佳   充             六  番   藤   井   義   弘             七  番   米   光   正   次             八  番   米   沢   賢   司             九  番   山   田   憲   昭             十  番   若   林   昭   夫             十一 番   北       栄 一 郎             十二 番   広   岡   立   美             十三 番   杉   本   栄   蔵             十四 番   木   本   利   夫             十五 番   紐   野   義   昭
                十六 番   小   倉   宏   眷             十七 番   米   田   義   三             十八 番   朝   倉       忍             十九 番   粟       貴   章             二十 番   石   坂   修   一             二十一番   山   田   省   悟             二十二番   北   野       進             二十三番   田   中   博   人             二十四番   中   谷   喜   和             二十五番   八 十 出   泰   成             二十六番   石   田   忠   夫             二十七番   吉   田   歳   嗣             二十八番   向   出       勉             二十九番   善   田   晋   作             三十 番   上   田   幸   雄             三十一番   宇   野   邦   夫             三十二番   北   村   繁   盛             三十三番   長   井   賢   誓             三十四番   山   根   靖   則             三十五番   和 田 内   幸   三             三十六番   稲   本   孝   志             三十七番   庄   源       一             三十八番   稲   村   建   男             三十九番   長       憲   二             四十 番   北   村   茂   男             四十一番   中   川   石   雄             四十二番   宮   下   正   一             四十三番   米   澤   外   秋             四十四番   金   原       博             四十五番   矢   田   富   郎             四十六番   宮   地   義   雄             四十七番   宮   下   登 詩 子             四十八番   藤   井       肇        ─────────────── △開議 ○議長(稲村建男君) おはようございます。  これより本日の会議を開きます。        ─────・──・────── △質疑・質問(続) ○議長(稲村建男君) 日程に入り、質疑及び質問を続行いたします。粟貴章君。  〔粟貴章君登壇、拍手〕 ◆(粟貴章君) おはようございます。今定例会の開会からきょうまでを振り返ってみますと、連日のように入れかわり立ちかわり考えられないような事件・事故のニュースで紙面が飾られてきております。台湾の大地震、下関駅での無差別殺人、そして東海村の臨界被曝事故と、ゆっくりといろんなことを検証する暇もなく、続々とニュースが出てきているように思います。  そんな中で、すぐ記憶から遠ざけずにしっかりと考えていかなければならないことがまだまだたくさんあるような気がいたします。そんな思いの中で、まず台湾の大地震に関連してお伺いしたいと思います。  さきの我々新進石川を代表しての質問で石坂政調会長は、「基金の創設や人材派遣のマニュアルづくりなど、国際貢献で県の独自性の発揮を」と訴え、地方、地域独自の対応の必要性を説きました。  多くのとうとい人命が失われ、いまだ混乱が続いております。心から哀悼の誠を捧げるとともに、一日も早い復旧を祈りたいと思います。  また、義援金の拠出や人的支援を行うということは無論重要なことであり、関係各位に深く敬意を表する次第でもあります。  さて、今回のこの台湾大地震について見方を変えて県として関心を示さなければならないのは、台湾と関連する県内企業についてでないかと思います。石川県企業の台湾への輸出額を見てみますと、昨年、平成十年は北陸経済調査会の調べによれば約百七十五億円で、五年前の平成六年が約八十億円であったということを見れば、実に二倍となっております。台湾には半導体製造を初めとするハイテク関連、また織物製品の生産拠点が集積しており、かなりの打撃を受けているとのことであり、関係県内企業への影響が心配されるところであります。  また、台湾から日本へのポリエステル原料の輸入量は月五千トン前後に上り、そのうち約七割が北陸産地に入っていると言われております。関係者からは台湾からの輸入ストップは死活問題との声も上がっているようであります。  そこでお尋ねをいたしますが、まず県では台湾大地震による県内企業への被害、影響をどのように把握されているのか。具体的にその状況をお伺いしておきたいと思います。  また、今定例会でもいまだ出口が見えてこない不況の中、景気・雇用対策の議論がなされておりますが、特にこういう状況の中であります。地元企業のために一生懸命ビールを飲むことも大事かもしれませんが、情報の提供はもちろんいろんな角度から支援を講ずるべきと考えます。どのような支援策をお考えになっているのか、具体的に伺っておきたいと思います。  次に、石川県農業短期大学の四年制に向けた取り組みについてお尋ねいたします。  ことし五月に、「早期に四年制に向けた再編整備が望ましい」との将来構想懇話会の提言が出され、この九月には新たに石川県農業系大学基本構想策定委員会が設置され、去る二十日には第一回の委員会が開催をされたとのことであります。  私はかねてから、高等教育機関の集積率が京都、東京に次いで全国第三位の本県にあって、そのことを大事にしながらさらに新しい時代に向けて我々が目指すべき石川らしさがしっかりと込められた世界に発信できる大学に農業短大を発展させていきたい、そういう思いをこの議場でも何度となく訴えさせていただいてまいりました。それを振り返れば、四年制に向けた取り組みが具体化してきたということは私にとっても地元野々市町にとってもまことにうれしい限りでありますが、少子化が大きな問題になってきているこの時代、十八歳人口の減少が将来にわたって予想され、特に短大への志願者が減少している中、経営が成り立たないから全国的な流れとしてとりあえず四年制にしておこう、そういうことでは問題になりません。  そんなことはないとは思いますが、これまで知事の口から力のこもった思いが伝わってきていないように感じますので、改めて知事の決意を伺っておきたいと思います。  また、選任された今回の基本構想策定委員会の委員をどういう思いを込められて選ばれたのか、知事が期待をしたその思いをあわせて伺っておきたいと思います。  先週の一般質問で広大なキャンパスをという提案もございました。そういう思いも理解できないわけではありませんが、ここ最近というか、二十年ぐらい前くらいからでしょうか、都内の都心にある多くの大学は郊外に広大なキャンパスを求めて移転していったものが多く、当時学生であった私は魅力あるものに映りましたけれども、結果として現在はどうかというと、どの大学も志願者の減少に悩み、人気は低迷をしております。  つまり、何が大事かというと、やはり本物志向、いい教授、いい研究者のもとで学ぶという大学本来の使命を今の若者が欲している、そういうことを認識をしなければならないと思います。どういう布陣で大学を考えるかが私は最も大事だと思います。魅力ある教授陣のもとに全国から学生が集まってくる、このことこそが大事だと思います。単に県内高校生の卒業後の受け皿をつくるだけでは将来を考える上で魅力にはなり得ないと私は思います。  そんな中で、今補正予算において教員研究費として一千万円が計上されております。この意図はどこにあるのか。その思いを明らかにしていただきたいと思います。  さて、世界に発信できる大学にということは私の思いでもありますが、同時に石川県の名においてやる以上は、もちろん石川県に何を還元するかということも重要であります。例えば、農業総合研究センターとどうかかわっていくのか。どういうふうに有機的に結びつけていくのか。あるいは、地域に開放する大学とはどういうイメージなのか。産学官の連携に何を期待するのか。その辺の知事の思いもお聞きをしておきたいと思います。  とにもかくにも、四年制を目指すということを決めた以上は、早期に実現を図るべきだと思います。構想策定委員会のしっかりとした答申を期待するとともに、構想委員会の議論と並行して当然各界各層との意見調整等々、やるべきことはたくさんあると思いますが、どういうふうに庁内体制を整えて対処していくお考えか。また、何事も目標を立てて進むということが肝要と考えますが、四年制開学に向けてのタイムスケジュールをどう考えているのか、あわせてお伺いをしておきます。  いろいろ申し上げてまいりましたが、高等教育機関集積率全国第三位の本県であります。このことは本県にとってこれからも大事にしていかなければならないことだと思います。  今、文部省では来年度初めまでに国立大の独立行政法人化を打ち出す方針であると聞いておりますが、その所見も含め、今後県内各高等教育機関とどのような連携をとりながら農業短期大学の将来を考えていくのか、最後にお尋ねをいたします。  なお、念のため申し添えておきますが、「基本構想策定委員会の答申を待ってから」というようなお答えでなくて、知事の夢あるしっかりとした思いをぜひ御自身の口から発していただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。  次に、児童に対する虐待問題についてお尋ねいたします。  さきに庄源議員も触れられましたが、私なりの思いを込めて伺ってまいりたいと思いますので、お許しをいただきたいと存じます。  全国的に児童虐待が増加し、社会問題として大きくクローズアップされてきております。洗濯機に二歳児を押し込める。小一女児を両親らがせっかん死。息子の保険金ねらい殺害などなど、児童虐待のニュースがごく当たり前のように新聞紙面を飾っております。  東京都内の民間団体の実態調査では、子育て真っ盛りの母親の十人に一人が子供への虐待を繰り返しているとの調査結果もあるようです。県内の児童相談所に寄せられた相談件数を見ましても、一昨年が二十九件、昨年が四十一件と五年前の約七倍に達しております。恐らく潜在的にはかなりの数に上るのではないかと推測されます。  児童虐待には、保護者によってなされる身体的暴行、性的暴行、養育の怠慢ないし拒否、心理的虐待、登校禁止と、その種別はさまざまで、いずれにしても子供の心に与える心理的な傷ははかり知れないものがあり、とにもかくにも早急な対応が求められているところであります。  この深刻化する児童虐待に対応するため、厚生省では来年度から児童相談所児童虐待対応協力員を配置、市町村に虐待防止協議会の設置を求めるなど、児童虐待対策費として対前年で約九割増の約九億円を概算要求に盛り込んでおります。  これまでの知事の答弁では、「早期発見、早期対応が大事であり、児童相談所と保健所の連携を密にし、地域の理解と関心を深める努力をしたい」と答えられておりますが、改めて具体的な手だてを含め、どのように取り組んでいくのか、明らかにしていただきたいと思います。  また、県内の状況についてでありますが、児童相談所における児童虐待の相談内容、またこれまでどのように対応されてきたのか、お伺いをしておきます。  これまで県では関係者に対して子供虐待防止ハンドブックを配布し、対応についてのマニュアルを示しておりますが、地域の理解と関心を深めるためには一般の家庭に対しても啓蒙していく必要があると思いますし、もちろん根本は虐待をしている、していないにかかわらず、保護者に対してのいろんな意味でのケアをどうしていくのかが肝要と考えますが、どのように対処していくお考えか、お尋ねをしておきます。  次に、警察行政についてお伺いいたします。  神奈川県警の相次ぐ不祥事を初め、ここ連日のように全国で警察官による不祥事が報道されております。警察に対する国民の不信感が高まっているようで非常に遺憾に思いますが、そんな中で石川県警にあってはさきの質問にもあったように、精力的に事件解決の成果を上げられてきており頼もしく感じておりますが、相次ぐ不祥事の中、石川県警としていかに士気の高揚を図っておられるのか、まず警察本部長に伺っておきます。  さて、最近の犯罪情勢を見ますと、この議場でも何度か取り上げられているとおり、来日外国人による組織的な犯罪やインターネットを利用したハイテク犯罪など、新型の犯罪の増加は事件・事故の多発と相まって、地域の安全で平穏な生活を脅かす憂慮すべき状況となっております。  事件・事故についても、八月末現在で刑法犯認知件数は七千四百七十一件で、同月対前年比で一七・五%の増、交通事故発生件数は五千八百七十八件で三・九%の増となっております。  このような状況をどうとらえられているのか。また、重点的にどのような対策をとられ、あるいは今後とられるのか、お伺いをしておきます。  この手の質問をいたしますと、今議会でも本部長は「取り締まりを強化したい」、「万全の体制で臨みたい」と決意新たに力強くお答えになっておりますが、事件・事故の増加に加えて、先ほど申し上げたように新型の犯罪に対応するため、例えば語学の習得ですとかコンピュータの対応だとか、年々要求される事柄が多くなってきている状況の中で本当に対応し切れるのか、いささか心配に思います。幾ら体が頑丈な警察官の皆さんであってもこなし切れるのか、本部長の本音をお聞かせ願いたいと思います。  さて、今九月補正予算にはパトカー等位置表示システム整備費ハイテク犯罪対策費を初め、津幡警察署の基本設計、駐在所四カ所の建設費などが盛り込まれておりますが、これら警察施設に関連してお伺いをいたしたいと思います。  これまで、県警では基本的に老朽化した交番を順に建てかえ、あるいは改修をされてきております。中には地元からの強い要望で新しく交番を設置したところもありますが、要望がかなえられるまでかなりの時間を要していることも事実であります。特に新興住宅地に住む方々や大型店が進出してきた周辺の方々からは、治安に対する不安からパトロールを強化してほしい、近くに交番をという声をよく聞きます。  ちなみに県内十五の警察署管内で、対前年の人口対比を見てみますと、松任署管内で約二千五百人の増、次いで金沢東署約千二百人の増、次いで寺井署約千百人の増、以下津幡署、小松署、金沢西署の順で増加しております。  人口の増減だけで警察署あるいは交番の配置、人員体制を論ずべきものではないにしても、その時代その時代の状況に素早く的確に対応していかなければならないのが警察の使命ではないかと思いますし、県民生活の安全確保はすべての行政施策に優先すべきものと思います。  そういう意味で、私は単に現在地での交番の建てかえということではなく、将来の動向を見詰めながら、警察署、交番などの配置を考えていくべきだと思いますし、人員体制にしても近い将来、一時に百人前後の規模で定年となる警察官を迎える年が約十年間続くという大量退職の時代を迎えるということを聞いておりますが、そのときになって警察力の低下を招かないよう、私は今のうちに石川県警として総合的に中長期的な計画を立てて安全で安心のできる県民生活が送れるよう、その負託にこたえていくべきと考えますが、御所見と決意のほどをお伺いいたしまして、以上で私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(稲村建男君) 谷本知事。  〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) 粟議員の一般質問にお答えをいたします。  まず第一点は、台湾の大地震による県内企業への影響ということでございますけれども、私どもも大変心配をいたしておるわけでございます。現在、県内企業で台湾に事務所なり事業者を設けておられる企業は六企業あるというふうに我々承知をしておるわけでございます。幸いなことに、この六企業とも事業所は台北市内に置いておられるということでありますので、今回の地震の直接的な被害はなかったというふうに私ども報告を受けておるわけでございます。  ただ、現に事業所を台湾に置いている企業だけではなくして、台湾であれだけの大地震が起きますと県内の事業所の中でもいろんな部品の調達をしておられるという企業もございますし、台湾の現地の事情に対していろんな機材、部品等を含めて販売をしておられるという会社もあるわけでありますし、また台湾における生産拠点を設けておられるという企業もあるわけでございますので、それぞれの分野でこれからいろんな影響が出てくるのではないかということで大変懸念もいたしておるわけでございます。  調達の分野で見れば、あれだけの大きな災害があったわけでございますから、部品調達のおくれやストップ、そういったことが県内企業生産活動に大きな影響を与えるんではないかということでもありますし、販売の面から見ますと台湾の現地の需要が落ち込んでまいりますと売り上げの減少というものが考えられるわけであります。そして、生産拠点としては工場自体は被害はないということでありますが、停電、断水等がまだ続いているようでございますので、そういったことが現地の生産活動への支障、こういった形ではね返ってくるということもあるわけでございます。  そういう意味では、少なからずやはり影響は出てくるんではないかということでございますが、これは個別の企業ごとにどういう影響が出てくるのかということを個別具体に把握するというのは実際問題としては大変難しいわけでございます。私どもは私どもなりにこれからいろんな情報の収集に努力はしていきたいというふうに思いますけれども、そういった企業から具体的に御相談があれば、私どもいろんな制度融資等を含めて支援措置を用意をしておりますので、そういった対応に抜かりなきようやってまいりたいと、このように考えているわけでございます。  なお、十一月に商工会議所とともに、あるいは物産協会とともに商談会あるいは物産展等の経済交流事業を予定をしておったわけでありますが、台湾の現地の状況がああいう状況でございますので、現地の皆さん方の心情等も踏まえまして、今中止も含めた調整を進めておるところでございます。また、日を改めて実施をしようというふうな方向で今調整を進めておるところでありまして、本日県の職員を含めました関係者を台湾の方へ派遣をするということにいたしております。  次に、農業短大についての御質問がございました。私自身も農業を取り巻く環境が大きく変わってきておりますし、そして短大へ入学される方の中で農業後継者になろうという方が激減をしてきているということでございます。もともとこの農業短大農業経営者農業技術者の育成を目的に設置をされたわけでありますが、そういった大きな状況の変化の中でこの短大の持つ当初の意味合いといいますか、役割が大きく変化をしてきているんではないか。このままで、この短大のあり方がこのままでいいのかなという問題意識はあったわけでありまして、既に農業短期大学の将来構想懇話会、これは既に店じまいをいたしましたけれども、そこで今農業短大の果たしてきた役割、そして現状のままでいいのか、将来どうあるべきなのか、そういう御検討をいただいたわけでございます。そういう中で出てまいりました御提言が企業的農業経営者の育成、あるいは食品産業と関連した分野の人材の育成、さらには農業や食品と深いかかわり合いがございます環境分野への新たな取り組み、こういったことが恐らくこれから農業短大としては取り組むべき方向であろうと。そして、短大ということではなしに、そういった形で取り組んでいくことになりますと、やはり四年制大学を志向すべきであると、こういう提言もいただいたわけでございます。  そして、あくまでも目指すべきは農業系の単科大学、要するにこの大学での研究成果あるいは人材、この大学の特徴が生かせるような既存の石川県内にある大学とはバッティングをしない、そういう独自の分野を切り開いていくということが大事である、こういう御提言をいただいたわけでございますので、私どもの思いとそういう意味ではまさに一致をしたということでございます。これからぜひグローバルの時代でもございます。議員御指摘のように、世界に開かれた、あるいは地域に開かれた、さらにいえば地域に貢献する、そういう大学であってほしいなと。そして、全国から優秀な学生が集められるような、そういう大学であってほしいなと、こういう思いでございます。  その構想懇話会の御提言を受けまして、さらに四年制大学に向けて具体的に中身を詰めた検討をしていただこうということで、今申し上げた三分野を柱に据えてさらに具体的なより掘り下げた御検討をいただくということで今基本構想策定委員会をスタートをさせたところでございます。このメンバー、もう議員も御承知のとおりであろうと思いますが、生物生産の分野、地球環境の分野、自然環境の分野、植物バイオの分野あるいは筑波の研究所、それぞれ代表される方々にメンバーとしてお入りをいただきました。いわばそれぞれの分野の第一人者を委員として私どもは委嘱をしたと、こういうふうに考えておるわけでございます。ここでより掘り下げた検討を精力的におやりいただいて、今申し上げました方向性の肉づけをぜひしていただきたい、このように思っておるところであります。  次に、大学がよりレベルの高い大学であるためには優秀な教授陣が必要であります。現在の農業短大としては優秀な人材はそろっておるというふうに私どもお聞きをいたしておるわけでございますが、四年制大学を志向してまいります場合にはさらにこの大学のレベルを上げていかなければいけない。そのためには何よりも優秀な教授陣を確保するということが不可欠でございます。そういった思いで、学長さんの自由にお使いいただける予算ということで、優秀な人材を確保していただく。そういった意味で、今回一千万円の研究費を議会にお願いをいたしておるところでございます。こういった予算を有効に活用していただいて、全国から優秀な人材をぜひ集めていただきたい、このことを学長さんにも強く私どもお願いをいたしておるところでございます。  そして、タイムスケジュールという話がございましたが、庁内の組織、これは総務部が一応窓口になっておりますが、総務部はもちろんこれ農業関係の専門家ということではございませんので、総務部に農林水産部を加え、さらに必要とあれば他の部局にも参加をしてもらいまして、今幹事会、ワーキンググループをつくりまして、県庁は県庁なりに検討を進めており、そして内外の意見調整も行うということにいたしております。そして、現在はいずれにしましても基本構想策定委員会がスタートをしたばかりでございます。ぜひ、この委員会の中で開学の時期も含めましてさらに具体的なより掘り下げた検討をお願いするということにいたしておりまして、私どもとしては平成十二年度中にもこの新しい農業系大学の基本構想を取りまとめていただきたい、こういう思いがあるわけでございます。  この基本構想の策定をいただいた後、時を経ずしてこの設立準備室も発足をさせ、そしてこの新農業系単科大学の設立に向けた取り組みをさらに前進をさせていきたい、このように考えているところでございます。  次に、独立法人化のお話がございました。国立大学の独立行政法人化につきましてはまだ私ども情報が断片的にしか入ってまいっておりませんので、よく事情がわからないというところがあるわけでございます。国立大学協会もまだ大学協会としての御方針もお出しになっていないということでございますので、今後の成り行きを少し注目をしていきたい、このように考えておるわけでございます。  ただ、この農業単科大学につきましては今申し上げましたようないろんな課題にこたえていくという、県が設置をする大学でございますので、独立行政法人化の動きもにらんではいかないといけないとは思いますけれども、現時点では県が主体となって県立大学として運営をしていきたい、このように考えているところであります。
     次に、児童虐待問題についての御質問がございました。これはなかなか難しい問題でございますし、この児童虐待の発生要因としては特にお母さん方の育児への不満とかストレスがたまる。そして、それをなかなか外部にも相談するすべがないということがあるようでありますし、また夫婦関係が非常に不安定な家庭ほど児童虐待が起こりやすいということも言われておるわけでありまして、こういった問題はなかなか一朝一夕にしては解決できないわけでございます。ただ、子供さんが虐待を受けるというのはこれは大変不幸なことでございますから、そういった事態は何としても防いでいかなければいけないということでありまして、そういう意味ではこの前もお答えをいたしましたけれども、やっぱり早期発見、早期対応というものが必要であります。そういう意味では、関係機関の連携も必要でありますし、その連携をさらに深めていく、そしてそういった家庭がありとすれば早く通報していただくような体制の整備も必要でございます。そういった意味では、保健所あるいは児童相談所あるいは警察も含められるのかもしれません。あるいは地域の町内会等の御協力も必要なのかもしれません。そういったところは、お互いに情報を密接に交換する、そういった組織体制が何よりも必要なのではないかと、このように考えておるところでございます。  それから、連絡網整備に向けてより具体的に取り組みを進めていきたいと。何よりも早期発見、早期対応、このことを念頭に置いて対応してまいりたい、このように考えているところであります。 ○議長(稲村建男君) 荒川総務部長。  〔総務部長(荒川敦君)登壇〕 ◎総務部長(荒川敦君) 農業短期大学のうち農業総合研究センターとのかかわり、地域に開放する大学のイメージ、それから産学官の連携などについてでございます。  まず、新しい大学と農業総合研究センターとの連携につきましては、大学側においては例えばメーカーが新しく提供するシーズの把握を行いながら、学術的、先進的な研究を行う。一方で、農業総合研究センターの方においてはニーズの把握を行いながら応用的、実践的な研究を行う、そういった共同した研究を行う。あるいは大学の先生方が研究機関の職員を対象に新技術の研修会を開催するといった、そういう連携を図ることによりまして、本県農業の一層の振興を図ることが可能ではないか。また、大学を地域に開放することにつきましては、今日の生涯学習に対する需要の高まりを背景といたしまして、例えば公開講座の開設ですとか社会人特別選抜制度、科目等履修制制度の導入あるいは情報センター的な機能を持ちました図書館を県民に開放すると、そういったことが考えられるわけでございまして、各層の方々により身近な親しみのある大学にしたいというふうに思います。  また、地域社会や産業界の要請に積極的に対応するということで、ほかの大学、公設試験研究機関との連携もとりながら、産学官共同研究を行いまして新品種の開発、新たな産業の創出、生産システムの創造などを推進いたしまして、産業の転換にも大きく役立ち、本県の発展に貢献していけるような大学づくりに努めたいと思っております。  次に、県内の各高等教育機関との連携についてでございますけれども、御指摘のとおり本県は高等教育機関の集積が高いという特色を有しているわけでございます。そうした好条件の中の大学でございますので、他大学との共同研究、教員の交流を進めますとともに、学生に対しましては単位互換制度といったような制度も取り入れることなどを検討してまいりたいと思います。  以上でございます。 ○議長(稲村建男君) 藤井厚生部長。  〔厚生部長(藤井充君)登壇〕 ◎厚生部長(藤井充君) 児童虐待問題についてお答え申し上げます。  まず、児童相談所における相談についてでございます。最近、児童相談所に寄せられた主な相談内容を見ますと、年齢別では小学生に対する虐待が。虐待内容では保護の拒否、怠慢や身体的虐待が多くなっております。また、主な虐待者では実母が多く、虐待の対象がより低年齢化する傾向にございます。こうした児童虐待に対する対応につきましては、児童相談所では虐待を受けている児童の生命を守り、安全を確保することを最優先といたしまして、関係機関と連携しながら虐待の確認や緊急性の判断のもと、必要に応じまして一時保護を行うとともに、保護者からの事情聴取や保護者に対するカウンセリングを行っているところでございます。  次に、児童虐待問題についての普及啓発についてでございます。県といたしましては、今年度児童虐待に関するパンフレットを作成し、県内約十四万の子育て家庭に配布するとともに、そのパンフレットの中で子育てについて悩みを抱える保護者が相談できる機関も紹介することとしており、今後とも児童虐待問題につきまして県民の方の理解と関心を深めるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(稲村建男君) 永井警察本部長。  〔警察本部長(永井和夫君)登壇〕 ◎警察本部長(永井和夫君) 警察行政につきまして四点ほど御質問がございました。  まず一点目は、全国で不祥事が報道されておるけれども、本部長として県警の士気の高揚をどのように考えておるかと、こういう御指摘でございます。御指摘の不祥事につきましては、大変私自身遺憾に思っておるところでございます。私は昨年の夏、当県に着任をいたしましたが、それ以来、幹部職員に対しては機会あるごとに幹部は率先垂範をして事をなし、部下が人生意気に感じて職務に取り組むことができるような幹部であれというふうに訓示をいたしまして、さらに一方で仕事の成果が県民の皆さんに見えるように努力をせよと申してきたところであります。  そこで私自身、重大事件・事故発生時には現場に赴き、現場の職員に対し声かけを行っているほか、顕著な実績を上げた職員につきましては本部長室で直接表彰状を授与し、激励をするなど、その功績をたたえ、職員の士気を高めるように努めているところであります。  私の持論は、仕事の実績が上がっている職場は士気が高く不祥事は発生をしないという、これが私の考え方であります。今後とも職員が一丸となって県民の期待にこたえるたくましい県警であるべく全力を傾注してまいる所存であります。  二点目は、最近の犯罪情勢とそれに伴う重点的な対策ということでございますが、御指摘がありましたように最近の犯罪情勢は来日外国人による組織的な犯罪やいわゆるハイテク犯罪などが増加をしまして、犯罪もこれまで以上に複雑・多様化をし、国境を越えて日本に入り込んでくるなどのボーダレス化の現象など、従来の枠組みや手法では対応が難しい情勢となってきております。  これらに対応するために、ハイテク犯罪捜査官の新設とか銃器・薬物犯罪捜査体制の強化などを行う一方で、未解決凶悪事件の再捜査を初め必要な時間帯に必要な人員を弾力的に運用してのきめ細かな地域安全活動の推進に取り組んでいるところであります。  また、集団密入国事件の捜査、地下銀行や大量の覚せい剤摘発事件でも見られるように、関係都道府県との共同合同捜査の強化や部門間の垣根を越えた捜査の推進を図り、県民の皆様方の御理解と御協力をいただきながら、本県治安の確保に全力を傾注をしているところでございます。  三点目、事件・事故の増加、新型犯罪に対応できるのかという御質問でございますが、事件・事故の増加や新型犯罪の対応につきましては、警察の活動基盤はマンパワーが中心となることから、人材の育成が一番重要であるというふうに考えておりまして、職員個々の資質の向上を図っているところであります。  また、ハイテク犯罪来日外国人犯罪の新たな形態の犯罪に対処できる能力を身につけた人材の中途採用やその育成を推進し、高度な能力を有するプロ組織の確立に努めておりますが、一人の警察官で幾つかの任務を重複して担当しているのが現状であります。増員が期待できない現在においては、こうしたことでとにかく一人一人の警察官の能力アップを行い、組織自体を強くしていく必要があるというふうに考えておるところであります。  しかし、ひとり警察だけでは限界がありますので、現状の体制を補完をする手段として、沿岸警備協力会やコンビニ、宅配、タクシー業界など関係機関、団体の皆様方との連携などを図っているところであります。  今後、さらに多方面の県民の皆様方の御理解と御協力をお願いをすることになろうかというふうに思っております。  最後でありますが、警察署、交番の配置及び人員・体制の総合的、中長期的な計画ということでございますが、議員御指摘のとおり交番、駐在所の配置、新設、移転、勤務員の増員につきましては、犯罪や事件・事故の発生状況、人口、面積、地域の特殊事情、地域警察官の業務負担量などを総合的に考慮しながら地域住民の安全と平穏を確保するため、随時慎重に検討を重ねているところでございます。  また、職員の大量退職時代の対応についてのお尋ねでありましたが、御指摘のとおり平成十八年度から約十年間にわたり毎年八十人から百人前後の大量退職者が出ることになっております。これは石川県の全警察官の半数以上が入れかわることとなりまして、戦力の低下は否めない状況になってくるのではないかというふうに考えております。  こうした厳しい将来の情勢の到来に備えまして、質の高い人材を数多く確保していくために専門的能力、知識を有する者の中途採用制度の導入とか受験年齢の上限の引き上げ、女性警察官の積極的採用、交番相談員などOB警察職員の有効活用など、幅広い層からの多様な人材を確保するように努めているところでありますが、今後職員の前倒し採用などについても鋭意検討してまいりたいと考えているところであります。  以上です。 ○議長(稲村建男君) 宮下源一郎君。  〔宮下源一郎君登壇、拍手〕 ◆(宮下源一郎君) 六月定例会に引き続き発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。四月に当選以来五カ月が過ぎました。初心を忘れず頑張りたいと思っています。  まず、東海村の株式会社ジェー・シー・オーで十月一日に起こった臨界事故に被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。今回の事故を国際原子力機構 ──IA EAでは、レベル五に相当するとしています。レベル五は、米スリーマイル島原発事故並みと考えられているようですが、非常に深刻な状況であると思います。原発立県として政府に対して原因の究明を急ぎ、二度と事故が起こらないように今後の対応を申し入れると同時に、志賀原発に安全の見直しを勧告すべきと思います。  それでは質問に入ります。  まず、景気浮揚対策についてお伺いいたします。  先日、堺屋経済企画庁長官はことしの一月から四月の間に景気が底を打ったと明言しました。このことについて知事の御所見をお伺いします。  また、石川県の場合はどのように位置づけられているとお思いですか、あわせてお尋ねします。  鉱工業生産の拡大やGDPが一月から三月期と四月から六月期の二期連続してプラスに転じたことからの判断なのでしょうが、反面、設備投資や個人消費がいまだに回復せず、厳しいリストラがこれから続き、雇用環境の改善は一向に図られず、一段と厳しくなることも予想されています。さらに、土地価格の下落に歯どめがかからないことを考えると、景気の回復は本当なのか非常に疑問です。  このような状況は、昨年と何ら変わらないと思います。中小企業経営者はむしろ昨年より厳しいと考えています。昨年同様の財政出動型の景気浮揚対策が本年度も求められています。昨年は大型補正予算を打ち、十五カ月予算とし、四月から六月期の端境期を切れ目なく支え、景気の浮揚に大きく貢献をしました。今年度も昨年同様の十五カ月予算となるようですが、今回の九月補正予算は百八十一億余と昨年の二百四十五億円を下回る結果になりました。今議会で九月補正の審議中ですが、既に政府は第二次補正を実施する方向を打ち出していますが、これも昨年実績を下回る可能性もあります。  景気浮揚が至上命題である中で、評価の高かった昨年度予算に対して本年度をどう評価しているのか、知事の御所見をお聞かせください。  さらに、緊急地域雇用特別交付金事業で十七億円余の基金が造成され、うち四億円余が本補正予算の中で雇用促進対策として計上され、それにより六十九事業で五百五十五人の雇用の創出が可能であるとしていますが、実際には新規雇用にはつながらないと聞いています。  先日の杉本議員の質問で山岸商工労働部長は、「高卒就職希望者約二千五百人に対して有効求人倍率が〇・七六倍」と非常に厳しく深刻な答弁がありました。また、九月二十一日に開催された県、大学、職業安定機関等による大卒者等就職対策連絡会では、学校側から今年の求人は前年度比で三割減で、学生の中では就職を断念してフリーターを希望するなど、かつてない厳しい就職状況が報告されています。希望に胸を膨らませ、あすを信じ社会に出てくるや否や、就職浪人なんて到底許せるものではありません。  また、再就職に対する有効求人倍率も〇・五七倍と非常に少ない現状を考えるとき、予算の使い方に問題はないでしょうか。予算は新規雇用の創出を可能とする事業の創出や将来ある事業に対する運転資金、研究開発費、設備資金等に対する助成にもっと厚く配分した新たなる雇用を創出することが必要だと思います。  また、高等技術学校の科目は小松、金沢では時代に即応した科目の選定に努力しているようですが、七尾、能登でも新しい科目の見直しが必要だと思われますが、いかがでしょうか。  さらに、短期課程に先端技術のコースを設けてはいかがでしょうか。習得難度が高く時間を必要とするコースには、一コース六カ月とし、初級、中級、上級コースを設定し、何回かの訓練で技術を習得できるように配慮できないものでしょうか。  さらに、昼間のみならず夜間部を設け、就職ができずフリーターに身を置いている人や転職を考えている人にも門戸を開くことができないものでしょうか。補正予算では需給ミスマッチ解消と抽象的に扱われていますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、能登空港のインフラ整備と利活用についてお伺いいたします。  まず、インフラ整備について二点お伺いいたします。第一点目は、平成九年度に能登空港の全体建設費を三百二十億円から二百七十億円に圧縮したために、代替道路や進入道路などの建設に穴水町を初め地元三市町に大きな負担が生じ、三市町から切実な負担軽減の要望が寄せられていると思いますが、どのようになったのか、お聞かせください。  二点目は、能登空港の建設地に上水道が整備されていないことについてお伺いいたします。上水道は基本的には地元自治体が整備することになりますが、能登空港の場合は建設地が三市町にまたがることや、県が事業主体となって進めている空港建設であることから、これを地元に実施させるには余りにも負担が大き過ぎます。地元の苦しい財政事情を考えた場合、財政の硬直化をもたらすことは明白であります。  そこでお尋ねしますが、空港への上水供給はどこが行い、その負担はだれが負うのでしょうか。地元が負担する場合、県はどのような支援を行うのか。さらに、事業の着手と給水時期のタイムスケジュールとあわせて現在見込んでいる事業総額をお聞かせください。  次に、利活用についてお伺いいたします。近年、各地で地域特有の地ビールやワインづくりが進められております。地域の振興に大きく寄与しておると聞いております。  能登地域では、これまでクリの栽培やリンゴ、葉たばこ、桑など数々の取り組みがなされてきましたが、能登空港の開港を機に一・五次産業として能登ブランドのワインづくりが検討されていることを聞きました。特に小樽にある北海道ワインが能登に拠点をつくることに意欲的であると聞いています。このことが実現し、能登ブランドのワインが生産され、地元のみならず全国に発信できれば能登の知名度が上がり、地域振興に大きく貢献するものと考えます。  ワインづくりはブドウづくりから始め、醸造まで数年かかると聞いています。ブドウの生産体制やブドウの品種の選定など幾つかの課題があるようですが、能登空港の活性化につながるものと思います。このワインづくり事業に県は積極的に取り組むべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、森林整備についてお伺いいたします。  森林は、木材の供給のみならず国土の保全、水源涵養、二酸化炭素の吸収と酸素の生産、レジャーなどさまざまな公益的機能を有しています。九月十九日の国連環境計画の地球環境概況二〇〇〇では、地球温暖化対策は手おくれかと報告されています。ますます森林の役割が重要になってきます。県内の森林の公益的機能を金額に換算すると四千四百億円と県では試算しています。  今日まで森林からの利益を森林の整備に還元していましたが、木材価格の低迷から困難になり、放置された森林が散見されるようになりました。トラック一台の木材が同量のわらより安いという、笑うに笑えない現状があります。政府、県及び市町村には森林の公益的機能を維持するべく積極的に助成をしていただいておりますが、今後も一層の応援を賜りますようお願いをいたします。  このような中で、昭和四十年から五十年代に植林された杉、アテの人工林は今間伐期を迎えていますが、木材価格の低迷から山林への投資意欲が減退し、間伐のおくれは深刻な状況に陥っています。付加価値が高く健全な森林を育てるには間伐は避けられない作業であり、関係予算の拡充強化が求められています。特に間伐材の搬出利用率は全国平均で四三%であるのに対し、当県では二六%となっています。この原因は搬出費が高く利益にならないことによります。間伐材の搬出を向上させるには、搬出経費の低減、付加価値の高い加工品の販売促進、間伐補助の増額が必要です。搬出費の低減には、幅員四メートルの作業道、林道を整備し、高性能機械の導入を可能にすることが必要であり、高度加工には規格丸太やフローリング、集成材等建設材としての加工施設を必要とします。間伐材加工には県発注工事の土木資材や建築用材への積極的な利用をお願いいたします。  また、福井県では間伐材の搬出及び運搬に補助をし、間伐を促進しています。今後の間伐対策について知事の御所見をお聞かせ願います。  次いで、林木の病害虫駆除についてお伺いいたします。県内の松くい虫被害は空中散布や伐倒駆除により鎮静化の方向にあるようですが、いまだ相当の被害があります。今後の松くい虫防除対策について部長にお伺いします。  また、県木であるアテにろうし病の被害が発生しており、穴水では立ち枯れするなどの被害が発生しておるようですが、その被害状況はどの程度か、またアテのろうし病の原因は明確でないと聞いておりますが、県木が病気では何をかいわんやであり、早急に原因を突きとめるべきと思うが、部長の御所見をお聞かせください。  木材価格の低迷を少しでも改善し、林業の川上川下の経営基盤が安定するべき、林業界を挙げて頑張っています。川上では優良材の生産、林道、作業道整備や高性能機械による伐採搬出経費の削減等であり、川下では市場の統合による合理化や付加価値を高めるための加工や新商品の開発と販路の拡大でありますが、努力の割には実績は上がっていません。今後予定される県庁移転や新幹線建設と国、県、民間、大型プロジェクト事業に県産材を使用していただけるように御配慮をお願いいたします。  次に、林業就労者の就労環境環境を改善し、仕事に生きがいと夢を構築し、後継者の育成を図るべく創設された石川県林業労働対策基金の活用についてでありますが、基金の運用益を農林年金災害共済、林業退職共済等の助成に現在使っていますが、どの程度の成果を上げているのか、お伺いいたします。  金利の安いことを考えると、大変厳しい状況にあるのではないかと思いますが、今後林業就労者の高齢化がますます進行することから、若い後継者の雇用を確保することが不可欠であります。そのためには就労者の住宅費の助成など福利厚生を充実させ、安心して就労できる環境を整える必要があると思いますが、脆弱な基金のみでは支え切れるものではありません。抜本的な対策が必要だと思いますが、今後の林業担い手の育成確保に対する取り組みについてお聞かせ願います。  次に、感染症の問題については過日八十出議員がただしたので質問を控えさせていただきます。  次に、土木問題として鳳至郡での懸案事項についてお伺いいたします。  懸案事項については、さきに自由民主党から要望事項として上げていますのでよろしく御検討ください。その中で、三点について質問いたします。  一点目は、八月九日に県及び地元の協力により北河内ダム建設基本協定が調印され、いよいよ建設に向かって大きく踏み出しましたが、県当局には心から御礼申し上げます。今後は用地取得のみならず建設の早期促進をお願いいたします。  二点目は、国道二百四十九号線本木から曽山及び比良までの区間は、道路幅員が狭く急カーブが連続し、交通の難所となっており、大型車両のスムーズな交通もできず、冬期間においては車両のスリップ事故が多発している実情であります。通行の安全性と円滑化を図るために、早期に道路改良を実施していただきたいと思います。  三点目は、能登空港と相まって能越自動車道此木インターから空港インター、門前道路門前市街から此木インター間を早期に完成させ、高速交通網の確立を促進していただきたいと思います。  次に、環境問題について二点お伺いいたします。  一点目は、国際協力についてです。県はこれまで中国・江蘇省との湖水浄化の協力や中国の研修者の受け入れ、日本海沿岸各国の酸性雨問題研究者による国際シンポジウムの開催支援を実施するなど、国際協力を行っていることは高く評価されるところです。  今日、日本海側で問題とされる酸性雨は中国からの影響とされることや、地球温暖化やオゾンホールなど、地球規模の環境問題は自国での努力はもちろんですが、国際協力なくして解決できるものではありません。我が県の国際的発言力を強化し、日本海側の環境保全に指導的役割を果たしていくために従来以上の国際協力、特に中国、韓国、東南アジアの環境問題への技術的支援が必要であると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  二つ目は、千里浜から小松に及ぶ能登及び加賀海岸の侵食は極めて深刻な状況にあると思います。土木部長にお伺いしますが、海岸侵食は十年前、二十年前に対してどの程度進んでいるのかをお聞かせ願います。  また、手取川ダムの建設により川から海に流出する砂がダムにせきとめられて少なくなったことが原因であるとの考えが一般的でありますが、手取川ダム建設後の侵食はいかがでしょうか。あわせてお伺いします。  先般、建設省は手取川ダムからダム堆積砂を定期的に放出し、海岸の侵食の防止を図ろうとする案が示されましたが、このことをどう思いますか。全国にこのような例があれば示し、その効果の状況をお聞かせください。  今、手取川ダムは上流の土壌の影響と思われますが、洪水時に流入した土壌が沈降せず、水質の悪化を招くと同時に、一たんダムに貯留された懸濁物質が海にまで流れ込み、周辺の海を濁し、大きな問題となることがしばしばあります。もし、堆積砂を流すとすれば、その砂の中には相当多量の細かい土壌が含まれており、沿岸海域に大きな問題を引き起こすことが予測されます。  県は建設省と事前に十分な検討協議を行い、万全を期していただきたいと思います。知事の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。  御清聴どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(稲村建男君) 谷本知事。  〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) 宮下議員の一般質問にお答えいたします。  まず第一点は、景気対策についての御質問でありますけれども、堺屋長官の発言についてどうかというお尋ねでございますが、いろいろ我々も調べてみますと、堺屋長官の個人的な発言ということで、経済企画庁の公式見解ではないということで最終的には落ち着いたようでございます。  国の方は、日本の経済そのものは基本的には回復基調にあるというのが国の認識ではないかというふうに私ども受けとめておるわけでございます。  石川県の経済はどうかということでございますが、これまでお答えをしたわけでございますけれども、いい材料と悪い材料が入りまじっておるということでございます。電気機械や電子部品、こういったものについては大変生産水準が上がってきておるということでありますし、一般機械でも建設機械ですね。これは公共事業の大幅な上積みということもあるんだろうと思いますが、小型の機種を中心に回復基調にある。公共事業や住宅建設は大幅なプラス傾向ということでありますし、一番大事な企業の皆さん方の気持ちといいますか、景況感というものもまだマイナスではありますけれども、そのマイナス幅が日を追うごとに縮小してきていると。ですから、振り返ってみますと、倒産するはずもないと思っていた都市銀行あるいは大手の証券会社が次々とばたばた倒産をしていったという、あのころは企業家にとっては我々にとってもどん底の時期であったのではないかと、心理的な面においても。その域は脱しつつあるんではないか、こういう感がするわけであります。  ただ、御指摘のように雇用の面、まだまだ厳しい状況があるわけでありまして、特に我々が今心配しておりますのは急激な円高がやはり進行しておるということでありまして、これは石川県の機械あるいは繊維業、輸出関連企業が多いわけでありますから、これに大きな影響を与えるんではないかということを大変懸念をいたしておるわけでございます。そういう意味では、景気の現状は決して楽観しがたい状況が続いておるというのが正直なところではないか、このように思うわけであります。  次に、公共事業についてを中心としての予算、御質問がございましたけれども、昨年度は公共事業大幅に上積みをいたしまして非常に多くの予算を今年度に繰り越しをいたしておるわけであります。こういった要素を加味しますと、昨年度の九月現在の水準を超える形での事業費は確保されているというふうに私ども認識をしておるわけであります。  そして、公共事業等予備費も大方の配分が決まってまいりました。今回は国が直接行う事業を中心ということでございますので、県がみずから行う事業はウエートが低いわけでございますが、数字を早く整理をいたしまして、この議会にぜひ追加提案をさせていただきたいということで今その準備も進めておるわけでありますし、そして政府の方も次の臨時国会で第二次の補正予算を提案したい。そういう中で、公共事業についてもめり張りをつけたいというふうなお話が聞こえてきておるようでございますので、これまた十五カ月予算ということでありますから、こういったものがもう少し具体的に見えてまいりますと、私どもも必要な作業を進めてまいりたい、このように考えているところであります。  次に、能登空港についての御質問がございました。能登空港の事業費が圧縮をされたわけでございますが、これは財政構造改革という風が吹き荒れている中で、第七次の空港整備計画に何としても組み入れてもらわなければということで三百二十億円から二百七十億の圧縮を我々も受け入れざるを得なかったということでございますので、その点はぜひ御理解をいただきたいというふうに思う次第であります。  こういったものを道路事業とか農地防災事業という形で別のメニューで実施をするということにしたわけでございます。そういう意味では、議員御指摘のように穴水町、輪島市、能都町のこの三つの市町村に新たな負担が発生をしまして、その金額は五億円を超えるということに相なったわけでございます。地元のこの負担軽減についての御要請は私どもも十分理解はできるわけでございますので、これまで調整をしてまいりまして交付税措置のある有利な起債を充当する、あるいは自治振興資金の貸付金制度がございますが、これを活用して一部助成をするということにいたしたわけでございます。これらの結果、地元の負担額は三市町村合わせて約九千四百万円ということに相なりました。  これについてはどうかということもあるかもしれませんけれども、道路の整備についても現道をそのまま整備をするということではなしに、道路の拡幅をこの際やってしまおうというような現道のグレードアップの要素等もございますので、この辺のところはぜひ市町村で通常のペースで御負担をぜひお願いをしたいな、このように考えているところであります。  次に、上水道についての御質問がございました。能登空港建設への給水計画、我々、それから地元の市町村ともに一緒になって検討を進めてきたわけでございます。上水道ということでございますから、基本的には市町村の仕事ということになるわけでありまして、給水余力がまだ穴水町にあるということでございますので、その水源は穴水町に求めるということで、事業主体は穴水町をということでお願いをすることにいたしておるわけでございます。  総事業費は十四億円ということでございますが、穴水町に過重な負担をかけるというわけにもまいりませんので、上水道事業債という地方債を充当するわけでありますけれども、国からの交付税あるいは料金収入、こういったものを差し引いた残額について、基本的には全額県から助成を行うということで穴水町の実質的な負担が生じないように配慮をさせていただいたところでもございます。  空港への給水は、平成十三年の九月にはこれ必要になってまいりますので、穴水町では今年度中に実施設計を終了して、平成十二年度に工事に着手をしていただく、こういうことに相なっているわけであります。  次に、空港の活用についての御質問がございました。今、具体的に北海道ワイン株式会社が手を挙げていただいておりまして、能登地域におけるワインの原料になるブドウの産地化について基本的には有望であるという御認識をいただいておるわけでございます。我々にとっては大変ありがたいことだというふうに思っているわけでございます。  ただ、我々はそのまま食用に供するブドウについては栽培のノウハウはございますが、こういうワインの材料になるブドウの栽培についてはいまだかつて経験がないわけでございます。ですから、能登の土壌がそれに適しているのかどうかこと等を含め、少し技術的な検討も進めていかなければいけない。そういった技術面のいろんなノウハウの提供についても、この北海道ワインの方で御協力をいただけるということになっておるわけでございます。  今、能登開発地の営農センター、ここでブドウの試験栽培を進めておるわけでございます。意欲のある農家も二、三あるやに私どもお聞きをいたしておりますので、ぜひ農家の皆さん方にも一緒になって取り組んでいただきたい、このようにも考えておるところでございます。ぜひ、このワインづくりも成功させたい、このように考えているところであります。
     次に、林業についての御質問がございました。この県産材の活用ということでございますけれども、大変大事なテーマでございますし、さかのぼってみれば昭和三十九年ですか、国が輸入自由化という極めて安易な先見性のない選択をしたというところに大きな要因があるわけでありまして、その後、安い外材がどんどん入ってくる。そして、国産材、県産材は隅っこへ追いやられるという状況が生まれたわけでございます。この辺のところは何か知恵の出しようがなかったのかという思いがするわけでありますが、過ぎてしまったことばかりを言っていてもしようがないわけでございます。  いずれにしましても、この間伐というものはいい材を育てるためには不可欠でございますので、間伐を進めていき、間伐材の需要の拡大を図るということが大変大事でございますし、と同時に川上側にもいろいろなコストダウンの努力もやはりしていただく必要があるんではないかと、このように考えているわけでございます。  今までもこの間伐コストの低減ということでいろんな造林事業における間伐事業の重点配分とか国庫補助の対象外になっております高齢木の間伐に対する県単事業の助成でありますとか、林道・作業道の開設、機械化の整備によるこういった搬出コストの低減ということに取り組んでまいったわけでございます。そして、さらに間伐材の加工施設の整備に対する助成も行っていこう。そして、公共土木事業等への間伐材の有効利用ということで、県産材活用推進のプロジェクトチームを立ち上げたわけでございます。  今、山林化というんでしょうか、山をお持ちの皆さん方が県内には三万六千人おられるということでございますが、そのうち約二万七千名の方が森林組合に所属をしておられる。ですから、これはこの山の木を材として生かしていこうという形で取り組んでおられるわけでありますが、問題は残りの九千人の方がそういったかかわり合いを全く持っておられないということでありますので、この辺はどういう御意向があるのかということも我々改めてしっかり意欲のほどをしっかりと調査をし、状況を把握していく必要があるんではないかというふうに思うわけであります。  森林は、公益的機能がありますし、また経済的機能も持ち合わせているわけでありますから、両々相まつように我々もさらに努力を重ねていきたいと、このように考えているところであります。  次に、北河内ダムについての御質問がございました。八月の九日に地元の皆様方の御理解と御協力をいただきまして、用地補償単価等基本的事項についての合意を得ることができたわけであります。改めて地元の皆さん方の御協力に心からお礼を申し上げたい、このように思う次第であります。  現在、地権者の方お一人お一人と用地買収の交渉を行っておるわけでございます。今年度中には用地取得をおおむね終えたいと、こういうスケジュールで今取り組んでおるところでございます。  工事につきましては、今年度中につけかえ県道の実施設計をぜひ終えまして、平成十二年度からはダム本体工事に必要な道路工事に着手をしたい、このように考えておるところであります。ダム本体の一日も早い着工に向けて、必要な予算の確保にも努力をしてまいりたいと、このように考えているわけであります。  次に、能越自動車道関連について御質問がございました。此木インターから空港インター間の六キロメートルにつきましては、既に建設省で平成九年度から事業に着手をしていただいております。現在、測量設計を進めていただいておるわけでありまして、建設省の方では本年度中に一部用地買収に着手すると、このように私ども聞いておるわけであります。能登空港への重要なアクセス道路でございますので、建設省にはぜひとも平成十五年の空港開港までに少なくとも暫定二車線で供用できるように強く要望しているところでございます。  それから、門前の市街地から此木インター間までの道路整備についての御質問もございました。今、三カ所で事業を実施しておるわけであります。このうち小俣バイパスにつきましては平成十二年度の完成供用を予定をいたしております。他の二カ所につきましても、早期完成に向けてさらに努力をしてまいりたいと、このように考えているところであります。  次に、環境問題についての御質問がございました。環境問題、地球温暖化とか酸性雨問題、非常にグローバルな形での対応が求められる課題が次々と生じてまいっておるわけでございます。もちろん、国と国との関係は政府でおやりになるということが基本でありますけれども、我々も地域レベルでこういった環境面での御協力ができないかということで、いろんな取り組みを進めてまいったわけでございます。  議員御指摘のように、中国太湖の水質改善に対する技術支援も行ってまいりました。これが大変評価をちょうだいいたしまして、平成十一年度からはこれはJICAの事業に格上げをされました。JICAとしてこれを取り上げて技術協力を行うと。そのスタッフとして石川県からもさらに参加をすると、こういうことに相なっているわけでございます。  こういった環境問題につきましては、こういったことにとどまらず、とりわけ中国あるいは韓国等々を含めました今具体に生じておりますもろもろの環境問題に私どもが持っております技術で提供できるものがあれば、これからも積極的に提供をして、こういった今具体に抱えております環境問題の解決に向けて私どもなりに努力をしてまいりたい、このように考えているところであります。 ○議長(稲村建男君) 山岸商工労働部長。  〔商工労働部長(山岸勇君)登壇〕 ◎商工労働部長(山岸勇君) 雇用についてのお尋ねがございましたのでお答えをしたいと思います。  まず一点目の雇用創出ということでございますけれども、先般来、知事からも答弁がございましたように、雇用は極めて中長期的に対応することも大変大事であるというふうに思っておりまして、既存産業の経営安定、さらには新産業の創出、新分野の進出、ベンチャーの育成ということが大変大事であろうというふうに思っております。  また、中高年齢者を初めとした能力開発も極めて重要であると思っておりまして、こうしたことを総合的に実施することによりまして将来の雇用の創出、安定につながってくるというふうに考えておるところでございます。  なお、御指摘の今般の緊急地域雇用対策特別交付金事業というのは、将来の雇用という面よりも当面の離転職者の再就職までのつなぎ事業として位置づけておりまして、当面の雇用対策にも一定の効果があるというふうに期待をいたしているところでございます。  次に、高等技術学校の能力開発についてでございますけれども、議員も御案内のとおり県立の高等技術学校には能登、七尾、金沢、小松の四校がございまして、訓練科目と申しますか、研修科目は十六科目、定員は三百五名というふうになってございます。それぞれのいわゆる訓練科目、研修科目の設定に当たりましては、これまでも地域の求人需要あるいはまた求職者の要望も取り入れた内容でなるようにこれまでも科目あるいは訓練科目あるいはまた期間の見直しについて何回か見直しを行ってきたところでもございます。  しかし、御指摘のように昨今の急速な技術の革新あるいは進展、そして将来の産業構造の変革に即応するため、また産業界の多様なニーズにも対応した能力開発を行うために、今般の補正予算におきましても職業能力開発体制の抜本的な整備を目指しまして、産業界のニーズの調査とあわせまして、さきの能力開発審議会の答申を具体化へ向けた検討経費を計上したところでもございます。  このニーズの調査の検討結果に基づきまして、できるだけ速やかに科目の見直しを含めた職業能力開発体制の整備を図ってまいりたいと、このように思っているところでございます。  なお、夜間部を設定してはとの御提言がございましたが、今回の緊急雇用創出事業におきまして、新たに企業の在職者をも対象とした離職者等の夜間職業研修事業というものを三コースで百二十名の定員枠で実施することにいたしております。今後、地域のニーズや要望を見きわめながら、必要であればさらにこのコースを拡大していきたい、このように思っているところでございます。  以上でございます。 ○議長(稲村建男君) 山西農林水産部長。  〔農林水産部長(山西邦尾君)登壇〕 ◎農林水産部長(山西邦尾君) 林業について四点お答えいたします。  初めに、松くい虫の防除対策についてでございます。松くい虫の防除につきましては、国定公園区域内の景勝地の松林や海岸沿いの保安林など公益的機能の高い松林を保全すべき森林といたしまして、薬剤散布、被害木の伐倒駆除などのきめ細かな防除を実施しておりますほか、保全すべき森林の周辺森林におきまして樹種転換などを実施しているところでございます。  この結果、最近の本県におきます松くい虫の被害は減少傾向で推移しておりまして、平成十年度の被害はピーク時の三七%に減少をしております。今後とも関係市町村との連携を図りながら、松くい虫被害の減少に努めてまいりたいと考えております。  次に、アテのろうし病の原因と対策についてでございます。アテのろうし病の発生原因につきましては、現在のところ雪害や風害により傷ついた箇所からの病原菌の侵入と樹体のアレルギー的な反応による複合的な要因が有力と推定されておりますが、引き続き県林業試験場において国の関係機関と連携を図りながら早期解明に向けて取り組んでまいりたいと、このように考えております。  なお、被害の抜本的な対策につきましては原因究明を待って確立する必要があるわけでございますが、当面の対応といたしまして除間伐を適切に実施するよう、森林所有者などに指導しているところでございます。  また、ことし穴水町と門前町で発生しましたアテの集団立ち枯れにつきましては、現地調査を行ったところ、被害本数は約五百本でございましたが、被害森林が二十五年生から三十五年生のアテ人工林で発生していること、また枯死木の中にろうし病被害木が含まれていることなどから、枯死の原因にはろうし病がかかわっている可能性は考えられますものの、現段階では明確にはなっていない状況でございます。  このため、直接的原因につきましては国の試験研究機関と連携を図りながら早急に解明したいと考えているところでございます。  次に、石川県林業労働対策基金の活用についてでございます。御案内のように、県といたしましては平成三年度に林業担い手の育成確保に向けて財団法人石川県林業労働対策基金を設立をいたしまして、その運用益により林業労働者の社会保険の掛金に対する助成を実施してきたところでございます。  この結果、基金設立後の平成四年度と比べますと、四十歳未満の若い就業者が三十一人から百二人に増加していること、また通年雇用者が十九人から七十九人に増加していること、さらに社会保険加入率が大幅に増加していることなど一定の成果が見られたと認識しているところでございます。  今後とも基金の有利な運用に努めながら就労条件の改善など、引き続き優秀な林業労働者の育成確保を図ってまいりたい、このように考えております。  次に、林業担い手の育成確保についてでございます。林業担い手の育成確保を図るためには、社会保険の掛金助成などの林業就労条件の改善のほか、林業事業体の経営基盤の強化と新規就業者に対する支援を図ることが重要であると考えております。このため、森林組合の広域合併の推進等による林業事業体の経営基盤の強化を図ることといたしております。また、基金によります新規就業者の募集、就職相談、それから技術研修及び講習会の実施、そして就業準備資金の無利子貸付金などの新規就業者に対する支援を行っているほか、林業試験場にあすなろ塾を開校いたしまして、Uターン者を含む森林・林業に関心のある若者を対象とした林業の実践的な教育などを行っているところでございます。  今後とも若者に魅力ある就労環境づくりを目指しまして、その取り組みを支援してまいりたい、このように考えております。  以上でございます。 ○議長(稲村建男君) 中島土木部長。  〔土木部長(中島浩君)登壇〕 ◎土木部長(中島浩君) 二百四十九号についてお答えいたします。一般国道二百四十九号のうち、能都町の本木から曽山を経て穴水町比良に至る区間につきましては、御承知のように二車線は確保されておりますが、山間部を通ることや急カーブがございまして、特に冬期間スリップ事故などが発生しておることを承知しております。この区間につきましては、交通量等の関係から早期の事業着手は困難な状況でありまして、特に冬期交通安全対策に努めてまいったところでございます。  今年度は新たに積雪時の路面の状態をリアルタイムで把握できるように監視カメラを設置いたしまして、迅速な除雪を行うなど今後も安全確保の強化に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。  それから、海岸侵食などの状況につきましてお答えいたします。小松から千里浜に至る海岸のうちの小松市から金沢市までの加賀地区海岸では、昭和の三十六年から建設省及び県施行による離岸堤や人工リーフの設置を行いまして、この効果によりまして十年前や二十年前に比べますと海岸線の前進が見られているところでございます。また、内灘町から羽咋市の千里浜に至る中能登地区海岸では、十年単位で侵食されたり堆積が繰り返されたり、そういう状況にあるわけでございます。  しかしながら、五十年前と比較いたしますと、特に高松・七塚海岸地区では約三十メートルの海岸線の後退が見られます。一方、また内灘町では五十メートルの海岸線の前進が見られると、こういったことでございまして、特に手取川ダムの完成による海岸線の侵食の影響というのを特定することは今のところ難しいという状況でございます。  なお現在、別途広域的な漂砂の機構の研究調査を行っておりますので、そういったものを踏まえながら解明をしていきたいと、このように考えているところでございます。  続きまして、その関連で手取川ダムの堆積砂の放出についてということでございましたのでお答えいたします。手取川水系は平成十一年度の国の新規施策として総合土砂管理のモデル水系の一つとして取り上げられております。先ほど言いました、現在広域的な海岸の漂砂の機構の調査を実施しておりますので、これを踏まえて放出土砂の有効性も検討するものと聞いております。  なお、この事例といたしましては全国初めて黒部川の出し平ダムにおいて平成十年度から堆積砂の放出が実施されております。目下その効果や課題について分析中と聞いております。今後とも十分研究をしてまいりたい、このように考えているところでございます。 ○議長(稲村建男君) 北栄一郎君。  〔北栄一郎君登壇、拍手〕 ◆(北栄一郎君) 発言の機会をいただきましたので何点かについて質問をいたします。  第一点は、県政におきます意思決定の手続についてでございます。  県政は県民のものといいながらその実を上げることは大変難しいことであります。知事も行政のベテランとしてその難しさを日ごろから実感されていると思います。私は県政が県民のために開かれることを願いまして、以下幾つかの意見を含めて質問をさせていただきます。  私のささやかな経験から見ても、県政は国政、市町村政と違って県民との距離において大きな難しさがあります。まず第一に、県庁を訪れる必要性がまず一般県民には旅券等を除きますとほとんどないとか、あるいは県政は国政との観点が極めて強い。あるいは身近な生活圏を超えた範囲であるとか、あるいは特に各種団体、市町村という間接性といいますか、こういう団体を使って行政を行う。さまざまな理由がそこにあるわけでありますけれども、したがってお茶の間で政治を語るときになりますと、テレビ、マスコミが圧倒的に国政の動きを流す。そういうことから小渕さんについてのいろんな話題が出たりいたしますが、県政については国政ほどは出ない。  市町村の方はごく身近で何より知っている関係で運営されておりますので、首長も含めまして日ごろより気軽な論評が街角でも行われているわけであります。しかし、どうも県政だけは一体何が問題になっているのかも一般県民は率直に言ってよく知らないのが現実の姿ではないかと思っております。  県は何よりも優秀な職員もたくさんいますし、大きな財力を持っておりますし、法制度に守られて大きな力を持っておるわけでありますが、県民には身近なものに感じ取れない。たくさんの県税を負担しているのにそういう状況があるように感じられます。  その上、さらに近ごろでは政治に対する白けと言われますけれども、政治状況からだれがやっても同じだとか、あるいは日本には政治のリーダーはいないとか、そういうふうな論調が国政を中心にマスコミから流れておりまして、そういう中でよく最近指摘されている言葉ですが、観客民主主義という言葉がございます。これは政治が一番生活に大切なものであるにもかかわらず、興味は持つけれどもみずから飛び込んで責任を持って自分みずから参加する、意見を言う、行動するということが少ない国民、県民の姿、その政治をこう呼んでいるわけであります。当然なのかもしれませんが、ある意味で大変危険なことであります。  知事は建前を語る立場でありますから言いにくいことでありましょうが、この観客民主主義ということが事国政にあらず県政にも及んでいると感じることはふだんないかどうか、お伺いいたします。  そこで、県民に県政を身近に考えてもらおうとするとき、よく言われることは「私らには法律やら行政のような難しいことはわからん」という単純な声であります。ともかく県政のことを何よりもまずおもしろくわかりやすく、特に決まったこと、結論をお知らせするのではなくて、知事以下の判断の以前に問題点や課題や物語を率直に県民にお知らせすることの重要性であります。  私は狭義の情報公開、いわゆる公文書を見せればいいといっているのではありません。過去の公文書を見てもせいぜい飲み代が高くてけしからぬという程度であります。プロセスを県民にわかりやすく思い切った広報といいますか、おもしろさ、あるいは知らせる努力、これが県政を県民に近づけるのではないでしょうか。知事の御意見はどうでしょうか。  辰巳ダムの反対運動も要は知らないし、知らせないから起こっているのではないでしょうか。県民は何も言わない。言わないから賛成なのだと割り切るやり方に対する抵抗と考えるべきなのではないでしょうか。  そこで、私は去る六月議会から今議会に通じて得た感想でありますけれども、いつも大変気になっていることがあります。知事らしい手法といえばそれでいいわけでありますけれども、知事や部長の説明、答弁の中にしばしば「市町村や各種団体が何か考えたらやります」、「審議会や懇談会の意見をまずお聞きします」、そういう言い方が大変頻繁に見受けられております。どうもまず最初の県の考え方がわからないことが極めて多いわけであります。  市町村や各種団体は実践部隊でございまして大変お忙しい。ゆとりもない。現場は知っているけれども、方策やビジョンを考えるゆとりや余裕がないことが多いのであります。審議会や懇話会に至っては、ガス抜き機関とは言わないまでも、ほとんどが肩書を持って出ている人たちでありますから、地位や立場もあって発言は当然慎重にならざるを得ないのであります。  何事も第一声が大切でありまして、県民はまず県の考え方、特に知事の考え方を聞いて初めてわいわいと関心を持ち、そこに知恵が出てくるのではないかと私は思っております。  県庁跡地を論ずるのは懇話会のメンバーのみではないはずであります。いつもいつも県や知事が行司や議長のようでは皆もやもやしてしまうばかりであります。政治手法、考え方ということであると思いますが、知事からもう少し具体的な提案や考えが示され、知事の志やら知事の個性がわかれば論議も盛り上がるし、新しい考え方の発展もあるだろうにと私は思いますが、どうでしょうか。  県庁跡地利用に限定して考えても、ぜひ待ちや行司の政治ではなくて、恐れずに知事の、あるいは県の考え方、志を示して強烈なリーダーシップで県民をリードしてはと思うのですが、どうでしょうか。  石川県の審議会、懇談会のメンバーも含めてどうもお互いに他人の顔見て、ともかく目立たないように足を引っ張られないようにと思う人が残念ながら多いことは皆さん承知のことであります。自由に物が言えたらいい発想もその中にはあるはずであります。せめて県内でお上のやることだからではない自由な発言をもたらす意識改革といいますか、百家争鳴の風を起こすために県政は最大の努力を尽くしてはどうでしょうか。県外にいる県出身者などは石川県を思い、しかもしゃべりやすい存在なわけで、こういうところから意見を県庁跡地利用についても求めてみてはどうでしょうか。知事の感想を伺います。  また、改めて県庁利用問題をテーマにして考えるとき、金大移転の評価は避けて通れないと思っております。およそ県政における意思決定に当たっては、今と今後だけではなく、過去にやったことも恐れず評価することが必要ではないでしょうか。  能登開拓パイロット、河北潟干拓、今江潟干拓、本当に今から考えればという声のあることを率直に認めたいと思っております。  私も昔、金大移転の担当部長でありました。当時は迷うことなく真っすぐ進んでおりましたけれども、今改めてあれだけの先生方、学生さんが角間の山に入り、金大は本当にさらにすばらしくなったのだろうか。学生をもう一度戻した方がいいのではないか、いろいろ複雑な思いであります。県庁移転跡地問題は金大移転の評価抜きにいわば語れないのでありまして、知事の金大移転のプラスマイナスの評価をこれに関連してお伺いしたいと思っております。  二番目に、県庁移転跡地の利用に関連しまして石川県と県都金沢に求められているものについて伺います。  県都金沢の存在、そのあり方は南加賀や能登にとっても大変大きな影響のあることであります。県庁跡地利用に関連して幾つか伺います。  まず、県都金沢は今客観的に見て道路の利便性を考えてか、駅西を中心に駅周辺の方面に新しいビジネス都心が形成されており、香林坊、広坂付近の旧都心に対して二極化されつつあります。しかし、旧都心では南町金融街の空き室の増加、片町の商店街、竪町商店街の売上減など、金大移転の後、県庁移転の前に既に衰退の心配が言われております。  しかし、県都金沢の魅力のゆえんは江戸期以来の歴史を背景とした緑と水を資産を持つ旧都心の魅力にあるのであり、駅西等の駅周辺の姿は率直に言って金太郎あめでありませんが、日本の高度成長期にどこにでもできた町並みと大差なく、魅力はそれほどではないと私は考えております。  交通対策など機能性を強調する人がいますが、機能性第一の社会になった日本の社会へのアンチテーゼの中で金沢が石川県が評価されていることを決して忘れてはなりません。私は県庁の移転の是非を今さら申し上げるつもりはありませんが、県庁の移転によりさらに旧都心の求心力を低下することを心配するのであります。求心力はつまるところ人が集まり、そこに産業や富をもたらすということであります。求心力とは人の集まり、人の出入りであり、駅西へのシフトの中で、この旧都心への新たな人の流れ、求心力をもたらすことが県の責務であると思いますけれども、知事の考え方をお伺いいたします。  次に、県庁移転跡地利用懇話会での知的空間発言についてであります。一般県民の目線では、知的空間の意味は大変わかりにくいことであります。わかりにくいことにも意味があるのかもしれませんが、近代文学館、歴博、本多蔵品館、伝統工芸品街あるいは金沢市の美術館計画、いろんなものから連想しているわけでありますが、よくわからないのが率直なことであります。  ここで言いたいことは、知事の思いとは裏腹に先ほどの質問でも申し上げたとおり、この県庁移転跡地は三ヘクタール余り、路線価平米五十万で計算しても百五十億円、県民一人当たり一万円を超える財産でございました。にもかかわらず、いま一歩自分の問題として考えにくいような雰囲気があります。ちょっと例えれば「まあお上のやることでありますから間違いはなかろう」とか「偉い人に任せておければ心配はなかろう」という気持ちがどこかあるように感じております。  そういう中で、さらに知的空間という難しい言葉が出ますと、それだけで既に「これはますますわからぬ。何かええことになるのか知らないけれども、まあお任せしましょう」と、こういうふうな方向になることを私は心配しておりまして、論議の盛り上がりをさらに盛り上げるためのいわば発言として大変心配をしているわけであります。  したがって、ここでお伺いいたしますが、知的空間についてぜひ論議を盛り上げるためにも県民に関心を持ってもらうためにも、わかりやすい説明を改めて願いたいと、こう思っております。  次いで、企画開発部長に小さな質問を二ついたします。金大の移転を受けまして、旧県庁跡地につきまして学生を再び町に集めろという形での利用を訴える声があります。ゼミでも公開講座でも、あるいは課外活動でも学生さんを戻すために使ってはという声がありますが、どういう御意見でしょうか。  また、アメリカを中心に最近まちづくりのパワーといたしまして、仕事のできる元気な老人、いわゆるプリリタイアメントの活動舞台が大きな話題になっておりますが、こういう方々のいわば利用する舞台という観点ではいかがでしょうか。  なお、この問題の最後に、よく議会答弁で県と金沢市の協調という話が出るわけでありますが、市からは県庁跡地利用についての意見が聞こえず、県からは旧金大附属小中の跡地についての意見が聞こえず、広坂通りは手取川を超える幅の広い道路のように私は考えております。これは区画整理、再開発についても似たようなことがございます。協調ではなく、地区ごとの役割分担、島割りになっているのではないか、そういうふうな皮肉な見方もあるわけでありまして、両団体の意思の疎通の内容をもう少し県民に具体的に説明していただけないでしょうか、知事にお伺いいたします。  次に、観光政策について三番目に伺います。  まず第一に、白雲楼ホテルについてであります。先日、湯涌温泉の名刹白雲楼ホテルで備品の処分市がありました。白雲楼といえば、皆さんも承知のとおり単なる一旅館というを越えて、金沢の白雲楼、北陸の白雲楼として多くのファンはもとより、何よりも時と歴史の経過の中で物語をつくってきた存在であります。  いろいろな理由、原因はあったにせよ、この白雲楼の廃業を聞いてため息をついた県民が多数いたことは当然であります。私も処分市の知らせを聞いて、もはやあの建物に入るのもこれが最後かという思いで拝見に参ったのであります。  しかし、現実の市はあの多くの人々の歓声の飛んだ大広間において座布団、茶わんからお絞り置きに至るまで土足で踏み込める会場で十把一からげに並べられておりまして、天井を見ればシャンデリアは抜け破れ、あの華やかな舞台も壁も破れ、ただただその余りの姿に声も出ないありさまでございました。そして、少しも変わらぬ優しい緑の中に白雲楼ホテル独特の南欧風建築の壁がひそやかに残されているばかりでありました。栄華の夢を今いずこという言葉がありますが、涙なしには見れない風景だったと思います。そして、何か私たち石川県民は大きな財産、二度とつくれないものを失ったのではないかという思いを強くいたしました。もちろん一民間企業である以上、社会経済の流れに翻弄されることもやむを得ないと思いますが、企業も人であり県民の仲間であるだけにさまざまな思いが頭をよぎるのであります。何年か前、山中の河鹿荘に対して県が行った対応を思い浮かべて、そういう思いをするのであります。  そこで知事に、この白雲楼ホテルに関する所見を伺いたいと思っております。  また、商工労働部長には、多くの人々の心を引きつけたあの建物のせめて一部でも保存、リニューアル、活用する方策を民間の協力をいただく形でも研究することができないかとも思いますが、このことについての思いをお伺いいたします。  第二は、温泉旅館に対する経営支援策についてであります。加賀四温泉に限らず、石川県観光の大きな力となってきた温泉旅館群が今経営上大きな困難にぶつかっていることは御承知のとおりであります。そういう中で、今回の九月補正予算の編成を迎え、知事初め執行部においてもこのことの論議がなされたことと思います。その結果は、温泉街ごとに市町村も交えた計画づくりのみが予算化されたのであり、予算はこれに対する説明で終わりました。私もこの問題に対する基本認識は温泉街、温泉郷の未来像を語る、それも大変大切でございますし、もう一つ、現実に目が見えない、何も考えられない、こういう声の上がる厳しい個別旅館の救済という二本目の柱も要るのではないかということであります。  苦心している旅館から見れば、温泉旅館街の未来像を語っても重体の病人にストレッチ体操を進めているような感がいたすわけでございます。そういう意味で旅館の経営支援には幾つかの難題があります。  それは、一つには資金が大きく要ること。また、これに連動する市町村の負担が大変大きくなること。組合に力が弱いこと。特に支援の主力であります銀行さんが現在大変厳しい状況に置かれていること、いろんなハンディがありまして、これらが予算編成上の壁になったというふうに理解はいたしますし、知事の悩みは十分理解するものでありますが、何よりも観光石川という大きな命題のもとで、この時期に救いを待っている旅館がいるということを、あるいは救いを待っている人がいるということを現実の中で見ていただきたい、こう思っております。  この議会の最中にも片山津での旅館倒産が報じられております。御承知のとおり、温泉街という性格上、火の消えた建物が出ますと商店街におけるシャッターと同様、イメージダウンから経営圧迫という悪循環を招くのであります。再建の時限を切ってでも元金の棚上げ、利子の低減など大きな支援を期待する声は悲痛なものがありますし、事の性格上、これを人前で言えないだけに大変つらいところがあるわけであります。  そこで知事に、本年九月補正での個別旅館に対する支援策が難しかった背景理由をお話しいただきたいし、引き続き十二月補正等の機会もあるわけでありますので、銀行その他との協議を含めて環境が整えばこれに対して必要な検討をされる意思がおありなのか、お伺いしたいと思います。  また、市町村に負担を求めたり、市町村が主体となって計画をつくるような考えがありますけれども、県と市町村の体力の差や観光行政の性格やら、あるいは現実に農林行政以外については経験蓄積の少ない市町村職員の実態を考えたときに、県があくまで中心となって積極的にこの対策を考えていただきたいと願いますがどうでありましょうか、御意見を伺います。  最後に、第四番目でございますが、大変難しいテーマですけれども、豊かで過保護な時代の青少年に関して簡単にお伺いいたします。  二十一世紀、次代のために私たちの世代がしっかりつくり残していかなければならないものは、環境問題ともう一つ担い手である子供たち、青少年をしっかりはぐくむことであります。この議会でも、また一般にも青少年についての論議というのはどこかいじめとか不登校とか暴力とか有害図書とか、いわゆる発生した事件にかかわるものが主であります。しかし私は、問題はその健全育成したはずの問題のない子供の青少年のあり方、姿にこそもっともっと大きな文明の危機が潜んでいると思っております。  新入社員の面接や最近の学生生活の状況、街角での青少年、若者の姿を見てください。豊かさの中で子離れのできない少子化時代の親の過保護もありまして、現代の青少年にはいわゆる覇気がないのであります。目的意識のなさ、ハングリー性のなさ、甘え、いろいろな言い方はありますけれども、いい子だけれども元気がない青少年、この姿を私はとても心配いたしております。特に何事にも貪欲な中国やアジアの青少年に比較しまして、彼らとの面談との差異の中でこのことを痛感しているわけであります。日本の将来は大丈夫なのかと考えさせることが大変多いわけでございます。  右肩下がりの時代という言葉は経済の言葉ですけれども、経済の右肩下がりが文明の右肩下がりになることを大変恐れております。これまで教育委員会は総合的学習云々で大変苦労されておりますし、また知事部局でもたくさんの取り組みをされていると思いますが、こういう学校教育や、あるいは行政の問題を越えまして家庭を含めたいわば現在の過保護の親、今の親の世代の私は問題だと、こう思っております。  青少年について豊かさの害をしっかり認め、過保護の害をしっかり認めるということを通じまして、親への啓蒙やら長期で少人数で海外の体験する、大規模な県外留学の勧めなどいろいろな課題があるとは思います。要はいい子よりも強い青少年を求めたい、このことでございます。  私は、このことに真っすぐ目を向けて価値観の差としてあきらめず、難しいことであるけれども東京の文化では決して対処できない、石川県のような規模であればこそ取り組めるこのテーマにぜひ県として取り組んではいかがかというふうに思っております。知事の所見並びに教育長の御意見を承りたいと存じます。
     これにて一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(稲村建男君) 谷本知事。  〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) 北議員の一般質問にお答えをいたします。  第一点は、県政における意思決定の手法ということについての御質問がございました。観客民主主義という言葉もありましたし、人によってはお任せ民主主義という言い方をされる向きもあるようでございますが、興味は持つけれども参加はしない、そういう風潮があるというのはこれは否めないことであります。大変残念なことでもございます。やはり、政治あるいは地方行政に県民の皆さん方、市民の皆さん方に関心を持ち、参加をしていただくということが改めて今問われているんではないか、こういうふうにも思うわけであります。  県庁の場合には、市町村、県という二層性ということになっておりますので、地域の住民の方々に最も身近ないろんな行政サービスは基本的には市町村がこれを行う。県はそれをサポートするといいますか、支えるといいますか、広域的な調整をするといいますか、そういった機能、権限、これが付与されているということであろうというふうに思います。  そういう意味では、少し県民の皆さん方から県政というのは少し見えにくい。市町村というものを通して県政というものをどうしてもながめていかざるを得ない。これは制度上はそういう形になっておりますので、ある意味ではやむを得ないところもあるのかなと、こういうふうには思っておりますけれども、私自身は知事自身も何よりも県民に身近な存在でなければいけない、こういうふうに思っておりますし、そして県民の皆さん方に何よりも信頼される、そういった県政、仕事をしっかりやっていかなきゃいかぬというふうに思っておるわけであります。県民の不信あるいは無関心を招くようなことがあっては、これは当然いけないわけでございます。  地方分権というのが今言われているわけであります。そういう中で、地方分権というのは国と地方自治体とのかかわり合いということが言われるわけでありますが、究極的にはやはり地域の住民の皆さん方が地域の自治体がやっておる仕事、行政、そういったものにはやっぱり積極的に参加をして自分の問題としてとらえる。そういうことによって本当の意味での地方分権型の社会というのは実現するんではないのかな。単に国と地方とのかかわり合いだけではない。そういう大きな意味合いがあるんだろうというふうに思います。  そういう意味では、県民、市民の皆さん方にある意味では積極的に行政というものに関心を持ち、参加をしていただくような工夫というものが当然これは凝らしていかなければいけないというふうに思います。情報公開もその一つの方法ということになるんでありましょうし、せっかく芽生えてきておりますいろんなボランティア活動とかNPOの活動とか、そういったものを通じて市町村の仕事、県の仕事を理解し、あるいは誤解があるといけませんが、県や市町村の下請としてやってもらうということじゃなしに、自分たちも行政に積極的に参加をするという、そういう意識改革、意識変革というものも今求められているんではないかというふうに思うわけでありまして、そういう意味ではお互い行政の立場にある者、そして地域の住民の皆さん方、お互いが関心を持ち合うようにしていかなければいけないと、こういうふうに思うわけであります。  そのためには、もちろん県の行政すべてについて県民の皆さん方が細かいところまで御関心をお持ちになるというのはこれはなかなか難しいわけでありまして、基本的には県のやっている仕事、知事のやっている仕事に信頼感を持っていただくのかどうか、ここが一番大きなポイントではないかと、このようにも考えておるわけでありまして、そういったことが損なわれることのないように私も重々肝に銘じてこれからの仕事に当たっていきたい、このように考えておるわけでございます。  方法としてはいろんな手段があろうと思います。高度情報化時代でもございますから、いろんな情報提供、情報にアクセスするための手段もあるわけでございますので、そういったことをトータル的に総合的に考えながらやっていかなきゃいけないというふうに思います。  そして、もちろん最終的な責任はこれは知事が負うということになるわけでありますが、県庁にも五千人の職員がおるわけであります。いずれも優秀な職員ばかりでございますので、職員の支えももらいながら県民の皆さん方に信頼される県政というものをさらに目指していきたい、このように考えておるところでございます。  もちろん、わかりやすさということも大変大事な視点でございます。私もできる限り県内各地域へ赴きまして、私自身の口でそれぞれ地域の住民の皆さん方と直接語り合う場も持ち、そして地域の住民の皆さん方からも具体化されてないけれどもこういうことはどこかおかしいよとか、こういうことは何かよくしたらいいんじゃないかという御提案があれば、それは率直に承り、それを仕事の上で反映すべきものがあれば積極的に反映をする。そういったことは十分これからも心がけていかなければいけない、このように考えているわけでございます。  そして、金沢大学の移転についての御質問がございました。北議員も県庁在職中は金大の移転に向けて東奔西走されたということを御自身も言っておられたわけでございます。  この金沢大学の移転につきましては、いろんな経緯があるわけでございます。その経緯を一つ一つここでは申し上げませんが、いずれにいたしましてもこの移転事業もまだ事業が継続中、進行中ということでございますから、その評価をするには今しばらく時間がかかるのではないか、このように考えているところであります。  次に、県庁跡地の活用という問題がございました。知的空間・知性ゾーンというのが非常にわかりにくいという、議論が錯綜するんではないかというお話がございましたが、県庁跡地の活用につきましてはまだ時間もありますし、そして県民の皆さん方、もちろん県外で石川県出身の皆さん方、いろんな方の御意見をできるだけちょうだいをして、県民総意の中から跡地活用というものを考えていくべきではないのかなと。  私自身にもいろんな思いはございますけれども、この県庁跡地ということになりますと、これは金沢城址、兼六園あるいはお向かいでは金沢市が広坂の芸術街、こちらには中央公園というものがあるわけでありますから、そういったものの中に囲まれているということを考えていきますと、余り俗っぽい娯楽施設とか、そういう御提案も人によってはあるわけでありますが、そういう娯楽施設、低俗的なものというのはこれは当然認められないわけでありまして、あくまでも兼六園の周辺文化ゾーンということでありますから、知的空間・知性のゾーンというのが一つのコンセプトになってくるんではないのかなと。その中でどういうふうな施設をどういうふうなレイアウトでやっていくかということについては、私ども別に懇話会の委員の皆さん方だけにすべてをお任せしているということではありませんので、そちらの方でも意見を出していただく。そして、いろんな県民の皆さん方にもいろんな御意見を提供していただく。そういう工夫は今までも凝らしておりますし、これからもそういう工夫は凝らしていって、いろんな御意見をいただく中でよりいいものをつくり上げていく。いずれ、その中で知事としてのまた意見あるいは県としての御意見を申し上げるという機会もあるのではないかなと、このように思っているわけであります。  そして、県と金沢市の関係、役割分担についての御質問もございました。この県庁跡地につきましても、いわばこれは県と金沢市が一体になって事に当たるということであります。懇話会の事務局も両方共同で設置をしておるということでありますし、知的空間・知性のゾーンとして整備するということを御答弁をさせていただきました。その折にも市長さんの方からも、まさに言い得てすばらしいこれは表現だと。自分もそういう方向でこれはぜひ整備を進めていくべきであろうという御意見もいただいておるわけでありますので、その辺はお互いに意識、認識、理解を共有しながら事を進めているものというふうに私は理解をしておるわけであります。  そして、地域的な役割分担というのも、これはある意味ではやむを得ない部分があるわけでありまして、金沢大学の跡地につきましても金大の跡地は県が購入をし、県が主体性を持ち活用する。そして、金大の附属小中学校の跡地は市が責任を持って購入をし、そしてこの中心部のにぎわいの創出につながるような仕掛け、いろんな施設の整備をやっていくという一応の役割分担をいたしておるわけでありまして、そしてお互いが単に役割分担をし、意思の疎通を全くやらないで整備しているということではありませんので、お互い事務方においても意思の疎通を図りながら、この中心部のにぎわいの創出につながるような工夫を凝らしておるということはぜひ御理解をいただきたいというふうに思うわけであります。  次に、白雲楼ホテルについての御質問がございました。創業当時は東洋一の高級ホテルというふうに言われたそうでございます。昭和天皇など御皇族もお泊まりになった名門ホテルと、こういうふうに言われたわけでありますが、ただこういった名門ホテルといえども時代の変化にうまく対応できなければ、時代の変化に応じて創意工夫をしていかなければおのずから行き詰まるという一つの例ではないかと、このようにも思うわけであります。  ただ、倒産、廃業という事態に至ったことは、私どもとしてもこれ大変残念なことだというふうに思っておるわけでございます。  湯涌温泉の他の旅館への直接的な影響はそれほどないというふうにもお聞きをしておりますが、ただ温泉地のイメージダウン、町並みのにぎわいに多少影響があったというふうにお聞きをいたしておるわけでございます。  今、湯涌温泉につきましても白雲楼は倒産ということに相なりましたけれども、湯涌温泉の旅館の皆さん方が一致結束をして湯涌温泉の活性化に向けて取り組んでおられるというふうにもお聞きをいたしております。私どもも、そして地元の金沢市も総湯の改築、誘客キャンペーン等を含めていろんな御支援はぜひさせていただきたい、このようにも考えておるところでございます。  そして、温泉地の活性化ということでございますが、これはなかなか難しい問題でございます。市町村の職員は現場対応で忙しいのでなかなかそういう知恵が出ないということでございますが、県庁の職員もこういう温泉旅館を経営した経験のある職員はいないわけでございますから、なかなかそういうノウハウというのは打ち出の小づちのように出てこないというところがあるわけでございます。基本的には温泉地の旅館も経営ということでございますから、今利用者、利用客のニーズがどういうふうに変わってきているのか、それにどう対応していけばいいのかという、これは商店街の活性化も同じ問題でありますけれども、その辺のところについての思いをぜひ同じくしていただきたいなと、このように思うわけであります。  ただ、温泉地の場合難しいのは、すべてが同業者の方々ばかりということでありまして、ともすると我が旅館だけよくなればということで足の引っ張り合いを行うというところが正直言ってあるんだというふうに思うわけであります。ここのところは個々の旅館の活性化も大事でありますが、温泉地全体の活性化ということについても小異を捨てて大同につくという、そういう意識の転換というものがあってもいいんではないのかなと、このように思っているわけでありまして、我々もこういった温泉地の活性化、それぞれの温泉旅館の活力というものについては支援を惜しむというつもりは全くないわけでありますけれども、旅館の改築をして時の過ぎるのを待てばまたかつてのように団体旅行客が帰ってくるということなのか、それとも要するに利用者のニーズ、旅行者の考え方が今根本的に変わりつつあるのか、その辺のところをどう見ていくのかということが大変大事なことでありまして、とりあえず施設を整備すればまた団体客が帰ってこられるであろうというふうな状況にはもうならないんではないかというのが大方の皆さん方のお考えのようであります。  そうすれば、そういった旅行客のニーズの変化にどう対応していくのか、そういう変化に呼応するための施設整備とかそういうことをどうやっていくのか。そのときにそれぞれの旅館がお互いに足の引っ張り合いをせずに、小異を捨てて大同につく。温泉地全体がそういう旅行客のニーズの変化にどう対応していくのかということについて、同じ同業者ばかりではありますけれども、お互いに胸襟を開いて議論していただいて、これは商店街の活性化も同じであります。商店街自身がみずからの進むべき方向をしっかり考えていただくということが大事じゃないかと、このようにも思うわけであります。  私どもも決して支援を惜しむつもりはございません。その辺のところも十分見きわめていきながら、温泉地の活性化は我々にとっても大変大事なテーマでございますから、これからも我々なりに市町村とも十分御相談をしながら温泉地の皆さん方とも十分御相談をしながら必要な支援の方法があれば積極的に検討をしてまいりたいと、このように考えているところであります。  次に、青少年についての御質問がございました。これはなかなか難しい問題でございます。戦前の話といえば、すぐに軍国主義とか復活とかという話になるわけでありますが、戦後、我々も含めてですけれども、精神的なよりどころ、そう言うと道徳規範というとすぐに戦前をまた復活させるのかという議論があるわけでありますが、そういう精神的なよりどころがなくなってしまった。その中で、物資的に豊かになること、もっと平たい言い方をすればお金もうけをすることが一番いいことなんだという、そして豊かになることが一番いいことなんだということをどうも我々が大きなよりどころにしてきたのがこの五十年間の歩みではなかったのかと、こういうふうにも思うわけでありまして、その辺のところからどうも心の面のよりどころになるものがどうも失われてきた。五十年かけてそうしてきたわけでありますから、これをもう一遍青少年にやる気を戻させるといいますか、何というんでしょうかね、社会公共的なものへの関心を持たせるとか、我慢する心を育てるとか、公徳心を養わせるとか、そういうのはなかなか口で言うほどに事は簡単ではないというふうに思いますけれども、それはお互いに我々大人も含めてもう一遍心して精神面での大きなよりどころを持たせるような外的環境の整備というものは少なくともやっていく必要があるんではないのかな。  そういう中で、多くの皆さん方が指摘されるのは体験ということだというふうにおっしゃるわけであります。自然体験あるいは生活体験などを含めて、そういう体験を積んだ子供ほど正義感とか道徳観が強いという話もお聞きをしておるわけであります。私も同感だというふうに思う次第であります。  そういった方向に向けての環境面での整備というものをぜひやっていかなければいかんのじゃないかと。子どもの夢創生プランもそういったことも念頭の一つにあるということをぜひ御理解をいただきたいと思う次第であります。 ○議長(稲村建男君) 米澤企画開発部長。  〔企画開発部長(米澤友宏君)登壇〕 ◎企画開発部長(米澤友宏君) 県庁移転跡地利用に関しまして二点お答えいたします。  学生を再び町にという声があることについてでございますが、この学生を再び町にという声につきましては県庁移転跡地の懇話会におきましても、近年の大学間の単位の互換など県内大学間の連携の流れを踏まえまして、若者が集まる大学間交流センターをつくってはどうかと、そういう意見も上がっているところでございます。  また、プリリタイアメントを対象とした活用策につきましては、元気な高齢者が社会のさまざまな面におきましてその持っておられる力を発揮していただくことは今後の高齢化社会の進展を踏まえれば重要なことであるとは考えておりますけれども、県庁移転跡地の利用の関連におきましては具体的な議論がこの懇話会でも出されていないところでございます。  いずれにいたしましても、知的空間・知性のゾーンという中で跡地にどのような機能を導入し、またそれと表裏をなす形でどのような階層をターゲットとするかにつきましては、この懇話会において総合的に検討していただくことにしておるところでございます。  以上でございます。 ○議長(稲村建男君) 山岸商工労働部長。  〔商工労働部長(山岸勇君)登壇〕 ◎商工労働部長(山岸勇君) 観光政策として倒産した白雲楼ホテルの建物を保存してはとのお尋ねでございますけれども、この建物は既に破産管財人が金沢市に対しまして買収の要請を行ったというふうに聞いておりまして、県といたしましては当面対応するつもりは持っておらないのでございます。  また、地元の湯涌温泉として破産管財人に対しまして玉泉湖周辺の土地を購入したいという申し入れもされておるようでありますし、建物等その他の不動産につきましては不適切な者に売却しないように要請済みであるとも聞いておりまして、今後ともそのことを少し注視してまいりたい、このように思っているところでございます。 ○議長(稲村建男君) 西教育長。  〔教育長(西貞夫君)登壇〕 ◎教育長(西貞夫君) 活力ある青少年の育成ということでお答えを申し上げます。  いつの時代にありましても子供たちが心豊かでたくましく育ってほしいと、こういう願いはすべての人の思いであろうというふうに思っております。現在のような物質的な豊かさや少子化が進む中で、たくましく活力ある青少年を育成するためにはこれまで以上に生活体験や自然体験あるいはボランティア活動など、自然や人との触れ合う体験を重視した教育を進める必要があろうかというふうに考えております。  また、このような体験は本来は家庭や地域社会の中で自然と行われてきたものでありまして、その意味では家庭や地域社会の果たす役割は極めて大きいというふうに考えております。  しかしながら、教育委員会といたしましても生きる力をはぐくむ教育や心の教育を推進し、体験教育にも積極的に取り組んでいるところでありますが、いずれにいたしましても青少年の育成は社会全体で取り組むべき課題でありまして、教育自体は万能とは言えないわけでありますが、そのことをも意識しつつ夢を持ってたくましく生きる子供たちを育てるために地道な努力を積み重ねてまいりたい、かように考えております。  以上でございます。        ─────・──・────── △休憩 ○議長(稲村建男君) 暫時休憩いたします。   午後零時十四分休憩        ─────・──・──────  午後一時十七分再開           出席議員(四十七名)             一  番   作   野   広   昭             二  番   宮   元       陸             三  番   宮   下   源 一 郎             四  番   中   村       勲             五  番   下   沢   佳   充             六  番   藤   井   義   弘             七  番   米   光   正   次             八  番   米   沢   賢   司             九  番   山   田   憲   昭             十  番   若   林   昭   夫             十一 番   北       栄 一 郎             十二 番   広   岡   立   美             十三 番   杉   本   栄   蔵             十四 番   木   本   利   夫             十五 番   紐   野   義   昭             十六 番   小   倉   宏   ・             十七 番   米   田   義   三             十八 番   朝   倉       忍             十九 番   粟       貴   章             二十 番   石   坂   修   一             二十一番   山   田   省   悟             二十二番   北   野       進             二十三番   田   中   博   人             二十四番   中   谷   喜   和             二十五番   八 十 出   泰   成             二十六番   石   田   忠   夫             二十七番   吉   田   歳   嗣             二十八番   向   出       勉             二十九番   善   田   晋   作             三十 番   上   田   幸   雄             三十一番   宇   野   邦   夫             三十二番   北   村   繁   盛             三十三番   長   井   賢   誓             三十四番   山   根   靖   則             三十五番   和 田 内   幸   三             三十六番   稲   本   孝   志             三十七番   庄   源       一             三十九番   長       憲   二             四十 番   北   村   茂   男             四十一番   中   川   石   雄             四十二番   宮   下   正   一             四十三番   米   澤   外   秋             四十四番   金   原       博             四十五番   矢   田   富   郎
                四十六番   宮   地   義   雄             四十七番   宮   下   登 詩 子             四十八番   藤   井       肇           欠席議員(一名)             三十八番   稲   村   建   男        ─────────────── △再開、質疑・質問(続) ○副議長(吉田歳嗣君) 会議を再開し、休憩前の議事を続けます。山根靖則君。  〔山根靖則君登壇、拍手〕 ◆(山根靖則君) 内外の思いもよらぬ災害で被災をされた方々にお見舞いを申し上げたいと思います。こんな非常時に私ごとを申し上げて大変恐縮でございますけれども、この時間にも私の末娘に四人目の孫が誕生しそうでありまして、どうか知事初め答弁の方々、安産ができますようにそういう答弁をお願いをしたいと思います。早速に質問に入らせていただきます。  環境問題についてでございますが、国連環境計画の報告書の中に、目先の経済的な利益のためにしばしば無視されてきた環境問題を財政、貿易、農業、投資、研究開発などに関する意思決定の中心に置くことが重要とあります。この九月議会前にドイツ、デンマーク、スウェーデン、オランダなどこれら環境問題を意思決定の中心に置いて真摯に取り組んでいる国々の状況を目の当たりに見てまいりました。その印象は大変大きなものがございました。  先日、我が国でチェルノブイリ、スリーマイルの事故に次ぐレベル四という、核による環境汚染事故としては戦後世界で三番目に位置する大事故が発生いたしました。ヨーロッパの国々では、原子力発電は目先の経済的な利益のための最大の環境汚染として既に撤収したり削減していく方向が出されておりますけれども、こんな大事故があっても原発への電力依存が国民的問題として沸き上がらないということを思うとき、我々の環境問題に対する認識と自制の甘さを痛感し、手おくれの思いを深くするものであります。  廃棄物処理に関する県の理念についてお尋ねをいたします。私たちはドイツ・ミュンヘン市の一般廃棄物処理の現場を見てきました。ドイツを初めヨーロッパ各地を回って特に感じるのは、温暖化防止という地球的目標に向かって指導的立場にある上部機関が確固たる理念を持って市町村や市民を指導しているということでありました。例えば廃棄物処理に関しても次のような具体的な方針を徹底していました。  第一に、廃棄物、ごみを出さない。これが大原則であります。そのためには再利用できるものは修理して再利用し、とにかく捨てない。そして、どうしても捨てなければならないものは分別してリサイクルし、焼却や埋め立ては極力少なくする。実にわかりやすく理にかなっていると感じました。  大原則の廃棄物を出さないということについて、我が国では空き缶のぽい捨てが後を絶ちませんが、私たちの回ったヨーロッパ諸国、飲み物類の自販機やスチール缶はどこにも見当たりませんでした。このような、まずは元から断つという姿勢がはっきりしております。  次の再利用についても、製造の段階からたとえ壊れても部品の交換だけでまた使える、そういう製品をつくる。それがよい製品であり、経済的でもあるという考えであることです。こうした製造者も含めた廃棄物の減量の徹底はうらやましく思えました。  最後の分別にしても、地球温暖化防止のために自分たちでできることとして一般市民へ徹底していることであります。  この袋はミュンヘン市からもらってきたものでございます(袋提示)。ここにも、例えば青色の箱は、これは紙を入れてください、茶色の箱はバイオと書いてありますが、生ごみを入れてくださいというふうに、こういう買い物袋として市民の方たちはこれを利用しておりました。あるいはまた、ここに(資料提示)これはちょっと見にくいかもしれませんが、工作用紙になっています。これは廃棄物の収集車、それを工作でつくるようになってますし、これはそれぞれの廃棄物の入れる回収の収集ボックス(資料提示)、色分けにして、これをこんなふうにハサミで切ってつくれるというようなことになっております。子供たちが遊びながらもこういう分別を勉強していくというようなことを行っておりました。  ほかにもいろんな資料が出されております。ちょっとドイツ語で読めませんですけれども、たくさんこういうのが出ております。こういうPRを徹底をしながら、そして各家庭でありますとか、オフィスあるいはアパートなどの庭先にはこの色と同じ収集ボックスが置かれております。人口一千二百万のバイエルン州において、参加の市町村全体が共通してこのシステムで分別収集をしております。  本県においても、まず県庁、出先から率先垂範ということで紙類収集ボックスの設置をし、生ごみについても堆肥化処理施設の予算もつきました。けれども、現在市町村でばらばらになっている分別収集システムを県下統一したシステムとすることがよいというふうに思います。温暖化防止のためには、国、県を挙げて少々のリスクや不便も克服し我慢しようと指導している環境先進国に学びたいと強く感じております。  そこで、県民への改めてのPRも含めて、我が県の廃棄物処理対策の理念、基本方針、具体的な施策をわかりやすく示していただきたいと思います。  次に、廃棄物の中間ストックヤードの設置ということについてお尋ねをいたします。我が国では、埋立ごみとして一括して出しておりますけれども、もしもある地域単位にストックヤードがあればもっと住民の廃棄物に対する意識が変わると思いました。ミュンヘン市の例でいいますと、修理すればまた使えるものを入れる屋根つきのスペースがあります。そしてまた、剪定した木の枝、コンクリートがから、大型の電気器具、危険物、紙、衣類、プラスチック、鉄、いろんなものを入れて分けて入れるコンテナが一カ所のところに設置をされておりまして、市民が三々五々車で運び込んで分別をしながら入れていくという光景を見ました。収集ボックスで各家庭から集められるものとあわせて、こうして集められたものも再利用やリサイクルに回されるというシステムであります。こうした市民のための廃棄物ストックヤードが各地にできていたらというふうに考えます。  次に、環境教育についてお尋ねをいたします。どこの国でも環境保全か開発かと比べられれば、開発の方に人気があります。特に政治家にはありますと笑いながら説明をしていただきましたけれども、しかしドイツでは現在において開発より環境保全の方により高い価値があるということを指導しておりました。ところで我が国は、目先の経済的な利益の追求、そのことと教育とを結びつけてきております。しかし、今新たに環境教育というしばしば無視されてきた教育を進めるためには、これまでの教育に対する考え方やシステムを転換しなければならないのではないかと思うのであります。  環境教育事情の海外調査として、ドイツへの教員派遣が予算化されておりますけれども、帰ってきた人たちがやっぱり石川県とドイツは違うというふうにあきらめなくてもいいような柔軟な県教育行政であってほしいと思うのであります。  河川整備が環境問題に配慮して、コンクリート護岸から生態系の力を借りながら緩やかに流れをきれいにする方向に見直されつつありますが、最近の県教育行政はコンクリートで囲って一気に懸案事項を下流へ流し去る逆の方向をとっているように見えます。  環境教育はそんなかたくなな姿勢ではうまく進まないのではないでしょうか。子供たちや父母、特に現場の教職員と苦楽をともにするという管理でなく共生の姿勢が欲しいと思います。教育行政をつかさどる人たちの野鳥やトンボやメダカまでもちょっと身を寄せたくなるような、そんな結果を焦らないゆとりを望むものであります。  環境教育にかかわって私の教育行政への思いも述べましたが、以上、環境問題について知事並びに関係部局長の答弁を求めます。  次に、農村生活空間博物館についてお尋ねをいたします。  かねてからこだわってきた農業村構想が名称こそ違え動き出してきたことをうれしく思います。今年度は基本計画の策定ということですから、報道された輪島と鳳至郡一体という地域だけに限らず、対象地を全県的に考えていただきたいと思うのであります。というのも、この事業のねらいは農村環境の持つ多様性や豊かさ、それが現状のままでは失われてしまうという危機感から発していると思うからであります。保存すべき農村景観やそれを守っている人々は全県に散らばっており、今にも手放してしまうほどに先の展望を失っております。まずは、能登空港周辺の地域から始めるけれども徐々に広げていく継続性のある事業にしていただきたいのであります。第一回の検討委員会が開かれたようですけれども、この博物館構想についてまずお聞きをいたします。  博物館といいますと、珍しいものとそれを第三者的に見ているまばらな人影を連想してしまいます。農村生活空間・農業景観は、その中で生活している人たちがいて初めてでき上がるものだと思います。その意味では、やっぱり農業村の発想が欲しいと思います。県の進める小さないしかわ動物園あるいは農村環境整備センターが全国土地改良事業団体連合会などと連携しながら取り組んでいる、例えばたんぼの学校などの事業とあわせるなど、その中で働く人の姿の見える構想にしていただきたいと思うのであります。  来年度から導入が予定されている中山間地農家に対する直接支払い制度との連携もあるかもしれませんが、農村景観の保全や伝統文化として農業を継承していくためには生産ベースと切り離して、そこで意欲的に生活できる人の集まりが必要です。博物館という見せ物でなく、お互いに力を合わせ生活する村をつくらねばなりません。そして、むしろそういうところへ新しく入っていく人というのは直接保障を当てにしない人が多いのかもしれません。直接支払い制度にはいろいろと制約がありますから、それと違う構想の中で具体的な手だてや支援をする必要があるようにも考えます。農村生活空間博物館構想の内容、それから全県的な小さな農業村としての私の構想に対する見解、直接支払い制度との関連についてお聞きをいたします。  次、高校卒業者の就職協定についてお尋ねします。  長期にわたる景気の低迷は、就職者に対する新規採用の枠を狭めていることは、大卒者、短大卒者などの就職氷河期の言葉で問題となってきました。かつて高卒者の就職については、高学歴ブームの中でその多くが進学するために求人倍率の高い時期もありましたけれども、バブル崩壊後の全体的な求人の減少に伴って、近年高卒者の求人倍率も急降下している状況があります。  午前中の宮下議員も、この就職難と県の対策について質問され、ちょっと重複する点もありますけれども、この九月十六日から就職協定による高卒者への就職選考が開始されました。ところがこの就職協定によらない大卒、短大卒、専門学校卒業生が先に内定枠をとってしまっているために、高卒者は一層厳しい状況になっているというふうに聞いております。就職協定の不公平について、またここ近年の大卒、高卒者等の就職状況、本補正予算のメーンでもあります緊急雇用対策、これは現在の就職難にどのように作用すると予測しておいでるのか、お聞きをしておきます。  次、災害救助犬の支援についてお尋ねいたします。  九月二十一日未明の台湾を襲った地震は、死傷者一万名を超す悲惨な災害をもたらしました。地震発生の翌日、瓦れきの中から生存者を捜し出す災害救助犬とともに早速救援に駆けつけた民間グループが我が県内にもあり、小松の人も参加されたということを二十三日の新聞で見ました。全国災害救助犬協会連合会に所属するメンバーで、地震の翌日の二十二日から二十四日にかけてメンバー十人、救助犬五頭が参加したということであります。  阪神・淡路大震災でスイスやフランスの救助犬チームが活躍したことの教訓から、県でも平成九年から養成に乗り出し、さきの代表質問での答弁で知事も財政的支援をしているということでありました。けれども、実情は大変厳しいようであります。  災害救助犬の出動はあくまでボランティアであり、今回の出動も約十五万円ぐらいの経費がかかっておりますが、ほとんどは自費ということでありました。また、一頭を育てるのに約百万円ほどの費用がかかるようですが、これらへの支援ももちろんありません。訓練の場所も県内にはなくて、富山県まで行っているというような話も聞きました。ボランティアですからと彼らは言いますけれども、知事が言われた財政的支援というのはどの辺になされているのでしょうか。また、平成九年から始められたこの災害救助犬養成制度の現状についてお聞きをしておきたいと思います。  似たようなものに警察犬というのがありますが、災害救助犬と警察犬はどの辺に違いがあるのでしょうか。救助犬についても日常的にも地域の行方不明者あるいは遭難者の捜索にも出動しております。これら各種の出動への支援や日常訓練の場所の提供など、災害救助犬に対する財政的支援はどのようになっておるのでしょうか。警察犬の支援制度と同じなのか違うのか、そういうこともお聞きをしたいと思います。  また、この災害救助犬というのは警察犬と違って人を襲うということをしないということも言われておるようでありまして、この救助犬について、あの動物との触れ合いによっていろんな病気を治したりするというセラピー犬として役立てていく道が開けないかということもあわせてお聞きをいたしたいと思います。  次、廃業旅館などの管理についてお尋ねをいたします。  去る九月の十九日の未明、小松市郊外の高台にある旧旅館から火災が発生いたしました。幸い周辺への類焼がなかったからよかったものの、隣にある病院や下の民家は肝を冷やしました。いずれこんなことが起きるだろうと言っていた、思っていたことが予想どおり起きてしまったわけであります。  この旅館は平成二年ごろに廃業し、この十年間、競売物件となったまま買い手がつかず、最近は管財人も手放した状態で、テレビのワイドショーあたりで高台の霊感スポットとして話題になって、若者たちの肝試しの場になっておりました。週末の夜など、地元のみならず県内や他県からも若者たちが建物内に入り込んで、夜遅くまで騒ぐことがあったりして、地元住民や警察なども見回りや立入禁止のさくをつくるなどしているところでありました。  火災が旧館のみで本館への延焼を免れたのも住民が防火シャッターを閉めておいたからでありますが、しかしこれもよし悪しで焼け落ちた旧館の後始末もまだ手がつけられておりません。燃え残った本館が残っておりますが、その霊感スポット的な価値が余計に高まって、ますますたまり場になるのではないかと心配が募っておるところであります。  温泉地の活性化につきましては午前中も北議員が触れられましたけれども、この旅館のように管財人も手を放して無管理状態になっている例は特別かもしれませんが、バブル崩壊後、県内温泉地などで何軒かの旅館やホテルが廃業に追い込まれて空き家状態になっているところがあります。  県は、活気あふれる観光県づくりに力を入れておるところですけれども、中心商店街のシャッター通りのように温泉街の幽霊ホテルや霊感スポットで名を売るのでは余りにも芸がないというふうに思います。個人の所有物という問題があってなかなか難しいようですが、防犯、防火の面からも何らかの対策がないものか。頭を痛めている地元や市町村に県としても知恵をおかし願えたらと思うのであります。  質問の最後に、地方レベルの環日本海交流についてお尋ねをいたします。  鹿島郡中島町では、対岸の朝鮮半島との深いつながりを持つお熊甲祭りが最大にせんだって行われました。また、八月末、金沢市郊外の遺跡から発掘された木簡から当時の税収体制が明らかにされたと同時に、我が県と日本海を隔てた対岸諸国との交流が大変深かったことを改めて再認識されました。しかるに昨今は、不法入国問題やテポドン騒動など閉鎖的な関係のみが強調されている状況があります。  私たちは、食と緑・水を守る県民会議を通じて、細々とではありますが、休耕田を借りてコメをつくり、コメの味を知らないアフリカの飢餓国などへ送っていますが、かねてから私はコメを主食とする隣の国へ救援米として送ることができたら、途絶えている交流の道を開くきっかけにできるのではないかと考えております。やがては環日本海諸国間での食料安保や友好関係を築く時代が必ずやってまいります。隣国を仮想敵国として固定し、再び修正のきかないような関係に拡大することは決して私たちの本意ではないはずであります。朝鮮半島との関係の深い石川県だからこそ、一歩踏み出した交流策を模索すべきと考えますけれども、知事の御見解をお伺いして私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉田歳嗣君) 谷本知事。  〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) 山根議員の一般質問にお答えをいたします。  まず第一は、四人目のお孫さんが誕生されるということでございます。この議会でも少子化対策というのがるる取り上げられたわけでございます。核家族化という傾向の中で四人目の子供さんをお産みになるということでありますから、何よりの実践行動でございます。改めて心から敬意を表したいというふうに思う次第でございます。  次に、環境問題についての御質問がございました。ドイツでの視察を踏まえての御質問でございました。私どもも場所は違いましたけれどもドイツへ参りまして、ドイツの環境対策を目の当たりにしてまいったわけでございます。  ドイツでは、御指摘のように行政機関のみならず市民お一人お一人の意識も大変高い。そして、理解と協力がありますし、積極的な参加という、そういう意欲も大変旺盛だということを改めて実感をしたわけでございます。  廃棄物については、発生抑制が何よりも大事でありますし、ドイツの場合は分別をしてリサイクル、また分別をしてリサイクル。それを何度も何度も繰り返して、最終的にどうしてもごみとして残る部分を埋立処分をするという方式をとっておられるわけであります。ある意味では大変なコストがかかるわけであります。それをグリーンポイントとかデポジットとか、あるいは有料制というやり方を導入して国民の理解と協力を得ながら事を進めておられるということでありまして、国民お一人お一人もそういう意識を持ちながら、なおかつ常日ごろの日常生活の中でこのごみの発生抑制にいわば取り組んでいかざるを得ないような仕組み、仕掛けがつくられているということを改めて実感をしたわけでございます。  そういう意味では、日本もこのごみに対する対策はまず発生抑制ということなんでありまして、そしてその後にリサイクルという問題、本当は再利用、そしてリサイクル、最後がごみとしての処分と、こういうことになるんだろうと思いますが、ドイツに比べますと日本の現状はまだまだという感を深くするわけでございます。  そういった仕組みが国全体としてできていないということが根本的な原因としてはあるんではないかというふうに思うわけでありますが、今私どもはやっておりますことはごみの発生抑制、リサイクルということにつきましていろんなキャンペーン活動をやりまして県民、市民の意識を高める努力をしておるわけでございます。これだけですぐに効果が出るということはなかなか我々も正直言って難しいなと思っておりますが、ただ何もやらないで放置しておいたのではこのごみの問題は片づかないということでありますから、そういうキャンペーンをこれからも積極的にやっていきたいと思いますし、最終的にごみとして処理しなきゃいかんものにつきましてはダイオキシン等の副産物が出ないような対応策も並行してしっかり講じていく必要があるんだろう、このようにも思っておりますし、そして県庁もごみを排出する側にあるわけでありますから、ごみの排出者としてごみを出さないようにリサイクルするようにという、そういう行動を率先垂範して行う。そして、一つのマニュアルのようなものができれば、それを市町村、事業者等にお示しをして、ぜひそういう形で御協力をいただく。こういった少し遠回りな道になるかもしれませんけれども、そういったことからまずは事を始めていくというのが大事なのではないのかなと。日本の現状にいわば即しているのではないのかな、このように考えているところであります。  次に、農村生活空間博物館事業、大変固い言葉で、私はこういう言葉はこの事業には適切ではないというふうに個人的には思っておるわけでありまして、農林水産部にはぜひこの表現を変えるようにということを今指示をいたしておるところでございます。  いずれにしましても、目的は議員が御指摘のように自然、伝統、文化の多面的な機能を保全をしながら、いわば都市との共生、これを図っていこうということが目的であります。伝統的な農業施設あるいは美しい農村景観、そういったものを保全をし、場合によっては復元をしながら農村の生活空間全体をいわば博物館として整備をしていこうということでありまして、わかりやすい言葉が必要でありまして、そういう意味では議員御指摘の小さな農業村という言葉などは非常にわかりやすい言葉ではないかというふうに思っておる次第であります。  いずれにしましても、今能登北部地区を対象に整備に着手をしたところでございます。市町村において美しい農村景観の保全、復元のための意欲的な取り組みもなされるということでございます。能登北部地区でのノウハウをぜひ生かしながら、個別に他の地区においても必要な対応というものをやはり検討していかなければいけないんじゃないか、このように考えているところであります。  次に、災害救助犬についての御質問がございました。阪神・淡路大震災の経験を踏まえまして、地震が起きた直後の被害者の救助に当たってはこの救助犬の果たす役割は大変大きいということを我々実感をしたわけであります。平成九年度から全国では恐らく石川県だけであろうと思いますけれども、災害救助犬を毎年審査をして、その捜索能力にすぐれた犬を県の嘱託犬として登録をするという事業をやっておるわけであります。平成十年度は五頭、平成十一年度は八頭を選抜をしまして嘱託犬にしたところでございます。そして、こういった嘱託犬につきましては能力向上ということが大変大事でございます。訓練が不可欠でございますので、この訓練経費につきまして二分の一を目途に助成をさせていただいておるところでございます。  今後はおおむね加賀、金沢、能登の各地区に一チーム四頭ずつ、合計で十二頭を目標としてこの災害救助犬の育成を図りまして、地震発生直後の応急体制にさらに万全を期してまいりたい、このように考えているところであります。  次に、環日本海交流についての御質問がございました。世界の平和を確立をしてまいりますためには、国と国との交渉事は基本的にはこれは政府のお仕事、外交ということになるわけでありますが、私どもも地域と地域の交流、相互理解を深めていくということはある意味では国際社会の平和確立に貢献をするんではないかという思いは同じでございます。特に石川県の対岸にあります朝鮮半島あるいは中国、ロシア、そういったところは大変歴史的にも長い交流の実績があるわけでございまして、私どももそれぞれの地域と交流を深めているわけでございます。  いずれにしましても相手の顔を見据えた対話を進めていく、顔と顔を見ながら交流を進めていくということが大変大事なことだというふうに思っておるわけであります。  北朝鮮につきましては、残念ながら国交がないということでなかなか私ども受け入れていただけないということがあるわけでございます。ただ、ことしでもう既に五回目になっておりますけれども、国連北東アジア金沢シンポジウムというものを毎年この金沢で開催をしておるわけでございます。第一回目からぜひこの金沢シンポジウムには北朝鮮も御参加をいただきたいということで何度も何度も呼びかけをいたしておりますが、まだ御返事がないということで、五回に至るもおいでいただけないという状況が続いておるわけでございます。  ぜひこれからも北朝鮮にも、ぜひこれは国連の北東アジア、国連が主催しておやりになるシンポジウムでございますから、ぜひ北朝鮮にも御参加をお願いをしたいなということで、これからもひとつ粘り強く北朝鮮にはそういう働きかけをしてまいりたい、このように考えております。 ○副議長(吉田歳嗣君) 藤井厚生部長。  〔厚生部長(藤井充君)登壇〕 ◎厚生部長(藤井充君) 役目を終えました災害救助犬のセラピー犬としての活用についてお答え申し上げます。  災害救助犬は、自発的な捜査活動が身につくよう犬自身の本能を伸ばす訓練をしており、一方、セラピー犬は患者、障害者に対し負担をかけることのないよう、逆に本能を抑えるよう訓練を行っておりますので、役目を終えた災害救助犬をセラピー犬として再訓練することはなかなか難しいのではないかと考えております。  以上でございます。 ○副議長(吉田歳嗣君) 斉藤環境安全部長。  〔環境安全部長(斉藤直君)登壇〕 ◎環境安全部長(斉藤直君) 二点お答えをいたします。  まず、県下統一したごみ分別システムの確立に向けた取り組みについてでございます。御指摘のように、ごみの減量化や再資源化を一層進めるためには資源ごみの排出・分別方法等につきましてはできるだけ県下統一的な方式が望ましいと考えているところでございます。しかしながら、統一的な方式を導入するためには各市町村の施設能力や人的能力の相違など検討すべき課題が多く、一朝一夕には解決しない問題と考えておるところでございます。  県といたしましては、今後国に制度の拡充を求めるとともに、市町村の施設整備や分別収集体制の充実について支援、指導をし、できる限り統一した方式に近づけるよう努力してまいりたいと考えているところでございます。  続きまして、災害救助犬と警察犬との相違についてでございます。災害救助犬は、地震などによりまして建物が倒壊し、瓦れきの下に行方不明になった人の身体から発せられるにおいをかぎ分け、不特定多数の人間を捜し出すものでございます。このほか、生きた人間を捜し出すということでございますので、心音を聞き分ける能力が必要とされているところでございます。災害救助犬は主にボランティア団体等が所有しておりますが、石川県を除いてそれぞれのボランティア団体が独自で認定をしております。  これに対しまして、警察犬は行方不明者や犯罪者などが今までに身につけていた衣類や爆発物などの特定したにおいをもとに人間や爆発物を捜し出すものでございます。警察犬は各都道府県の警察が所有あるいは審査会を実施をいたしまして民間の犬を嘱託としているところでございます。  本県の助成制度等でございますが、先ほど知事が申し上げましたように、災害救助犬につきましては一頭当たり月額二万五千円、二分の一の範囲内で助成をしているところでございます。警察犬の方は年額報酬が三万円、ほかに出動手当といたしまして一時間当たり三千円を支給しているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(吉田歳嗣君) 山岸商工労働部長。  〔商工労働部長(山岸勇君)登壇〕 ◎商工労働部長(山岸勇君) 高校卒業生の就職についてのお尋ねでございますけれども、議員も御案内のとおり、これまで就職活動の早期化は教育環境への弊害を招くとの観点から、大学等につきましては経済団体との間の就職協定の中で求人公開は六月から、高校については文部省と労働省の取り決めの中で求人公開は七月からというルールを定めて指導もなされ、指導もしてきたところでございます。  その後、大学につきましてはこうしたルールよりむしろ自主的な判断が優先されるということになったわけでございまして、結果的には大学につきましては昨年の三月の卒業生から前年の四月から求人が公開になりまして、学生の就職が相当早期化していると、こういうことでございます。  一方、高校生につきましては従来どおり七月からの求人公開になっておりまして、教育的配慮からこうしたルールが守られております。その結果、公開の時期がずれておるということでございます。  現下の厳しい雇用情勢の中で高校生の就職を促進させるために、県としても八月に県内の経済団体に対しまして求人の確保要請を行っておりますし、また各ハローワークに配置してございます求人開拓推進員を精いっぱい活用して積極的な求人開拓をいたしておりますし、また今後ともやっていきたい、このように思っているところでございます。  次に、最近の就職状況でございますが、大学卒業生にございましては十一年三月、この三月卒業生のうち、就職希望七千六十七名中、就職した者は六千二百四十名、八八・三%。それから昨年の卒業生、十年三月ですが、希望者七千五百八十五名に対して七千百七十二名、九四・六%ということでございます。高校につきましては、ことしの三月は二千三百五十六名に対して二千二百三十二名、九四・七%、昨年は二千七百六十四名に対して二千七百一名ということで九七・七%で、いずれも十一年には前年に対して低くなっているということでございます。  この補正予算にも、緊急地域雇用特別交付金事業でございますが、何回か申し上げておりますように、失業中の求職者の雇用就業の場を確保するためのつなぎの事業ということでございまして、新規の学卒者に対する直接的な雇用というものを対象とするものでないことは御理解いただきたいというふうに思います。  なお、学卒未就職者の臨時応急的な就業の場の一部としてなるんではないかと、こんなことも考えているところでもございます。  次に、廃業旅館等の管理についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり廃業・倒産した旅館の大半が空き家になっておりまして、防犯あるいは防災面で温泉地のイメージから見ても極めて好ましくない状況にあることは御指摘のとおりでございます。しかしながら権利関係は大変複雑でございまして、なかなかその整理が進まない現状にあることは議員も御案内のとおりでございます。  先般、加賀市におきまして庁内組織として倒産旅館を考える会ワーキンググループというものを設置されたというふうに聞いておりまして、取り壊しや再利用を視野に入れた対策について検討がなされているというふうに聞いております。こうした今後の地元関係団体あるいは市、町の取り組みを見きわめながら、県として何ができるか、真剣に検討していきたい、このように思っているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(吉田歳嗣君) 山西農林水産部長。  〔農林水産部長(山西邦尾君)登壇〕 ◎農林水産部長(山西邦尾君) 直接支払い制度と農村生活空間博物館との関連についてお答えいたします。  農村生活空間保全事業につきましては、伝統的な農業施設やカヤぶき家屋などの美しい農村景観と豊かな自然環境などを保全・復元するものでございまして、その後の管理運営は地域住民の主体的参加によって行われるものでございます。  これに関しまして、直接支払い制度は中山間地域において耕作放棄地の発生を防止し、農地の持つ多面的機能を保全するために生産条件が不利な農地を対象といたしまして、農業生産活動などの継続を支援するものでございます。  したがいまして、農村生活空間保全事業と直接支払い制度は直接関連するものではございませんが、直接支払い制度をてこにした地域住民の主体的活動によりまして農地や農業用水路などが適切に維持保全され、農村生活空間保全事業が目的としている美しい農村景観などの保全につながるものと、このように期待しているところでございます。
     以上でございます。 ○副議長(吉田歳嗣君) 西教育長。  〔教育長(西貞夫君)登壇〕 ◎教育長(西貞夫君) 環境教育についてお答え申し上げます。  環境教育は、幼児期から身近な自然体験を通しまして地道に計画的に取り組み、環境保全の大切さを体で実感し、感性として身につけるものであるというぐあいに考えております。この理念のもとに、環境教育の進め方について先進国に学ぶために今年度中に小学校、中学校、高校の教員をドイツへ派遣することとしておりまして、このための予算を今回の補正予算でお願いをしているところでございます。その成果を幼稚園から高等学校までの継続的な教育に生かしまして、地域に根差した実践的な取り組みを功を焦ることなく地道に進めてまいりたい、かように考えております。  その実践段階におきましては、議員お説のとおり教育委員会のみならず、子供、父母、教職員が一体となってともに努力する姿勢はぜひとも必要であろうというふうに考えておるところでございます。  以上でございます。 ○副議長(吉田歳嗣君) 広岡立美さん。  〔広岡立美君登壇、拍手〕 ◆(広岡立美君) 初めに、前回初めて質問に立ったときの感想から申し上げます。  我が身の恥をさらすようで申し上げにくいのですが、実は知事の御答弁は言い回しが難しくて意味がよくわからないところがありました。例えばNPOサポートセンターをつくる意向がおありかどうか尋ねましたが、積極的なのか消極的なのかわかりませんでした。その日の夕方、テレビのニュースでNPOサポートセンターに前向きと報道されて、それで初めて、ああそういう意味だったのかと思ったようなわけでした。そして、お答えが前向きなのか後ろ向きなのかもわからないままにしてしまった自分が情けなくなりました。あのとき念を押してお聞きすればよかったと反省しました。  どんな人にもわかりやすいやりとりをするのが議会なのではないでしょうか。百十八万人の石川県民に情報を開示する一番大切な場が議会です。その意味で、県議会の情報はすべて公開するのが原則であり、議員に個人としてのプライバシーはあっても、議員の議会活動に秘密があってはなりません。まして、公開されたやりとりの意味がわからないなどということになったら悲劇です。午前中の北議員の質問に対してわかりやすい言葉でとのお答えがありました。期待するものです。  では、質問に入らせていただきます。  前回の一般質問のときに予告いたしましたが、行政が民間企業などと契約を結ぶことについてお尋ねします。  前回、私は行政の役目は社会のあるべき姿をみずから示すことだと申しました。地方自治体はよりよい地域社会づくりを目指して、みずから率先垂範して企業や県民を方向づける責任があります。  先日の知事の議案説明におきましても、知事自身同じ考えをお示しになりましたので大変うれしく思いました。補正予算の第四の柱として環境施策の推進を挙げられたところで、知事は「県庁が率先垂範することにより、県民、事業者、市町村に御理解をいただき、体系的な取り組みを県全体に広めていきたいと考えております」と述べられておられます。  さて、そこでです。県庁が率先垂範して姿勢を示すその方法の一つとして、県庁と民間業者などとのつき合いのルールといいますか、約束を結ぶときの原則といいますか、そういうものをつくることによって県庁はみずから社会のあるべき姿を示すとともに、民間の人々がそういう方向に自分たちの行動を変革することを促すことができます。これはいやしくも、公共性を代表するものとしての自治体の重要な使命だと思います。県が企業にでなく、NPOに委託すればNPOは元気になります。同様に環境問題に取り組んでいる企業と契約すれば、環境問題に対する企業の姿勢は変わってきます。障害者の雇用や福祉にきちんと取り組んでいる企業と契約すれば、そういう企業は元気になります。女性の雇用、昇進に積極的に取り組んでいる企業がどんどん契約をとれるようになれば、ほかの企業もみんな女性問題に取り組むようになるでしょう。  企業は経済的なインセンティブに大変敏感ですので、一定のルールによって企業の行動を誘導するような施策が大変有効と考えられます。この問題については、六月十日の産業委員会において同じ趣旨の質問をいたしました。このとき担当部長から大変前向きな御答弁をいただき、本当にうれしくも心強く思いました。  では、現状はどのような仕組みになっているかと申しますと、県庁が契約を結ぶ場合には地方自治法二百三十四条第一項の定めによって、その公正さや効率性を期するために原則として一般競争入札によるとされています。そして、どの業者に落札するかは従来価格によって決定されていましたが、この点はことし一九九九年の施行令改正によって総合評価方式が導入され、従来の価格万能方式は改められました。  そこでお伺いいたします。こういう問題を念頭に置いて、民間業者などとの事業委託などの契約を結ぶことについて一定のルールを制度化する御意思がおありでしょうか。具体的に私がお伺いしたいのは以下の三点についてです。  一、県の競争入札参加者資格や資格審査の要項を拝見いたしますと、あるいはいわゆる業者登録というのでしょうか、資格審査申請書などに企業が環境問題に取り組んでいるとか、障害者の雇用や福祉に取り組んでいるとか、女性の雇用や昇進に取り組んでいるとか、そういうことを書き込む欄はありません。  そこでお伺いいたします。競争入札参加資格等の要素として、環境、福祉、女性問題への取り組みを含ませるお考えはありませんか。  二番目、また関連してお伺いいたします。ことしの施行令改正によって導入された総合評価方式のねらいは品質を重んじるといったことが中心なのかもしれませんが、私は総合評価の要素の中に環境、福祉、女性問題への取り組みを含ませるのが適当と考えています。  もしA、B二社があって、A社はISO14001の認証を取得していたが、B社はそうでないといたします。その場合、A、Bの示した価格が同じならば、そして技術や品質が同等と認められるならば、環境問題に取り組んでいるA社に落札するのが妥当ではないでしょうか。場合によっては、多少A社の価格が高くてもA社に落札するのが適当というケースさえあるかもしれません。  落札者の決定において、環境、福祉、女性問題への取り組みを評価の要素として含ませるお考えはありますか。  さらに三番目、さらに関連してもう一つ伺います。現代の高度に発達した資本主義社会では、一般に企業の行動が社会のあり方を決定的に規定します。  この九月十五日に金沢市の中央公園におきまして、金沢JC主催の夢マーケット99が開催されました。そのねらいの一つは、市民活動の意義を訴えることでした。JCのような経済界の団体が市民活動を支える姿勢を示されたのは本当に心強いことでした。その点、戦後の日本政府は、環境、福祉、女性、市民活動といった分野で企業の行動を方向づけるのにかなり及び腰だったと思います。例えば障害者雇用促進法は、民間企業に対して障害者の法定雇用率を義務づけていますが、その率は一・八であります。同じ制度はドイツやフランスなど他の先進諸国にもありますが、ドイツやフランスの法定雇用率は六%です。大変大きな差があると言わざるを得ません。  これはあくまでも一つの例ですが、そこでお伺いいたします。県として企業が環境問題、福祉、女性、市民活動に積極的に取り組むのを促すためにどのような取り組みをされておられるのでしょうか。そして、その効果がどれくらい上がっていると認めておられるのでしょうか。お伺いいたします。  二番目の質問です。行政の通知簿づくりについて。  第二に、行政の通知簿づくりについてお伺いいたします。つまり政策効果の評価分析について伺います。私は選挙のとき、県政の通知簿をつくることを公約にいたしました。その関係もあってこれはどうしてもお聞きしておきたいことの一つです。  新聞各紙は八月二十七日朝刊で、東京都が九月から行政評価制度を立ち上げると報じました。政策効果を客観的に測定することは方法的に大変難しいことですが、しかし二つの意味で大変重要なことです。一つは、行政の効率化を図るという意味です。つまり税金のむだ遣いを省き、効率のよい行政を行っていくために有効です。もう一つは、県民に対して広く県政の通知簿を公開するという意味があります。  第一に、今行政評価は三重県、北海道、東京都などやっと幾つかの自治体で手がつけられたばかりですが、導入について検討している自治体は都府県、市町村の七割に上ります。行政評価が流行する兆しを見せているのは、財政危機の中で事業を見直し、行政の効率化を図るというねらいからでしょう。その手法として、民間企業の経営効率を上げるために開発されてきたコンサルタントの方法が適用されようとしています。  ただし、以下の点には十分留意しなければなりません。一つは、県庁職員の仕事をふやさないこと。行政効率を上げるために行政の仕事がふえたのでは何が何だかわかりません。  ジャーナリストの徳丸壮也さんが、このほどTQC──トータル・クオリティ・コントロールに関する大きな単行本をまとめました。徳丸さんは、経営の効率を上げるはずのTQCがかえって会社の経営を悪化させたことを大変丁寧に掘り下げていらっしゃいます。行政評価の取り組みがTQCの二の舞を踏むことがないようにしなければなりません。  第二番目に、そもそも市民の立場からすれば自治体行政の達成度はぜひ知っておきたいことです。市民は主権者なのですから、行政の実態についてぜひ善悪の判断を下さなければなりません。そのためには行政がどんなことをしているのか、知識と情報が必要です。ですから、市民はいつでも必要な情報を手に入れることができるようになっていなければなりません。  これには三つの形態が考えられます。一つは、情報公開です。公開された情報を検討することによって市民が自分自身で評価するわけです。行政は透明性が高くなくてはなりません。ですから、公文書を過去にさかのぼって公開することは国民主権という原理から来る当然の要請です。ただ、情報公開制度によって県民が手にすることのできるのは生のままの文書ですから、仕方がないこととはいえ分析に大変手間がかかります。  もう一つは監査です。つけ焼き刃で勉強したのですが、外国の地方自治では監査機関による行政評価が行われている事例があるそうです。我が国でも監査による行政評価は可能なのではないでしょうか。  もう一つが行政の達成度や政策の効果を評価分析し、その結果をわかりやすい形で市民に示すことです。これはいわば行政の通知簿です。親が子供の勉強の達成度を通知簿で見ることができるように、市民も自分が住んでいる自治体の行政の達成水準をわかりやすい形で見る。これは本来当然のことではないでしょうか。  さて、ここで質問いたします。行政の通知簿をつくること、つまりいわゆる行政評価制度の導入について、それを実施するおつもりはおありですか。お考えをお聞かせください。その際、特に次の点に留意して見解を御披露ください。  一つ、行政評価は県民にわかりやすい形で公開されるべきであること。二つ、分野によって行政評価の方法はおのずから違ってくること。学校で子供たちがいろいろな科目を教わるのと同じように、県庁が行っている仕事は多岐にわたります。行政評価になじまない性質の仕事も少なくありません。しかし、それを認めた上で、なおかつ行政評価は今後ますます重要な課題となっていくでしょう。  例えばことし六月に成立した男女共同参画社会基本法でも、都道府県は基本計画を作成することが義務づけられました。基本計画をつくる以上は、当然男女平等の達成度を常に評価点検しなければならないでしょう。これも一つの通知簿です。このようにいろいろな形で行政の通知簿づくりを進めていかなければならないと思います。  三、客観性と信頼性を高めるため、外部の市民や専門家が評価の作業に参画すること。四、単なる合理化になってはいけないこと。行政評価は不当な人員削減や労働強化につながるのは困ります。まして、TQCのケースのように職員の仕事量がふえ、モラルが低下するなどは論外です。  もう一度申し上げます。以上の四点に留意して行政の通知簿をつくることについて、それを実施するおつもりはありますか、お考えをお聞かせください。  第三番目、県内の自治体のコンピュータの二〇〇〇年問題対策について質問します。  最近話題になっておりますことの一つに、コンピュータの二〇〇〇年問題があります。コンピュータだけでなく、電話交換機など実にさまざまな設備に二〇〇〇年問題を引き起こす埋め込みチップが使われているそうです。どんな事態が起こるのかわからないので、私たちも心配しています。  これは東京都のケースですが、ことし八月に東京都内の全区市町村を対象に民主党東京都連が調査を実施いたしました。それによりますと、東京都の自治体のうち埋め込みチップなどの調査さえしていない自治体が六十四自治体のうち十もありました。石川県民としても心配です。石川県内の自治体は対策がちゃんと進んでいるのでしょうか、お伺いいたします。  第四番目、学習障害児とこれに類似した児童生徒について。  いじめや登校拒否や少年犯罪の増加や学級崩壊など、教育現場がこれまでにない問題を抱えて苦しんでいます。問題の根底には、少子化、情報化など社会文化状況の急激な変化があるように思われます。これらはおおむね豊かさと科学技術の発達によるものです。今や一人一人の教育的ニーズに合った支援が求められています。  そんな中で、数は多くないのですが、いや数は多くないからこそ、きめ細かさという面で余計に学習障害児のことも対策が急がれます。文部省の中間報告によりますと、「学習障害とは、基本的に全般的な知的発達におくれはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力の習得と使用に著しい困難を示すさまざまな障害を指すものである」と定義されています。現状は、教育現場においていじめに遭ったり不適応を起こしパニック状態になる。登校拒否、引きこもりなど二次的障害を併発しているケースも多く見られます。  石川県では、学習障害児親の会が学習障害児とこれに類似した児童生徒を正しく理解し、子供たちが適切な学校生活を送れるように活動しています。金沢市内の小学校にあることばの教室は大きな力となっています。しかし現状は、ことばの教室の数が少なく、専門知識や技能を持つ先生も非常に少ないのです。また、診断、相談の機関もありません。  そこで、全教員に対して研修会の開催や啓発資料の作成配付などを行い、障害の状態や発達の段階に応じた指導内容、方法の体系化の確立を望みます。  そこで質問いたします。一つ、教員に対して学習障害児等に対する理解を徹底しておられるのでしょうか。二つ、学習障害児などに対する指導内容と指導方法の確立に努めておられるのでしょうか。  以上申しましたような問題について、教育長のお考えをお示しください。  五番目、遺伝子組みかえ食品やクローン牛などの食品の安全性について伺います。  市民が健康な生活を送ることができる基本的な条件は、私たちが口にする食品が安全であることです。食品の安全性の確保は、命を守り、健康を維持するために必要不可欠なことであり、人々が生き生きと暮らすための基本的な課題です。  ところで、私たちを取り巻く状況はどうでしょうか。残留農薬のこと、畜産品や養殖魚に使われる抗生物質のこと、食品添加物のことなど、さまざまな問題が指摘されています。食料自給率が四一%と低い日本では、輸入食品に頼らざるを得ません。そこで、遺伝子組みかえ食品についての情報の開示をめぐる問題もクローズアップされてきています。  農水省が一九九八年に遺伝子組みかえ食品に関する国民の意見の調査を行いました。九月八日から十月九日の一カ月という短い募集期間だったにもかかわらず、一万八百三十八件にも上る意見が出されました。そして、その大多数は表示義務を求める意見でした。しかし、遺伝子組みかえ食品の七割から八割が表示義務の対象外になっているのが現実です。  クローン牛についてはどうでしょうか。受精卵クローン牛は既に市場に出回っています。九月九日に店頭で表示販売されたニュースはまだ記憶に新しいと思います。農水省の表示販売方法について検討する懇談会では、九日に行われた購入者のアンケートの結果を参考にして販売の表示法の結論を出すことになっています。  体細胞クローン牛は昨年、石川県畜産総合センターで九頭が誕生しました。世界初ということでニュースにもなりました。産業委員会の視察で私も対面してきました。見たところは外見は普通の牛でした。まだまだ実験段階でいつ店頭販売されるかもわかりませんが、いずれそうなることでしょう。そのときは表示はどうなるのでしょう。とても気になりました。  私は、これらのクローン牛の研究を否定するものではありません。知らないうちに食べていたなどということがないことを願うのです。  ところで、遺伝子組みかえ食品やクローン牛に限らず、食品は安全と安心が第一です。そして、消費者は食品がどこでどのようにつくられているかを知る権利があります。ガイドラインを示したり、パンフレットをつくって生産者、事業者や消費者に対しての啓発の仕事をする。環境が食品に与える影響についても考慮し、対策を講じるということも重要です。もちろん県は、食品の安全、安心に対してさまざまな対策を講じています。食品の安全に関する情報をどのような形で消費者に伝えるべきであるか、お考えをお聞かせください。  以上です。  どうもありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉田歳嗣君) 谷本知事。  〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) 広岡議員の一般質問にお答えをいたします。  まず第一点は、NPOについての答弁ということでありますけれども、議事録を取り寄せました。「NPO活動促進検討会議をこれを設置をしまして、県が取り組むべき課題といいますか、その範囲といいますか、そして支援のあり方、こういったものを議論し、参考にしながらぜひ取り組んで進めていきたい」、こういうふうにお答えをいたしておるわけでございます。  次に、事業委託等の契約におけるルールづくりという御質問がございました。基本的には工事請負契約、そういったたぐいの事業を含めまして競争入札が基本ということになっておるわけでございます。これは県民の税金を財源とし充当するということでありますから、公平、公正、そして工事そのものを遂行できる能力といいますか、そして県が定めた仕様に従ってきちっとやっていただけるかどうか、こういったことがやはり基本になってくるわけでありまして、地方自治法の施行令でもこの資格要件というのが経営の規模及び状況ということでありますから、販売の実績とか従業員の数とか資本の額、こういったものに限定をされておるということでありまして、これ以外の事項を資格の要件とすることはできない、こういうことになっておるわけでありまして、そういう意味では大変福祉とか女性問題の取り組み状況とかという要素を取り入れるというのは技術的には大変僕は難しいんではないかというふうに思いますし、中でどうウエートづけをするのかということも大変難しいんではないかと、このように思うわけであります。  ただ、物品の購入につきましてはリサイクル製品、こういったものは評価等も定まってきておるわけでありますので、資格審査とは別にそういう環境に配慮している事業者を業者選定の際、考慮することはいたしておるわけでございます。コピー用紙あるいは感熱紙、文具、作業服、印刷物、トイレットペーパー、そういったたぐいのものに相なるわけであります。  しかしながら、福祉とか女性問題等に例えば関する調査委託などで仮に随意契約になじむものがあれば、熱心にこうした問題に取り組んでおられる団体や会社に委託するというようなことは考えられるんではないかと、このように思うわけであります。  そして、女性問題で市民活動に対する企業の積極的な取り組みを促すための方策ということがございましたが、男女雇用機会均等法も改正をされました。これからは今御指摘になったような視点は大変大事な視点になってくるんだろうというふうに思います。  私どもがやっておりますのは、普及啓発活動、こういうことに相なるわけでございます。企業の皆さん方、団体の皆さん方自身が自分の問題としてこれを受けとめていただく。それを強制するというのはなかなか難しいわけでありまして、そういった意識を高めていただくための啓発事業というのが私どもの仕事になってくるんではないかと、このようにも思っておるわけでありまして、例えば環境への配慮ということになりますと、ISOの資格を取得を支援するためのコンサルタントの派遣事業でありますとか、環境保全に関する自主的な取り組みを推進するための企業環境活動のハンドブックを作成し、これを配布するということでありますとか、環境会計を導入しようとする企業に対します普及啓発活動でありますとか、そういった啓発活動が主たる内容になってくるんではないかと、このように思うわけでありまして、それぞれの企業の皆さん方が経済活動を行っていく上で、ぜひ議員が御指摘になったような視点も重要であることを認識していただくように、私どもとしてはさらに一層の普及啓発に取り組んでいきたい、このように考えているところであります。  次に、行政の通知簿づくり、いわゆる行政評価制度についての御質問がありました。これは政策評価とか事務事業評価とか時のアセスメントとか、呼称や手法はいろいろあるようでございますが、導入の必要性は国、自治体を問わず一致しているのではないかと、こういうふうにも思います。  この制度の主な目的はもう議員御指摘ありましたとおりであります。説明責任を果たして県政への住民参加を促進をする、あるいは効果的、効率的な行財政運営を図る、こういった点が主たる点であろうと、このように思っておるわけでありまして、いずれにしましても地方分権というものがこれからさらに進み、そういう社会が実現するということになってまいりますと、こういった制度は大変重要な制度になってくるのではないか、こういうように思うわけでありまして、私ども政策立案を行う上で、いわば行政を担っておりますそれぞれ職員にとって使いやすく、また県政に参加する上で県民にとってもわかりやすいものにするということが大変大事な視点であろう、このように思っているわけであります。  したがいまして、具体的に作業をしてまいりますと、個別の事務事業単位でとらえるのか、例えば大きく政策レベルでとらえるのか、また評価の物差しを何に求めるのか。例えば行政活動の成果をわかりやすく数値化する指標、こういったものによるのか、あるいは投入された予算に対する利便性といいますか、便益の多少ではかるのか、いろんな指標があるわけでありますので、他県の指標の分析でありますとか、議員の御指摘の視点も含めまして、今財政課と、そして行財政システム改革推進室、ここを中心にその導入に向けて今検討を進めているところでございます。 ○副議長(吉田歳嗣君) 荒川総務部長。  〔総務部長(荒川敦君)登壇〕 ◎総務部長(荒川敦君) まず、契約における総合評価方式についてでございます。御指摘のとおり、ことし二月の地方自治法施行令の一部改正がございまして、総合評価方式を導入することができることとなっております。これは民間の技術力がいろいろ高まってきたということで、それを一層広く活用することによりまして品質の確保、コストの縮減などを図ることを目的としたものでございまして、価格とそれ以外の要素を総合的に評価し、県にとって最も有利であるものを落札者として決定すると、そういう仕組みでございますが、これは手続の透明性をどう確保するのかとか客観的な審査基準をどうつくっていくのかと、いろんな課題もまだあるようでございまして、国においてもいまだに具体的な実例は少ないということでございます。  ただ、この方式による場合に価格以外の評価項目として想定されますのは、工事については工期とか安全性、施工方法などでございます。物品については、性能や品質等というふうにされているところでございまして、環境や福祉ですとか女性問題への取り組み状況といった要素というのは、技術、性能とはまた違った次元であるということでございますので、これらを評価項目として取り入れるのにはなじみにくいものがあるのかなということで考えております。  ただ、むしろ受注した企業がそうした問題に積極的に取り組んでいただくことを期待するというものでございます。  次に、コンピュータの二〇〇〇年問題でございました。市町村や一部事務組合におきましては言うまでもないことでございますけれども、税とか住民基本台帳、病院、水道、住民の生活に直結したサービスを行っているということでございますので、私ども県といたしましてもシステムの修正ですとか模擬テストの実施、危機管理計画の策定、全庁的な取り組み体制をとってくださいといったようなことをいろんな場を通じまして、また個別にも指導してまいってきております。  こうした成果もございまして、この九月末現在では生命や財産などにかかわる重要なシステムのうちの九二%については修正作業を終えたと。残るシステムにつきましても十一月末までには終了するということになっておりますし、各市町村におきましては年末年始に万が一の障害が発生してはいけませんので、待機態勢をとりまして緊急の連絡、情報の収集、提供のできる体制を整えるということにいたしております。  県といたしましては、引き続き遺漏のないよう万全を期すように指導してまいりたいと思います。 ○副議長(吉田歳嗣君) 斉藤環境安全部長。  〔環境安全部長(斉藤直君)登壇〕 ◎環境安全部長(斉藤直君) 食品の安全性に関する情報の提供についてお答えをいたします。  食品の安全性につきましては御承知のとおり食品衛生法により、また品質表示等につきましては食品衛生法のほか、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、いわゆるJAS法において規定されているところでございます。  このように、食品の安全と情報提供につきましては国の責任で行うことになっておりますけれども、県といたしましても食品の安全知識の普及啓蒙と情報提供を図るため、生活科学センターや保健所において食品の安全性あるいは食品の添加物などについての講座や消費者団体との懇談会を開催しているところでございます。また、消費者からの食品に関する苦情相談等にも積極的に応じているところでございます。  今後とも国及び関係機関と十分連携をとりまして、県としても正しい情報の提供に努めていきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(吉田歳嗣君) 西教育長。  〔教育長(西貞夫君)登壇〕 ◎教育長(西貞夫君) 学習障害児等についてお答えを申し上げます。  学習障害児に対する認識というのが浮上したのはここ十年ほどのことでありまして、文部省の調査研究協力者会議はこの七月に最終報告を出しております。  本県では、学習障害児を正しく理解し指導に当たるために、教職員に対しましてはまず平成四年度より教育センターで学習障害児関係講座を開設しております。また、本年度より県内の六会場で学習障害児に関する教育講演会も行っております。  文部省の委託の学習障害児等相談指導事業と、こういう事業がございますが、これは金沢市が受け入れをしまして研究を進めておるという段階でございます。  なお、教職員の理解促進を図るためにリーフレットの作成も検討しておるところでございます。  その指導方法の確立ということでございますが、学習障害児に対する指導につきましては一人一人の障害の状況が異なっておりますために個々に対応する必要がございます。現時点では全国的なレベルにおきましても、その指導方法が完全に確立しておるわけではなくて、まさしく研究途上ということでございます。  本県におきましても、この指導方法を確立するために県の教育センターを中心に各学校、保護者と連携をとりながら研究を進めておると、こういう段階でございますので御理解をちょうだいしたいと思います。  以上でございます。
           ─────・──・────── △休憩 ○副議長(吉田歳嗣君) 暫時休憩いたします。   午後二時三十一分休憩        ─────・──・──────  午後二時四十九分再開           出席議員(四十八名)             一  番   作   野   広   昭             二  番   宮   元       陸             三  番   宮   下   源 一 郎             四  番   中   村       勲             五  番   下   沢   佳   充             六  番   藤   井   義   弘             七  番   米   光   正   次             八  番   米   沢   賢   司             九  番   山   田   憲   昭             十  番   若   林   昭   夫             十一 番   北       栄 一 郎             十二 番   広   岡   立   美             十三 番   杉   本   栄   蔵             十四 番   木   本   利   夫             十五 番   紐   野   義   昭             十六 番   小   倉   宏   眷             十七 番   米   田   義   三             十八 番   朝   倉       忍             十九 番   粟       貴   章             二十 番   石   坂   修   一             二十一番   山   田   省   悟             二十二番   北   野       進             二十三番   田   中   博   人             二十四番   中   谷   喜   和             二十五番   八 十 出   泰   成             二十六番   石   田   忠   夫             二十七番   吉   田   歳   嗣             二十八番   向   出       勉             二十九番   善   田   晋   作             三十 番   上   田   幸   雄             三十一番   宇   野   邦   夫             三十二番   北   村   繁   盛             三十三番   長   井   賢   誓             三十四番   山   根   靖   則             三十五番   和 田 内   幸   三             三十六番   稲   本   孝   志             三十七番   庄   源       一             三十八番   稲   村   建   男             三十九番   長       憲   二             四十 番   北   村   茂   男             四十一番   中   川   石   雄             四十二番   宮   下   正   一             四十三番   米   澤   外   秋             四十四番   金   原       博             四十五番   矢   田   富   郎             四十六番   宮   地   義   雄             四十七番   宮   下   登 詩 子             四十八番   藤   井       肇        ─────────────── △再開、質疑・質問(続) ○議長(稲村建男君) 会議を再開し、休憩前の議事を続けます。紐野義昭君。  〔紐野義昭君登壇、拍手〕 ◆(紐野義昭君) 質問の機会を得ましたので、日ごろ県民の皆さんから耳にすることを中心に、以下数点にわたりお尋ねをいたします。  質問の第一は、昨今の象徴的な社会現象の一つと言われる自殺の問題であります。厚生省がまとめる簡易生命表はその年の死亡率などをもとに年齢別にあと何年生きられるかを示す平均余命を計算したものでありますが、一九九八年のそれによりますと日本人の平均寿命は男性が七十七・一六歳、女性が八十四・〇一歳であり、女性が過去最高を更新し、十四年連続。一方、男性は前年を下回りましたが、五年連続長寿世界一であったのは御承知のとおりであります。  さて、がん、心臓病、脳卒中のいわゆる成人の三大疾病が克服されれば、平均寿命は男性が八・九一年、女性が八・一一年延びると推計されています。しかし、ことしの男性の平均寿命が〇・〇三歳低下したのは最近の自殺者の急増によるものであります。日本での自殺者の数は警察庁のまとめによりますと、平成十年は初めて三万人を突破し、過去最高の三万二千八百六十三人、うち石川県では三百八人。これは昨年の交通事故死亡者数の三倍以上の数であり、また未遂者になりますとその十倍以上。さらには実際に起きた件数の数十倍ものの潜在的な予備軍がいると思われます。  これまで日本では、青年と老人の自殺者が多いというのが特徴でありましたが、ここ数年、いじめなどによる子供たちの自殺の増加とともに、五十代の自殺率が飛び抜けて高くなってきているといいます。見るからに豪放なタイプの政治家があっけなく自殺したことがありましたし、社会的テーマでヒットを飛ばした映画監督の自殺も記憶に新しいのであります。さらに、最近でも著名な文芸評論家、人気アナウンサー等の働き盛りの中年、熟年の自殺のニュースが大変多く、私にも、そしてここにおられる皆さんの身近にも実例があるかと思います。これらの原因の中で一番多いのは病苦などでありますが、今借金や事業不振、失業などを背景にした経済・生活問題による自殺者が激増しており、不況が働き盛りの世代に暗い影を落としているのは間違いないのであります。  どれもこれも身内や知人の方々が一様にまさかあの人がという思いを持つ突然の死であります。五十代は働き盛りとはいえ、仕事や家庭での重責やストレスから逃れることができない世代であります。そこに振りかかる昨今の経済環境の激変。将来への不安、栄光からの挫折によって絶望のふちに立たされても不思議ではありません。まさに強いようでもろい五十代であります。この議場内にも働き盛りの五十代の方が多いのでありますが、知事の御感想をお聞きしたいと思います。  余談でありますが、男性に比べて女性の自殺率は年々下がってきており、一概に言えないとしてもこれは女性は男性に比べてやはり元気であることを示しているのかもしれません。  こう見てきますと、直接的には自殺動機はごく個人的なものであっても、背中を一押しする社会的要因に目を向けざるを得ません。もちろん大変難しい問題ではありますが、社会的に誘因がある以上、何らかの方策を探さざるを得ないのであります。  御承知のとおり、交通事故対策では長年の国を挙げての取り組みにより、一時期約二万人にもなった死者は現在半減をしている実績があるのですが、自殺防止対策に国を挙げての取り組みがあったことはかつてないのであります。自殺は社会病理現象の一つといいますが、行政レベルでの具体的対策を講じる必要があると思うのであります。  作家の五木寛之さんは、御自分の経験から自殺者増加の問題を早くから取り上げて、「自分の危機を回避するため休息をとれ。思い切って現場を離れることだ」と言っています。生きていれば新たな道が見えてくるという、こうした体験的なアドバイスを聞ける相談窓口がふえることが大切であります。そして、その窓口が一体どこにあるのか知らせる広報体制も重要であるかと思います。欧米では、相談を希望する人のもとへ緊急に出向くスタッフが待機をしている救急的な組織もあるとのことでありますが、日本ではそうした対応に相当のおくれがあるかと思います。国レベルではなかなか体制がつくられないのであれば、地方が動かざるを得ない。本県での体制づくりに取り組むことができないか、お伺いをいたします。  さて、精神的な治療以外では現在カウンセラーやボランティアに頼った「こころの電話」などの窓口が自殺予防の主体でありますが、自殺のふちに立っている人にはまず苦しみを聞くことが救いの一歩であり、ボランティアの役割は大変大きいと聞きます。しかし、ボランティアも人間。生活があり、自分を犠牲にしてまで働けないのであります。一九五三年にイギリスで始まり、現在世界四十カ国以上の都市で行われている「いのちの電話」は、日本でも一九七一年に東京でスタートをし、日本いのちの電話連盟のもとで活動が進められています。現在は、全国四十一カ所の電話センターにおいて専門機関とも常に連携を持ちながら、ボランティアの方々が活動しており、その相談件数は全国でこれまで数十万件にも及び、いかにこの運動が必要とされているのかがわかります。  しかし、これらの民間組織での二十四時間の相談体制の取り組みには困難が伴い、電話での相談と連動して面談できる場所と人材確保、さらには財政的保障を求める声も強いのであります。本県でも民間組織の取り組みを十分に拡充できるよう活動支援していく考えはないか、お尋ねをし、この問題を終わります。  次に、新県庁舎に関連をして一点お尋ねをいたします。  新県庁舎も間もなく工事に着手する段階となり、いよいよ平成十五年春には完成の運びとなるわけであります。  御承知のとおり、完成後は予期せぬ大きな災害発生時には新県庁舎が防災拠点となり、知事が災害対策本部長としてその任に当たるわけでありますが、神戸やトルコ、台湾での地震、最近の台風被害は決して他人事ではなく、万が一の災害に備え、知事公舎や警察本部長舎を含め、幹部公舎は新庁舎付近にあるべきかと考えます。災害が発生した場合、現在の知事公舎からは新庁舎まで徒歩で一時間以上はかかると思われますし、幹部職員の公舎はさらに遠いのであります。  このことについて、知事は以前、「県庁のそれぞれの職員が災害応急対策の実務について磨きをかける取り組みが大事。知事公舎あるいは部長公舎、課長公舎の移転建設には多額の経費がかかる」と消極的な答弁をされておられましたが、考えてみますと現在の公舎を売却することで経費は抑えられるかと思います。  新県庁付近にはまだまだ保留地もありますし、百年の大計の副都心づくりの核としての新県庁であります。いかがお考えか、知事及び環境安全部長、警察本部長にお尋ねをいたします。  またあわせて、防災関係の実務職員の待機宿舎の設置についてもお聞きをしたいと思います。  御承知のとおり、中小企業は日本の企業数の九九%を占め、第一次産業以外の労働人口のうち六〇%を雇用する日本経済を支える存在であり、本県の状況も同様であります。しかし、個人企業と有限・株式会社を合わせた最近の年間平均開業数は廃業数を大きく下回って減少傾向を続けており、本県でも開業率を廃業率が上回っているようであります。そして、このことは雇用問題にも悪影響を及ぼしているのは明らかであります。  この十一月に招集をされる臨時国会は、中小企業国会と位置づけられ、今後は国も経済再生、景気対策の目玉としてベンチャー・中小企業支援に重点を置いていくようであり、そのために中小企業施策の基本的な考え方と施策体系を定めた中小企業基本法を三十六年ぶりに見直すとのことであります。  さて、ベンチャー・中小企業が抱える大きな課題は資金調達であり、新規事業参入や創業、事業の運転などのために必要な金融支援策が今一番望まれているのであります。政府では、企業の専門技術などを判断材料にして行う公的融資制度の創設や直接資金が調達できる金融市場の整備を進める方針のようであります。  本県でも今後さらにこの長期的な低迷が続くと繊維、鉄工機械が中心である本県の産業構造を考えますと、新しい分野を求める必要があると思われますし、これに対する支援が重要だと思うのであります。  本議会補正予算の中にも、将来の雇用を担う新規創業、新分野進出の支援策として幾つかの施策が盛り込まれておりますが、知事のベンチャー・中小企業対策への決意を改めてお聞きをするものであります。  次に、文部省の学校教育の情報化計画に関連をしてお尋ねをいたします。  情報化による教育立国を目指し、文部省は来年度から六年間で公立の小中高校に校内情報通信網を整備するとともに、公立校教員約九十万人全員がコンピュータを操作できるようにする計画をまとめたとの報道がありました。  小中学校では二〇〇二年度から、高校では二〇〇三年度からの新入生から予定をされている新指導要領実施によりコンピュータ整備が今後急速に進むことになりますが、これはこれまでの教育のあり方を抜本的に変革をしたいという文部省の意気込みにより生まれたものであり、財源も地方交付税で措置するものであります。  計画によりますと、公立小中高校のうち一定規模以上の約八千二百校について校内LAN整備費を補助。すべての私立小中高校約二千百六十校にもコンピュータ整備を補助し、教室からもインターネットに接続できるようになり、本格的に稼働をすると教育用のさまざまなすぐれた教材が開発され、自由に活用できるようになります。  また、学校で日常的にコンピュータが活用されることにより授業形態が基本的に変革する可能性もあり、学校と家庭、地域の連携や学校運営のあり方そのものも大きく変える可能性があるのであります。このことに本県ではどのように対応していくおつもりか、あわせてこれまでのコンピュータ教育もどのように考えてこられたのかをお聞きをするものであります。  さて、これらは文部省の考え方でありますが、主にハード面での可能性の基礎を構築するものと理解ができます。ここで大切なのは、こうしたハードを使って何をやるか、何がやれるのか、学校側が基本的な対処法をしっかり持つ必要がありますが、それは教育現場からの視点であります。つまり、児童にとってわかりやすい授業、役に立つ授業、そのためのコンピュータの活用についての考え方を持つことであります。  それには、まず一つには教育上のデータベース。つまり、学校図書館同士と県立図書館をネットワークで結ぶことも重要だと考えます。現在では電話回線があればインターネットで世界も瞬時につながる時代ですが、県内の図書館相互は現在ほとんどつながってないのであります。県立図書館ではインターネットでアクセスはできますが、内容は県内公共図書館の蔵書目録を検索するだけであって、図書館同士の相互乗り入れはできていないのであります。これは時代の流れとは全く異質のものであります。  なぜなら、インターネット時代のネットワーク構築とは独立した情報発信者同士が相互に利用し合うことを保障するというのが基本にあるのであります。これにはハードよりもソフト面での対応が求められているのであります。学校教育面においても、各学校図書館の蔵書や教育教材のデータベースづくりと、これらの相互利用を可能にすることであります。ある一校で有用な仕事をインターネットを通じて公開することで全国で活用できる。今までこうしたことは市町村レベルから県、地域、全国レベルの会議を一々経て、または逆の道をたどって各学校におりてきてやっと有用な資料が利用できたのでありますが、このような会議の連続を一掃して瞬時に活用できるのであります。  今や情報化社会を生きていく上でコンピュータは欠かせないと思いますし、私も自分の子供には英語教育などとともに今のうちにと考えるのであります。つまり、その活用法を学校で教えることはまさに時代の要請であります。もちろんコンピュータはあくまでも情報を入手したり処理したりする一つの手段にすぎないわけであり、教師と子供たちの心の触れ合いをどう深めていくのか、課題は今後さらに大きくなってくるのも事実であります。  コンピュータの活用が効率化や利便さだけを追求することにならないよう、今後検討する必要もあるかと思いますが、これらのことについて知事、教育長の御所見をお尋ねするものであります。  御承知のとおり、生活様式の変化、余暇の増大により県内外問わずスポーツに対する盛り上がりは大きく広がりを見せ、本県でも平成三年の石川国体以来スポーツ人口の増大とともに生涯スポーツの意義も県民各層に浸透してまいりました。また、国体等を初め全国レベルの各大会におきましても本県代表の選手の皆さんが栄誉と誇りをかけて力いっぱい戦っているわけでありますが、私どもも少しでもその情熱の手助けになりたいと思うのであります。以下、最近スポーツ関係者よりの話をもとに数点お聞きをいたします。  最初は、石川県民体育大会開催費補助金についてでありますが、その額はここ二十年ばかり何か事情がない限り余り変わってないのであります。県下どの市町村においても県体の開催の希望は強いのでありますが、施設整備、運営費等、競技団体、市町村の負担は大きいのであります。四十一市町村すべてが何年かに一度はせめて一種目でも開催できますよう御配慮をお願いしたいと思いますが、いかがでありましょうか。  また、競技力向上対策費のうち国体の選手強化費であります。ことしは一億六千二百万円余りが計上されているのでありますが、石川国体以来ずっと減り続けているのであります。競技力の一つの指標となるここ数年の本県の国体での成績は、選手、競技団体や関係者の努力によって十位台と健闘していますが、各競技団体の財政は厳しさを増すばかりであり、石川国体で蓄えた競技力を食いつないでいるだけで、今の成績をもうこれ以上維持するのは限界との声を聞くのであります。  確かに県財政が厳しいことは理解をいたしておりますが、スポーツでの本県勢の活躍は明るい話題が少ない昨今、県民に対し有形無形の大きな活力を与える何よりの方法と思うのでありますが、いかがでありましょうか。  次に、石川県立野球場についてであります。この球場は以前より控室等設備の老朽化、不備が言われており、プロ野球関係者からも開催のたびに不満の声が出ているとのことであります。県民からは、毎年プロ野球のレベルの高い試合を生で見たいとの声があっても、このままでは採算面も含め続けていけないとのことであります。  広さについては、狭い地方球場の方がホームランを打てるという選手もおり、気にはならないそうでありますが、観客席の数とロッカールームなどに課題があるようですが、お考えをお聞きしたいと思います。  次に、県内の学校プールの飛び込み台についてであります。学校のプールでの飛び込みによる事故において、プールの深さが基準に達していない等による理由により、行政がその管理責任を問われたことがあったようであります。その結果、最近学校プールでの飛び込み禁止はもちろん、飛び込み台までもがわざわざお金をかけて取り外されているところがあると聞きます。飛び込みのない水泳は競技としては成り立たないのであり、本来ならできるだけ子供たちが飛び込みができるよう指導するのが先ではないかと思いますが、いかがでありましょうか。  なお、要望でありますが、総合スポーツセンターの早期完成はスポーツ関係者のみならず県民すべての大きな願いであります。用地については十分な取得を進めていただいておりますが、六月議会では「多額の建設費を要する大きなプロジェクトを推進中なので、ある程度時間差を置きたい」という知事答弁がありました。県民の夢という観点から、どうぞ早期実現に御配慮をお願い申し上げまして、スポーツの問題を終わります。  質問の最後に、道路交通法の改正に関連してお尋ねをいたします。
     先般、成立した道路交通法の改正により、ことし十一月から走行中運転しながらの携帯電話の使用が原則禁止になるとのことであります。違反者には普通車で九千円の反則金、さらに三カ月以下の懲役、または五万円以下の罰金が課せられると聞いておりますが、こうした法律の改正点は意外と知られていないのであります。  運転中の携帯電話の使用が禁止になっても、緊急時は除外されると規定もあるそうですが、一体緊急時とはどのような状態をいうのか、いろいろと疑問も出てくるわけであります。  さらに、携帯電話と同様に走行中のカーナビゲーションやカーテレビ、パソコンなどの画面の注視も禁止されますが、注視とはどのような行為を言うのか、はっきりしないという指摘もあります。  携帯電話の普及は著しく、県民にも影響を及ぼす法改正と思われ、解釈にあいまいな点が残ったままでは混乱が生じないかと懸念されるわけであります。県警は十一月からの改正道路交通法施行に向けて、どのような改正点を県民に広報されるのか、現場ではどのような姿勢で法を適用されるのか、お尋ねをいたします。  二点目は、先日も質問にありましたが、チャイルドシートについてであります。来年四月から六歳未満の幼児を車に乗せるにはチャイルドシートの着用が義務づけられます。都会と違って地方では車は生活に欠かせない必需品といえ、子供を二人三人と抱える家庭ですと、その経費負担は決して軽いものとは言えません。効果があるとわかっていても、いざ義務化となればさまざまな不安、戸惑いを感じる家庭も少なくないと思います。着用義務に違反した場合は、罰則はないものの違反点数が課せられますが、現場ではどのような姿勢で臨まれるのでしょうか。  チャイルドシートの着用義務化については取り締まりよりは指導的な観点に立った運用が必要だと思いますが、県警本部長の御所見をお尋ねをして、私のすべての質問を終わります。(拍手) ○議長(稲村建男君) 谷本知事。  〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) 紐野議員の一般質問にお答えをいたします。  第一点は、自殺問題についての御質問でございますが、御指摘のように五十歳代の皆さん方の自殺が大変多くなってまいっております。石川県を取り上げましても、自殺の一位は病気を苦にしたものということでございますが、第二位に経済・生活問題を苦にした自殺が第二位につけておるわけでありまして、しかも平成九年、十年比較をいたしますと、経済・生活問題を苦にした自殺者が倍増しておるという状況でございます。いわば今の五十歳代の皆さん方は何というのですか、高度成長の中で終身雇用あるいは年功序列という中で会社にひたすら忠誠を尽くすという形でやってこられた、そういった皆さん方が今リストラという形で失業の憂き目に遭う状況になっておるわけでありまして、そういった面も多分にやはり影響しているのではないかというふうにも思うわけであります。  リストラは本来事業の再構築ということでありますけれども、これが首切りという言葉に置きかわってしまったような感なきにしもあらずで、事業の再構築せずしてリストラしかできない経営者は経営者の資格はないというふうに言われた経済界の方もおられるようでございます。大変厳しい状況になっておるということでありまして、大変残念なことでもございます。  この自殺をどうすれば減らすことができるのかというのはなかなか難しい問題でありますが、基本的には景気を回復の軌道に乗せていく。五十歳代の皆さん方が安心して働ける、そういう環境をつくり出していくということでありましょうし、リストラも事業の再構築というものをしっかりそれぞれ企業の皆さん方にやっていただく。そして、安心して次の職場へ移れるような雇用の流動化というんでしょうか、セーフティネットというんでしょうか、そういったものもつくり上げていくということが大変大事な視点ではないかと、このように考えているところであります。  次に、新県庁舎についての御質問がございました。災害発生時にはもちろんこの県庁舎が防災拠点になるわけでありまして、私が災害対策本部長として指揮をとるということになるわけでありますので、知事や部長の公舎が県庁舎の近くにあるということは理想でございます。理想はそうでございますが、現実問題としては部長公舎もまだ使える状況にあるわけでございますし、知事公舎もまだ使用し得る状況にあるわけでございます。県庁舎の整備そのものも非常に多額の予算をかけて整備をするわけでございます。それに加えて、知事公舎、部長公舎、課長公舎も一挙に整備するということになりますと、これまた多額の予算が必要になってまいります。その辺のところは、知事としては少し考えていかなければいけないんじゃないかなというふうにも思っておるわけでございます。  そして、災害対策ということになりますと、初期の応急対策が何よりも大事であります。ですから、自然災害の中でも台風等なり水害ということになりますと、台風の進路というのは事前に予想できるわけでありますから、石川県を直撃するなというおそれがある場合には前もって県庁舎で私も含めて待機をするということは十分できるわけでありまして、問題は地震ということでありますが、地震はこれ阪神・淡路大震災のように直下型地震ということになりますと、これは一度にどんと来るわけであります。やっぱりそういったときには、あの阪神大震災を見ておりましても、最初の一日二日というのは地域の住民の皆さん方の相互の助け合い、自力救済、そして地域が応急対策に立ち上がるということが必要でありまして、一日二日たってまいりますと行政が出ていっていろんな応急対策を具体に講じると、こういうふうな状況になるわけでございます。  そして、それぞれ災害対策の実務に長じた職員が具体にいろんな活動を行うということがむしろ大変大事になってくるんではないかと。初期の応急対策ですね。知事と部長だけが県庁舎に詰めましても、実際問題はなかなか応急対策が講じられないということにもなりかねないわけでございますので、むしろ実務にたけた職員がいつでも対応できるような状況をつくり出しておくということが大変肝要ではないか、このように思うわけでありまして、そういう意味で新県庁舎には災害対策本部室を設けますけれども、それと同一のフロアに消防防災課の担当職員の待機室を設けるということにいたしておるわけであります。これは二十四時間、当直・日直体制をとると、こういうことでもございます。  それに加えて、今御質問がございました初期の応急対策に取り組む実務職員の待機宿舎という御質問がございました。これはある意味では新県庁舎の周辺に確保するということは大変大事なことであろうというふうに思いますので、県民の皆様方の御理解も得ながら、さらに検討を進めてまいりたい、かように考えているところであります。  次に、中小企業・ベンチャー支援ということでありますが、これまでもお答えをいたしております。大変な不況の最中でございまして、廃業率が開業率を上回るという状況があるわけでございます。そういう中で、新しい時代のニーズに積極的に対応していく企業、産業の育成というものが大事なことはもう御指摘のとおりでございます。これから二十一世紀を展望してまいりますと、医療とか福祉とか情報通信とか環境、そういった分野で新しい産業が芽生えてくるという要素が十分にあるわけでありますし、既存の産業分野でも新商品とか新技術の開発により積極的に取り組んでいただくという姿勢が何よりも大事でございます。  そういった意欲のある企業に対しては我々も積極的にこれからも応援、支援をしてまいりたいというふうに考えておるわけでありまして、そういう意味で今回の九月補正予算にもそういった支援をより充実強化してまいりますための予算をお願いをいたしておるところであります。既存の産業はさらに足腰を強くする。そして、新しい分野に積極的に乗り出していく企業を積極的にバックアップをしていく、こういう姿勢はこれからも堅持をしたいと、このように考えているところであります。 ○議長(稲村建男君) 藤井厚生部長。  〔厚生部長(藤井充君)登壇〕 ◎厚生部長(藤井充君) 自殺問題への対応についてお答え申し上げます。  県におきましては、精神保健福祉センターに精神科医、臨床心理士を配置をいたしまして心の相談ダイヤルを設置するとともに、面談による相談を実施しております。また、保健所におきましても電話や訪問による心の悩み相談を行っているところでございます。  民間におきましては、社団法人金沢こころの電話などが県民の心の悩みに対し、電話相談を行っているほか、職場における心の問題への対応には労働省の指導により各事業所で推進が図られているところでございます。  県といたしましては、心の悩みの相談に係る関係機関との連携強化、相談窓口に関する広報を含めまして今後どのような取り組みが必要なのか、検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(稲村建男君) 西教育長。  〔教育長(西貞夫君)登壇〕 ◎教育長(西貞夫君) 教育問題とスポーツ振興につきまして数点お答えを申し上げます。  まず、コンピュータ教育についてであります。新学習指導要領におきましては、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を積極的に活用することが新たに示されております。本県の情報教育につきましては、国の新整備計画に基づきまして、まず県立学校におきましてはコンピュータ教室に一人に一台の整備を本年度中に完了する予定ということでありまして、市町村に対しましても小学校では二人に一台、中学校では一人に一台を整備するように指導をしているところであります。  さらに、すべての教職員がコンピュータを操作できるように、平成九年度から毎年一千名を対象に県教育センターにおけるコンピュータ基礎研修講座を実施するとともに、学校に民間の情報処理技術者を派遣する研修などを実施しておりまして、コンピュータ教育の環境を整えているところでございます。  次に、コンピュータ活用の教育ということのその基本的な理念でありますが、これからの教育では子供たちがみずから学び、みずから考える力を育成するために、コンピュータを手段として活用することが望ましいというふうに考えております。  議員お説のとおり、教育の基本はあくまでも教員と子供との触れ合いを通じて進められるものであると認識しておりまして、コンピュータ教育にありましても機械的な効率性に埋没することなく、人間性を失うことのない教育を進めてまいりたいと、かように考えております。  次に、県民体育大会の補助金についてでありますが、県民体育大会は昭和二十四年に第一回の大会が開催されておりまして、以来半世紀にわたる県民に定着した大会ということであります。健全明瞭な県民性の育成など、県のスポーツ振興に大きな役割を果たしているというふうに認識をしております。  その開催に当たりましては、県体育協会あるいは競技団体、市町村の皆さん方が多大な御苦労をいただいております。心から感謝をしておる次第であります。  県といたしましても、厳しい財政状況の中で助成措置を講じているところでありまして、今後とも関係団体と十分相談しながら検討してまいりたいというふうに思います。  それから、国体の選手強化費ということでございます。競技スポーツは、県民のスポーツへの関心を高め、生涯スポーツの振興に寄与するとともに、青少年を初め県民に夢や感動を与えるなど、活力ある健全な地域社会の形成に大きく役立っております。このため、県といたしましても競技力の向上に積極的に力を入れてきており、長年財政的に支援を行ってきたところであります。今後も競技団体の皆さんが意欲を持って競技力向上に邁進できるよう、御指摘の国体の選手強化費につきましても一定水準はぜひ確保しなければならないというふうに考えております。  次に、野球場についてであります。県立野球場の整備につきましては、ナイターの照明設備あるいは内外野のスタンド席の改修、スコアボードの電光表示化などを行ってきたところであります。本年度はグラウンドの改修工事を行うことにしており、可能な限り多くの野球ファンのニーズにこたえてまいりました。  プロ野球の開催につきましては、主催者側から観客席の増設の希望がございますが、増設工事は球場全体の構造にかかわることでもありますし、現時点では極めて困難であることを御理解いただきたいと思います。  なお、ロッカールームなどの環境整備につきましては関係者と相談し、できる部分から実施をしてまいりたいというふうに考えております。  最後に、学校プールの飛び込み台についてのお尋ねがございました。本県の学校において発生した事故に対しまして、日本水泳連盟の公認規則を適用した判決があったことを受けまして、市町村に対しその規則に適合しないプールのスタート台の使用禁止もしくは撤去等について検討するように昨年通知をしております。  スタートの指導は学習指導要領において個々の能力に応じた段階的指導が示されておりまして、スタート台のないプールでありましても基本的な技術指導は可能であるというぐあいに考えております。  なお、学校プールは多学年にわたり能力の異なる児童生徒が使用するために、事故防止上安全な水深に保つ必要もありまして、各学校におきましては安全性の確保、水泳技術の習得の両面に配慮した指導がなされておるというぐあいであります。  以上でございます。 ○議長(稲村建男君) 永井警察本部長。  〔警察本部長(永井和夫君)登壇〕 ◎警察本部長(永井和夫君) 警察関係二点御質問がありましたのでお答えをいたします。  一点目は、知事から既に答弁もありましたが、警察本部庁舎の移転新築に伴って警察本部長の公舎も移転新築する考えはないのかということでございます。議員御指摘のとおり、新庁舎の近くに本部長公舎が必要であるということは私も認識をしております。しかし、それにも増して大切なことは、とりあえず災害など発生時の際に拠点である新庁舎に駆けつけまして所要の準備や部内の所要部門に対して指揮・指示をしたり、さらには関係機関・団体に対して通報・連絡をする初動措置要員が直近に住んでいることの方がより重要であるというふうに考えております。  そういった意味で、新庁舎の近くには現在二棟の職員待機宿舎がありますので、新庁舎へ移転後、この二つの宿舎については警備、交通、通信部門等の必要な要員を順次居住をさせるというふうに考えております。  二点目の道路交通法の改正に関連をしまして二つ御質問がありました。  一点目の本年十一月からの改正道路交通法の施行に向け、これは携帯電話等の関係でございますが、どのように改正点を県民に広報しているかということでございますが、一つには交通安全協会、安全運転管理者協議会、街頭交通推進隊など交通関係機関・団体等に対する研修会や講習会の開催によります改正内容の周知徹底であります。二つには、携帯電話メーカー、北陸電気通信監理局など関係機関・団体等で構成をされております石川県携帯電話等に係る交通安全推進連絡会を中心とした広報啓発活動であります。三つには、改正道路交通法の要点を網羅したリーフレットを県内全世帯へ配布することによる広報。四つには、交通安全運動などにおける各種イベント、街頭キャンペーンにおいて改正内容をわかりやすく解説したチラシ等の配布による広報。そういったことを現在やりつつあるところであります。  このほかに、新聞、テレビ等あらゆる広報媒体を活用しまして、県民に対しまして改正内容の周知徹底に努めているところであります。  そこで次に、現場ではどのような姿勢で法を適用するのかということでありますが、今回の改正により設けられました走行中の携帯電話等の使用制限は、携帯電話等の急速な普及を受け、交通事故防止のため運転者の守るべきルールを明確化することにその主眼があります。単に走行中に携帯電話等を使用しただけでは罰則等の適用はありませんが、よって道路における交通の危険を生じさせた場合に初めて処罰の対象としているわけであります。  例えば横断歩行者の通行を妨害をするなどした場合は、普通車ですと反則金九千円、点数二点となり、交通事故を発生した場合は三カ月以下の懲役、または五万円以下の罰金が課せられるということになるわけであります。  したがいまして、現場においてはこのような法の趣旨を踏まえまして、県民の理解が得られるような交通指導取り締まりを実施してまいりたいというふうに考えておるところであります。  二点目のチャイルドシートについてでありますが、チャイルドシート使用の義務づけは運転者に対して経済的負担を課すことともなりますので、現在リサイクルやレンタル制度の普及支援等について自治体、関係機関・団体等にその協力をお願いをしているところであります。  なお、チャイルドシートの着用義務違反に対する交通指導取り締まりにつきましては、法律が施行されます平成十二年四月一日から一定の指導期間を設けるなどして、チャイルドシートの必要性、有効性についての広報啓発活動に努めるとともに、適正かつ親しみのある交通指導取り締まりを行うなど、県民の皆様方の理解が得られるよう十分配意してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(稲村建男君) 藤井肇君。  〔藤井肇君登壇、拍手〕 ◆(藤井肇君) ことしの八月二十八、二十九日、金沢市において「第九回障害児を普通学校への全国交流集会」が開かれて、北海道から沖縄へかけて全国から約六百名の出席者がありました。県と県の教育委員会から温かい後援をいただき、出席された方々はとても感動してお帰りになりました。どうもありがとうございました。  この大会には若者を中心とした約百五十名のボランティアが集まりました。大変心温まる介護の姿が見られて、最近の若者はという簡単な批判は慎むべきだと思いました。  点滴、透析を受けながらストレッチャー、いわゆる担架ですね。そこでパネルディスカッションに聞き入る障害者。そして、それを囲む車いすの集団の中で私は、人は皆生きる権利がある。そして、生きようとする人をフォローしていく義務が私たちにはあると痛感をしました。  会場になった県社会福祉会館の薄暗い建物にたくさんの各種団体が入居しております。雑居ビルであり、決して障害者のためになるビルではありませんでした。バリアフリーの時代に今のままでよいのかについては後ほど提案をします。  今回の大会でバリアフリーについて指摘されたことは、一、車いすが安全に通れる歩道をつくってほしい。二、歩道に使用する敷石はぬれたら滑りやすくなるような材質を使わないでほしい。建築家の遊びとしか思えない建築物、道路があるのではないか。金沢市内のホテルで障害者用の公共トイレを設けているのはたった三つしかない。県、市は指導、助成すべきじゃないか。五番目、県立高校の入学に当たって障害児に門を閉ざすようなことをしないでほしい。特に伏見高、田鶴浜高、鶴来高のようなフィジカリー関係の高校は積極的に障害児を入学さすべきではないのか。また、当然施設も十分に設備すべきでないかなどがありました。  障害という言葉への疑問、異議の声がふえつつあり、ハンディキャップマンという言葉にも否定の声があります。今、フィジカリーチャレンジパーソンという言葉を使おうという運動が始まっているそうです。日本では、障害福祉関係の施設は全国的に人目を避けるような郊外に建てられている例が多いようです。交通移動することは困難な人々の施設を人里離れた場所に建てることは問題であります。障害福祉関係の施設を都心に建てるべきです。  金沢の犀川大橋の南、弥生校区に改築時期に近い弥生小学校、泉中学校、そして二、三年後には角間に移転が予定されておる金大の学生寮、教官宿舎があります。敷地面積は合計で約四万八千平方メートルで、現在の県庁敷地の面積約八万七千平方メートルの約半分の広さではありませんですか。  かつて、文教公安委員会で東京の晴海近くのある施設を視察しました。この施設は、保育所、小学校、中学校、老人ホームが同居している施設で、児童生徒減の過疎化に悩むこの地区が保育所、老人ホームで厚生省、木材を使うことにより農水省から文部省に足し前をしてもらった工夫の産物であります。  このような施設は全国的にふえつつあります。福井県の大野市は、文化交流施設と小学校を組み合わせたシビックセンターと呼ぶ施設を市内中心部に建設する構想を発表しました。  県、市が力を合わせて弥生の地に保育所、小学校、中学校、老人ホーム、障害者コミュニティを含む福祉教育文化総合センター建設の計画を進めることを強く要望します。  なお、福井のこういった施設は文部省の地域に開かれた学校づくりのモデルケースとなるそうであります。  「お父さんは汚い」の言葉から始まる家庭崩壊があちこちに聞かれる中、家庭教育の必要性が今度の議会でもいろいろ叫ばれております。  先々週の日曜の昼、NHK金沢のテレビ番組、輪島市海士町の二十歳の青春を主張し、私目頭を熱くしました。海士になることを父から勧められた息子がいろいろと試行錯誤の結果、六十五歳の輪島一の海士のおばあちゃんの厳しい、しかし温かい指導で舳倉島で育っていくドキュメンタリーでした。私、旧制中学生としての三年間、輪島中学に通学しておりましたので、海士町の地域の強さを知っております。  まず、家庭がかちっとし、地域が育っていくと思います。私の住む地域で先日社会体育大会がありました。その晩、あちこちからすき焼きのにおいが漂ってきました。家族ぐるみで社会体育大会で活躍したその余韻が家庭のすき焼きとして残ったのではないでしょうか。  家族旅行村という看板があります。しかし内容は伴っているでしょうか。家族単位での旅行を奨励する。県が関係している宿泊施設、キャンプ場を利用する際、何らかの助成をすることは考えられませんか。六十五歳以上の方に銭湯券を配布する、その方式にすれば可能と思います。町内が何家族で連れ立って県内小旅行を手軽にできることにより、家族愛、地域社会への愛が育つきっかけとなり、地域の学校もよい方面へ育っていくのではないでしょうか。  さきの六月県議会で、県公用車に県のPRのボディペインティングを和服の方は兼六園無料入場をと提案しましたが、その後どうなっておりますか。押水では公用車にシールでの町のPRを張って始めたようです。  また、さきの都心地区の活性化等の委員会で、自宅改築に当たって自宅の大きな木を兼六園に寄附した県民が自分の寄附した木を見に行くのに入園料を払わなければならない。パスぐらい発行すべきではないかという声があると申し上げました。  金沢城址に造園業者の持ち込み樹木植樹だけではなくて、今申し上げたような県民持ち込みの県民の森を計画しないかという提案をしましたが、その後どうなっているのでしょうか。五月の鯉は吹き流しで、お役所の耳は聞き流しということのないようにひとつお願いをしたいと思います。  金沢市は、旧町名復帰の動きがあり、人々の町名などへの愛着を物語っております。住民合意でのネーミングは第一条件であります。県の施設、橋、道路のネーミングはどのような心配りをされておられますか。  福井の小浜から京都の鯖街道に対して、今富山は鰤街道を売り込もうとしております。土木部長、県内で「ひどい橋」という橋を知っておいでますか。八年ほど前に土木はこういう「橋」という立派な本を出しました。(本提示)しかし、ここにひどい橋という橋は載っておりません。何かひどいという地名にそういうひどい橋というのをつくったそうで、その写真を赤瀬川原平という「老人力」を書かれた作家が紹介をしました。そういうことを申し上げましたら、「コジキオトシ」という地名も石川県にはあるそうで、そういう橋をつくられたら大変だと思うんですが。  金沢でいうと、例えば城南大通りというのがあります。しかし、あの大通りは都会から来た人からでは決して大通りには見えない。ある友達は「城南大」通りと言いました。「藤井、どこに城南大という大学があるんや」と。あるいは、かつて金沢中警察署という名前をつけました。「金沢中」までが漢字で、下が平仮名で「けいさつしょ」と。私は皮肉って、「金沢じゅう警察かいや」と言った覚えがありますが、本当にネーミングというのは難しいもんだというふうに思います。  あってはならない東海原発関係の事故が今議会の怒れる議題となりました。石川県で予想される三大災害というのは御存じでしょうか。この答えは申しません。  この石川県で大災害が起きたときに、陸路を断たれる。つまり、倶利加羅峠あるいは牛ノ谷峠を断たれたときに救援物資はどこから運ばれてくるということになれば、長い海岸線の港に頼らなければなりません。今度、七尾で防災訓練がありますが、七尾地域だけの災害訓練のようであります。  静岡県では、聞くところによりますと三千トンの船を購入して、海岸線での一斉の救援訓練を実施したようですが、石川県においてはどのように考えておられますか。  新聞等で、今九月県議会は環境議会とネーミングされましたが、生き物の命と健康を守るための環境教育が教科書の中だけ、映像だけで済まされてはなりません。生きるということの反対に死があります。死を考えることは生を考えることになるという教育が始まっております。嫌なことがあったとき死んじゃえと思ったことがあったけど、日々人の死と直面している訪問看護婦さんのお話を聞いて、つらいことを見詰め直そうと思った。また、反対に死は自然なもので怖いものじゃないと思ったという子供の感想がありました。上智大教授、慶応高校、千葉の中学校の先生の試みが九月二十八日の石川県の地元の新聞に紹介されております。  家庭で息を引き取る場面が極めて少ない今、人も含む生き物の死は子供たちにとって現実感がなく、そのことは生命の大切さを実感しない状況を生んでいるのではありませんでしょうか。  総合学習では、生と死のカリキュラムをかなり組むことができるようですが、石川県においてはどのような状況でしょうか。  また、死を静かに迎えるためのホスピスがふえつつありますが、県中央病院にホスピスをと要望したとき、時の中西知事は「ホスピスは宗教が伴うので公立病院では難しい」という答弁でしたが、現在ではどのようなお考えでしょうか。  私がこのようなことをお聞きするのは、総合学習で石川の子供たちが今申し上げたような生命に関しての病院を学習するため、病院を訪問したり、医療関係者の方々に来ていただいての学習をするとき、受け入れてくださるには公立医療機関が適切と思うからです。適切な医療機関、また方式があったらお教え願います。  たくさんの片仮名での環境汚染、薬物、状況の情報が流れておりますが、環境教育にはこれらの言葉を覚えることが重点ではありません。子供たちの身の回り、生活に目を向けさすことが大切だと思います。  山根さんがお土産を披露したので、そのまねをするようで恐縮ですけれども、この帽子はオーストラリアで売られていた子供用の帽子です。(帽子提示)御存じのように、オゾン層の破壊でオーストラリアは紫外線に対して大変神経を使っております。したがって、子供たちに二十分以上の紫外線を浴びさせてはいけない。したがって、この後ろのたれは後頭部から紫外線を守るための帽子です。こういうものに触れてこそ環境ということについて子供たちはよくわかるというふうに金沢の友達の教職員にお話をしましたら、金沢でもそうやと。うちの子に紫外線を浴びさせんといてという電話がかかってくることがあると。子供は太陽の子、ひなたぼっこ、外で遊んでおるような時代はなくなったのかと本当に寂しく思います。  石川の環境教育の実践的な例を教育長示していただきたい。  二〇〇〇年一月に東京で石川伝統工芸フェアが開かれるようですが、テレビや新聞、雑誌での広告、電車の中吊り広告、物品展示場の着物美人のPRが中心としたらありきたりで、各国の大使館のスタッフや記者クラブを招待してのパーティでの売り込みという案もあったように聞きます。もっとも商工労働部長は接待費の関係でやめたのではないかなと心配しておりますが。どのような規模、戦略で展開されるのか、示していただきたい。  一般県民から東京在住の知人への個人的なDMもかなり効果があります。選挙戦ではそうでありました。輪島、山中、九谷、友禅、不振の折、やることは皆やったの意気込みで取り組んでいただくことを強く要望します。  なお、同じ時期に東京ドームで全国観光物産展が開催されております。この会場からどういうふうにお客を引き込むかということも大切な問題であります。  「文部省、学習塾と連携へ」と報道されておりました。まだ、答申の段階なので具体的な答弁は難しいと思いますが、次の点について見解を示していただきたい。  一、学校で十分実施できない理科実験や自然体験を塾に希望しているというのは本末転倒ではありませんか。  二番目、土日に塾に通うことは懸念があるとしていますが、親の立場でいえば完全学校五日制になる二〇〇二年から土日の子供たちの生活が心配で、塾通いがふえるのではないかという予想と相反する答申のように思います。  三番目、夜の七時以降の授業をしないように塾に求めたとありますが、大体夜七時ごろから授業が始めるのがかなりの塾だというふうに思います。  四番目、英語塾の費用を国が半分負担とありますけれども、なぜ英語塾だけが国が半分なのか。一般学習塾も学力不振の子供たちをフォローする働きをしておりますが、このことをどう考えておられますか。  五番目、今後学習塾と連携していくとすれば現時点では学習塾を開くに当たっては許認可制ではなく、だれでも看板をかければ学習塾を開くことができます。したがって、学習塾格差があるというふうに聞きますが、この点をどう考えておられますか。  生涯学習審議会で文部省がいろいろ議論したそうですけれども、絵にかいたもちとの批判もありますが、文部省のやることは絵にもかけないもちばっかしという話もあります。
     以上、教育長お答え願いたいと思います。  本格的に総合学習が始まれば、博物館、美術館、図書館の役割が重要となっておりますが、残念ながら県立図書館の評判は芳しくありません。その中にあって熱心に本を読まれる方、自習室で学習している学生たち、それらの人々をフォローする図書館員の姿を見るとき、図書館側が要望している予算が充当されているのか、疑問を持ちます。  知事、ロビーを自習室に当てているあのエリアをぜひ見ていただきたい。かつて、加賀は天下の書府と言われた姿などそこにはありません。せめてその日使っていない部屋を臨時に応用的に自習室に振りかえる便法は考えられませんか。社会教育センターと同居の身ではままならないようですが、図書館側の要望をしっかり聞いていただきたい。  近年、図書館専門職員の定数を減らす公立図書館がふえてきたとのことですが、石川県の図書館ではどのような状態か、あわせてお尋ねします。  昔、ギリシャの哲人が「君の言うことに賛成はできないが、質問する君の権利は命をかけて守る」という、そういう話がありました。きょう石川県議会で質問をする機会を得られたことを深く感謝し、民主主義の火よ議場に永遠にと申し上げ、私の質問を終わります。  また、あしたよろしくお願いします。(拍手) ○議長(稲村建男君) 谷本知事。  〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) 藤井議員の一般質問にお答えをいたします。  まず第一点は、バリアフリーに関連する質問でございます。私どもも一昨年の三月にバリアフリー社会の推進に関する条例、これを制定をいたしまして、バリアフリー社会の実現に向けて一歩一歩着実に歩を進めているところでございます。まずはハード面の整備から、そしてまずは県有施設の整備からということで取り組んでおるところでございます。そして、バリアフリーには心の壁を取り払わなければいけない、このことも大変大事な視点でございます。これからもひとつこのバリアフリーに向けて懸命な取り組みを進めてまいりたいというふうに思っております。  昨今はフィジカリーチャレンジパーソンという言葉もあるというのは、私も初めてお聞きをしましたけれども、また勉強させていただきたい、このように思う次第であります。  そして、あとは個別具体の対応の御質問でございましたので、担当部長の方からお答えをいたしたいというふうに思います。  そして、金沢城址公園、いわば兼六園と並ぶ県都のシンボルにある意味じゃなるわけでありますので、この両公園が一体的に利用できるということになってまいるわけであります。より多くの県民の皆さん方に親しんでいただきたいと、このように思いますし、そういう中で議員の御指摘のございました県民の皆さん方の参加による植樹というのは確かに一つの大事な視点だというふうに思っております。これまでも記念植樹等の実績がございますので、それも踏まえまして県民共有の財産となりましたこの金沢城址の整備を進める中で、ぜひ実施をするという方向で検討をしてまいりたいというふうに思っておるわけであります。  県民の皆さん方が所有しておられますそういった樹木の寄附等につきましては、公園をより身近なものに感じていただけるということでありますから、ぜひ金沢城址公園でということで検討してまいりたい、このように考えておるところでございます。  金沢城址公園はいずれにしましても歴史的に大変大事な公園でございますので、こういった植栽計画につきましても有識者とか関係機関の意見を十分聞いて進めてまいりたい、このように考えているところであります。  次に、ネーミングの問題がございましたが、私ども橋の名前とか地域名、河川名、こういったものにつきましては基本的に史実に基づくといいますか、そして建設時において市町村からの御要望をできるだけ組み入れるというような形でネーミングをしてまいっておるわけでございます。  道路の愛称名につきましては、県民の日常での言い伝えが定着をしてきたものとか、道路の愛護精神の観点から、あるいは有識者や住民あるいは行政による委員会、そういった中で合意形成を図ってきたという名称もあるわけでございます。  例えば、中能登農道橋 ──愛称ツインブリッジのと、こういった名称もあるわけで ございますので、ぜひ石川らしさというものを十分配慮してまいりたい。ぜひ、今後もこのネーミングには工夫を凝らしてまいりたい、このように考えているところであります。  次に、石川伝統工芸フェアについての御質問がございました。これはいわば石川県の誇る伝統工芸、三十六業種ございますが、これが一堂に会していわば一致結束をして販路拡大を図るということで、昨年に引き続き大消費地であります東京都内で開催をするということでございます。昨年の開催の後、いろいろ業界内部では御議論があったというふうにお聞きをしておりますが、現在は業界一致結束してこれに当たっていこうということで意思統一がなされたというふうに私お聞きをいたしておるわけでございます。  いずれにしましても、今日の市場を考え、あるいは次の世紀に向けた具体的な展開の足がかりをぜひここで見つけ出していきたいということで、各関係産地の皆さん方、今熱心な取り組みのもとに準備が進められておるわけでございます。大変伝統産業を取り巻く状況は正直言って厳しいわけでありますけれども、こういった需要開拓というものも大変大事な取り組みだというふうに思います。私ども今回のフェアの開催が来年夏のお中元時を視野に入れてというふうなお話も聞いておりますので、ぜひこの需要開拓の契機の一つになることを期待をいたしておるところでございます。  そして、県立図書館についての御質問がございました。大変、県立図書館老朽化しておるというのは御指摘のとおりでございます。いずれ、何らかの手を打っていかなければいけないということも頭の中にあるわけでございますが、いずれにしましても現在の図書館がより県民の皆さん方にとって使いやすい図書館になるように、図書館担当者の皆さん方の御意見というのもよくよく聞く耳を傾けながら対応してまいりたい、このように考えております。 ○議長(稲村建男君) 藤井厚生部長。  〔厚生部長(藤井充君)登壇〕 ◎厚生部長(藤井充君) まず、ホテルの障害用トイレの設置についてお答え申し上げます。平成九年に制定をしましたバリアフリー社会の推進に関する条例におきましては、ホテルなど不特定多数の人が利用する施設を設置する事業者は、その施設についてバリアフリー化に努めることと規定されております。  県といたしましては、今後車いす用トイレを設置してないホテル事業者に対しまして条例の趣旨を理解し、県のバリアフリー施設設備促進融資制度を活用するなどして、トイレを含めた施設のバリアフリー化を促進するよう要請してまいりたいと考えております。  次に、福祉教育文化総合センターの建設についてお答え申し上げます。住民の生活に密接に関連した教育福祉関連施設の整備につきましては、地域においてどのような場所にどのような施設が必要であるか。また、複合施設とするかどうかも含めまして、基本的には設置主体である市町村において判断されるものと考えております。  しかしながら、核家族が進む中で子供とお年寄りとの交流の場の確保のみならず、土地、施設の有効活用の観点からも複合施設の設置は意義あることと考えており、市町村の複合施設の設置につきましては県といたしましても必要な相談に応じてまいりたいと考えております。  最後に、ホスピスについてお答え申し上げます。県立中央病院におきましては、専門病棟はありませんが、末期患者に対する緩和ケアを実施しており、できるだけ心の通った終末期医療の提供に努めているところでございます。  児童や生徒が死を目の前にして命のとうとさを学ぶことは大変意義のあることだと考えておりますが、病院へ学生生徒を受け入れることにつきましては患者や家族の心情にも配慮する必要があり、また我が国では人の死は個人的なものであるという意識が非常に強いこともありまして、現時点ではこうした死の準備教育といった観点からの受け入れを行うことは難しいのではないかと考えております。  以上でございます。 ○議長(稲村建男君) 斉藤環境安全部長。  〔環境安全部長(斉藤直君)登壇〕 ◎環境安全部長(斉藤直君) 本県が大災害に見舞われた際の救助・輸送体制についてお答えをいたします。  大災害が発生した場合の海路につきましては、現在七尾港の耐震岸壁の整備をしている最中でございます。また、金沢港につきましても順次計画的に耐震化を図ることとしており、これらを活用した海上からの輸送・救援を行いたいと考えておるところでございます。  このほか、陸路につきましても緊急輸送道路ネットワークを本年の地域防災計画に盛り込みまして、これらに選定されたトンネル、道路につきましてはトンネル、橋梁等の耐震化を順次図っているところでございます。  以上でございます。 ○議長(稲村建男君) 中島土木部長。  〔土木部長(中島浩君)登壇〕 ◎土木部長(中島浩君) 歩道の整備についてお答えいたします。現在、歩道を設置する場合はバリアフリー条例に基づきまして、有効幅員の二メートル以上を原則としておりまして、道路改良事業や都市計画事業において整備をしております。  なお、現在県道における歩道設置延長は千五十九キロメートルございまして、そのうち二メートル以上は七百六十九キロ、七三%となっております。  また、道路バリアフリー化促進事業によりまして車いすが安全に通ることができるように段差解消を初め、支障電柱の移設、歩道舗装の改善などを順次行っているところでございます。  なお、歩道の舗装につきましては従来より雨によって滑りにくい材質で整備を進めてまいっておりますが、まれには磁器タイルや自然石等が使用されているものも見られます。今後とも透水性舗装やノンスリップタイルなどを初め、歩道利用者の身になって歩道整備に努めてまいる所存でございます。  それから、兼六園に和服の人が来た場合、入場無料にしたらどうかという提案がございました。兼六園入園者の服装は和服、洋服等多種多様でありまして、四季折々にそれぞれ思い思いの服装で兼六園を楽しんでいただいておるところでございます。  兼六園や金沢城址公園では毎年兼六園大茶会等が催されておりまして、和服を着用した多くの方々に参加していただいてるほか、入学式、成人式、卒業式など和服を着用した折に園内を多くの方が楽しんでおられます。また、来春完成予定の時雨亭や現在整備している金沢城址公園では茶会や句会など和服で参加する人の多い行事が催されることから、おのずと兼六園、金沢城址公園に古都金沢の風情にふさわしい新たな魅力の創出というのも期待しているところでございまして、見守ってまいりたいと、このように考えているところでございます。 ○議長(稲村建男君) 西教育長。  〔教育長(西貞夫君)登壇〕 ◎教育長(西貞夫君) 教育問題につきまして数点お答えを申し上げます。  まず、県立高校における障害児対応の設備ということでございますが、高等学校の入学資格につきましては学校教育法で定められておりまして、障害の有無によりまして入学の門戸を閉ざすものではないということでございます。  このために、学校の施設設備の状況により志望校を断念することのないように、入学する生徒の状況に応じまして必要な整備を行っております。なお、平成九年度以降、県有の既存建築物のバリアフリー化緊急整備事業によりまして、すべての県立高等学校において玄関や廊下にスロープを、また階段には手すりなどを設置しております。また、新規入学生に対する個別の対応といたしまして、身障者トイレなども設置しておる次第でございます。  次に、家庭・地域の教育力の向上ということでお尋ねがございました。青少年の育成は社会全体で取り組む重要な課題でありまして、そのために家庭や地域社会の果たす役割は極めて大きいというふうに認識をいたしております。  本県では現在、県を挙げて心の教育を推進し、子どもの夢創生プランの策定に取り組んでおりますが、その中では自然体験や生活体験、ボランティア活動なども進める環境づくりが何よりも大切であるというふうに考えております。本来、体験活動は親子の触れ合いや家族や地域社会の中で自然に行う活動が有効であるというふうに思われますが、御提案の助成措置については他県の例なども調査の上、今後の研究課題とさせていただきたいというふうに思っております。  その次に、環境教育の実践例を示せということでございます。小中学校では理科、社会、家庭科などで地球の環境を守るためにさまざまな環境問題について学習を行っておりまして、オゾン層の破壊と紫外線の増加あるいは便利な生活とごみ処理の問題、原子力発電の長所と放射性廃棄物の問題などの内容について学んでおります。  また、高等学校では理科、地歴、公民等におきまして、小中学校で学んだことをさらに深めております。学校独自で設定した教科、環境という教科でありますが、こういう中でダイオキシンについても学習をしております。さらには、クラブ活動におきましても放射能測定などの環境学習を進めておるところであります。  次に、生命のとうとさを理解させるカリキュラムということでお尋ねがあったようでありますが、まず小中学校におきましては特に小学校でありますが、飼育小屋等で身近な生物の飼育を通じまして死に直面し、命の重さに触れることにより、生き物への慈しみを培っております。小中学校の道徳の時間では、身近な人の死について読物資料などを通しまして、生命がかけがえのないものであること、また自他の生命を尊重する態度を育てております。  一方、高校では公民科の倫理の中で、人間の尊厳と生命の畏敬について心の内面にかかわる死生観を学習しております。  次に、図書館の自習室についてお答え申し上げます。現在、県立図書館には読書室としての一般閲覧室のほか、学習室として自習コーナーを設置しております。自習コーナーの利用の仕方につきましては、限られたスペースの中で一人一人がルールを守るように日ごろから利用案内や張り紙の掲示あるいは職員が見回るなど、マナーの指導に努めておるところであります。  図書館をあらゆる人に公平に開かれるべきものでありまして、ルール違反など注意すべきものは注意する対応に努め、快適な読書環境を保持してまいりたいというふうに思っております。  それから、図書館の職員配置についてお尋ねありました。図書館法では、公立図書館には教育委員会が必要と認める専門職員を置くというふうな定めがありまして、県立図書館には司書資格を有する者が二十四名、教員の資格を有する者が三人を含め、現在四十人の職員の配置で実施しております。当面は現体制を維持し、図書館サービスの県民に対する充実向上に努めてまいりたいというふうに考えております。  最後になりますが、民間学習塾とのかかわりということでお尋ねがございました。国では、ことしの六月に初めて生涯学習審議会の答申の中で学校教育と民間教育との連携の問題に触れまして、学習塾を学校外教育として位置づけたものというふうに承知をしております。また、国ではこれを受けまして来年度予算概算要求の中で、地域における子供の外国語学習を支援するために学習塾等を活用したモデル授業などの実施を検討しているようであります。  本県での具体的な対応につきましては、こうした国の動向を踏まえ、今後塾などの民間教育事業者とどのように連携していくことができるかにつきまして、他県の状況も見ながら研究してまいりたいというふうに考えております。  なお、具体的な項目を挙げまして教育長の所見ということでありましたが、本年六月の答申ということでありまして、国の方におきましてもまだ断片的なものしか出しておりません。この時点におきましてはなかなか考え方も私自身もまとまっておりませんし、その都度もし国の方に対して要求すべきもの、あるいはまた国の方から知恵をかりたり、あるいはまた他県の状況も参考にするということで遺憾のなきように進めてまいりたい、かように考えております。  以上でございます。  〔藤井肇君発言を求む〕 ○議長(稲村建男君) 藤井肇君。 ◆(藤井肇君) 四十八番、再質問。  図書館の自習室の使い方についてはちょっと取り違えがあると思うんですけれども、これはまた次の機会で質問をしたいと思います。  兼六園の名木を寄附した方への入園証についてはお答えがなかったように思いますが。  それから最後に、私の発音が悪かったんですけれども、フィジカルチャレンジャーパーソンという言葉で、厚生部長がフィジカルという言葉を使っておられました。  以上です。 ○議長(稲村建男君) 中島土木部長。  〔土木部長(中島浩君)登壇〕 ◎土木部長(中島浩君) 御質問の兼六園に樹木を寄附した場合の入園者等に関しましては今後検討してまいりたいと、このように考えているところでございます。 ○議長(稲村建男君) 以上をもって質疑及び質問を終結いたします。        ─────・──・────── △議案等の委員会付託 ○議長(稲村建男君) 次に、知事提出議案第一号ないし第三十号及び報告第一号は、お手元に配付の議案等付託表のとおり所管の常任委員会に付託いたします。        ─────・──・────── △休会 ○議長(稲村建男君) 次に、休会の件についてお諮りいたします。  委員会審査等のため明五日及び六日は休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と言う者あり〕 ○議長(稲村建男君) 御異議なしと認めます。よって、以上のとおり休会することに決しました。        ─────・──・────── △閉議 ○議長(稲村建男君) これをもって本日の議事は終了いたしました。  次会は、十月七日午後一時より会議を開きます。  これにて散会いたします。   午後四時七分散会        ─────・──・──────...